次々と熱帯低気圧が発生しては北上する流れに
次々と発生しては北上する流れ
実況天気図にある通り、三陸沖を熱帯低気圧(A)が北上していますが、これとは別にきょう1日(日)午前3時、小笠原近海で新たな熱帯低気圧(B)が発生しました。この熱帯低気圧(B)は今後北西方向へ進み、あす2日(月)には本州の南海上に到達する見込みです。
さらにあす2日(月)午後9時になると、小笠原の南海上で低圧部(C)が発生する予想です。低圧部とは周囲より気圧が低く、循環は認められるものの、その中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心がハッキリとすれば熱帯低気圧に変わります。この低圧部(C)も将来的に熱帯低気圧に変わる可能性があると思われます。
上空の流れから、低圧部(C)も熱帯低気圧(B)同様、本州の南へ北上してくる動きをするかもしれません。
このように今、日本の南で熱帯低気圧が発生しては次々と北上してくるような流れとなっている状況です。
北海道と九州で警戒
三陸沖を北上している熱帯低気圧や前線の影響で、北海道の太平洋側で雨雲が発達し、ザーザー降りの雨が降っています。
きょう1日(日)日中は雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨の降るおそれがあり、あす2日(月)昼前まで雨の降りやすい状態が続く見込みです。
そしてさらに雨が激しく降っているのが九州北部です。
今、九州には先日中国大陸に上陸した台風6号由来の暖湿気が流れ込んでおり、上空の寒気も手伝って、雨雲が急激に発達しています。
山口県宇部では1時間に64.5ミリの観測史上1位の非常に激しい雨が降り、解析雨量では佐賀県で100ミリ前後の猛烈な雨を解析しました。
また昨夜からの雨量は熊本県益城で150ミリを超え、解析雨量では同じく益城で250ミリ前後に達している地点があります。
この大雨により、時折、土砂災害や浸水などの危険度(キキクル)が上昇している地域が出ています。気象庁から大雨に関する情報も出されていますので、今後も雨の降り方に十分な警戒が必要です。
また北海道や九州以外も、日中になると、あちらこちらで活発な雷雲が発生する見込みですから、広い範囲で、大雨に警戒が必要ということになるでしょう。
あす2日(月)は熱帯低気圧が北上
あす2日(月)になると、上述した熱帯低気圧(B)が伊豆諸島の南へ北西進してくる予想です。今のところ、風の予想は16メートル以上を示す赤い矢羽根は出ていませんから、台風の勢力に発達する可能性はかなり小さいと思われます。
とは言え、熱帯低気圧周辺の暖湿気に伴い発生した活発な雨雲が伊豆諸島をはじめ、関東や東海などにかかってくる可能性があります。
この熱帯低気圧の次にも、再び熱帯低気圧が北上してくる可能性があるなど、今後もかなり不安定な夏空が続き、いつ大雨が降ってもおかしくない状況が続きそうです。常に最新の情報入手に努めていただきたいと思います。