旭川女子高生殺害で逆送の19歳女を起訴へ 実名公表の可能性も #専門家のまとめ
北海道・旭川市の女子高生殺害事件を巡り、家裁が7月26日付で共犯とされる19歳の女を検察に逆送しました。少年法に基づく保護処分ではなく、成人と同様の刑事処分が相当だという判断です。主犯格とされる21歳の女はすでに殺人などの容疑で起訴されています。19歳の女が今後どうなるのか、理解の参考となる記事をまとめました。
ココがポイント
▼女子高生を全裸にして土下座させ、携帯で撮影し、橋の欄干に座らせて「落ちろ」「死ね」などと言い、川に落下させて殺害した容疑
・【旭川女子高校生殺害】内田梨瑚被告とともに逮捕された19歳女 刑事処分相当と判断 検察官送致“逆送”決定 旭川家裁(HBC北海道放送)
▼家裁は19歳の女が自らの判断で積極的に被害者に暴行を加えており、犯行において果たした役割は大きいと判断
▼19歳の女が殺人罪などで起訴されれば、裁判員裁判で裁かれるとともに、少年法の規定により、実名が公表される可能性も
▼犯罪少年の実名報道を巡っては、事件に向き合わせるべきだという遺族と、立ち直りの足かせになるという専門家の間に温度差が
・18歳19歳の実名報道 責任自覚か足かせか 遺族「実名公表で罪の自覚を」 元少年院長「更生への支障に」(関西テレビNEWS)
エキスパートの補足・見解
実名の公表や報道を一部解禁した改正少年法の施行から2年がすぎました。成人年齢の引き下げに伴う措置であり、原則NGであるものの、18~19歳の「特定少年」のときに殺人などの重大事件を犯して正式起訴された場合には、実名などの公表が可能となっています。
家裁から逆送を受けた旭川地検は、19歳の女を殺人などの容疑で起訴することになります。というのも、主犯格とされる21歳の女を起訴する際、その共犯だと認定している上、家裁の判断も刑事処分が相当だというものだからです。
それとともに地検は、事件の重大性や悪質性、社会的反響、20歳に近い年齢であることなどを踏まえ、実名を公表するのではないでしょうか。そのタイミングでメディア各社も実名や顔写真などを報じることになるでしょう。
今回の事件は、2019年に滋賀県の17~19歳の少年ら7人グループがトラブルのあった20歳の男性を呼び出し、長時間にわたって暴行を加え、車に監禁した上で、自殺に見せかけて殺害するため、福井県の東尋坊に行き、男性に「はよ落ちろや」などと強要して崖下に飛び降りさせ、死亡させた事件と類似しています。
殺人罪などで起訴され、裁判段階で21歳となっていた元少年の一人は、裁判所から「被害者の人格を否定し、尊厳を著しく踏みにじった」「心を殺した上、肉体も殺す残酷なもの」「自らの過ちの重大性に、まだ十分に向き合えていない」などと厳しく断罪され、求刑どおり懲役19年の実刑判決を言い渡されています。(了)