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世界王者だった父を超えるか?20戦全勝15KOの新鋭

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 WBOスーパーウエルター級1位、WBC/IBF同級3位のティム・チューが、3月26日に満を持してアメリカデビューを果たす。1994年11月2日生まれの27歳。目下20戦全勝15KO。

 昨年11月17日に井上岳志を判定で下して以来のファイトである。

 父であるコンスタンチン・チューが世界初挑戦を見据えていた頃、ティムはこの世に生を享けた。その、およそ3カ月後に父はIBFスーパーライト級タイトルを獲得する。

父、コンスタンチンはIBF、WBC、WBAスーパーライト級王座に就いた
父、コンスタンチンはIBF、WBC、WBAスーパーライト級王座に就いた写真:ロイター/アフロ

 ロジャー・メイウェザー、フリオ・セサール・チャベス、ビンセント・フィリップス、ザブ・ジュダー等、ビッグネームとの名勝負を演じた父は、アメリカ合衆国での3戦目が初の世界タイトルマッチだった。

 ティムの米国デビューも、もちろん世界挑戦を見越してのものである。話題性もあり、26日のファイトはSHOWTIMEでの放送が決定した。

 ティム・チューは言う。

 「アメリカデビュー、待ち遠しいです。SHOWTIMEは父のファイトも数多く、流してくれました。引き続きチューの名を広めてくれることが嬉しいですね」

 対戦相手は2012年のロンドン五輪に出場した、WBO11位のテレル・ガウシャ。22勝(11KO)2敗1分けの34歳である。

 ガウシャも次のようにコメントした。

 「試合に向け、長い時間を掛けて準備している。世界王座に就くためのステップにしたい。ティムは最高のコンディションに仕上げるだろうよ。こちらもだ。ファンに素晴らしいファイトをお届けしたい。コーチたちは俺を、間違いなくパーフェクトにもっていってくれる。勝者としてリングを降りるよ」

 世界タイトル挑戦を引きよせたい両者のサバイバルマッチ。目が離せない一戦だ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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