「自分の子どもが欲しい」と年下夫に離婚を切り出された55歳の磯野貴理子さんは、かわいそうなのか?
タレントの磯野貴理子さん(55)が24歳年下でバーテンダーの夫と離婚したことをレギュラー番組で告白されました。
この話題について、仲人として考えてみたいと思います。
結婚時に女性48歳、男性24歳。果たして子どもは無理だったのか?
磯野さんは2月生まれですから、結婚したときの年齢は48歳。
48歳の女性が出産するのは無理なのでしょうか?
以下は総務省統計局のデータで、「女性の年齢階級別出生数と出生率」を表にしたものです。
平成25年以降、45歳以上の女性の出生率は1000人につき0.3%であることがわかります。
1万人に3人ほどは、45歳以上で出産していることになります。
48歳の出産は、極めて低い確率ではありますがあります。「無理」ではなく「難しいけれど可能性はある」が正解です。
案外少ない「子どもが欲しいから結婚する人」
子どもが欲しい、という理由で結婚する人はいると思います。
以下は国立社会保障・人口問題研究所の「第14 回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 夫婦調査の結果概要」より抜粋した表で、「夫妻が最終的に結婚を決めたきっかけ」(2010年)です。
夫妻が結婚を決めたきっかけとして、「できるだけ早く子どもがほしかった」という動機があった割合は、7.4%。35歳以上の夫妻でも、8.5%(最も多いのが30~34歳で8.7%)。
意外と少ないのですね。
子どもという観点では、25歳未満の「子どもができた」ことが結婚を決めたきっかけ、の割合が50.0%で群を抜いて高いですね。
元AKB48の川栄李奈(24)さんがどんぴしゃ、当てはまります。
出産のチャンスがあったのだから結婚して良かったのでは~悔いが残らないから
話を磯野さんに戻します。
磯野さんは感謝の気持ちを番組内で話されたようです。
磯野さんのこの言葉が心からの言葉だとしたら、やはりどちらにも非がないように思います(浮気などの報道もあったようですが、あくまで「子どもの有無」という観点のみから書いています)。
逆に、結婚して良かったのではないでしょうか。
結婚当初は、チャンスがあったのです。確率は低いながら、可能性はあったわけです。
結果的に出産に至らなかったけれど、(夫妻のことなので断言はできませんが)出産に至るようトライはされたのだと思います。
トライの結果だったら、悔いは残らないでしょう。挑戦しなかったほうが悔やまれるのではないでしょうか。面談する中で、そういう声はよく聞きます。
子どもがいない人生も、子どもがいる人生も、どちらも大変なこともあり、どちらにも幸せは必ずあります
子どもがいないという現在の状況をふまえた上で、バーテンダーの元夫が目指す未来と、磯野さんが目指す未来がズレたのでしょう。
結果、ふたりで出した結論が離婚なのだったら、各々が目指す未来に向けて歩けばいいのではないでしょうか。
磯野さんはかわいそうなわけではないし、元夫が一方的に悪いとも思いません(くどいようですが、あくまで「子どもの有無」という観点のみから書いています)。
別れた人にも感謝ができる磯野さんは、きっと幸せをつかまれるでしょうし、必ずつかんでほしいと思っています。
一点だけ苦言を書かせていただくなら、このようなナイーブな話は、見聞きして悲しくなる方もいらっしゃいますので、磯野さんはテレビカメラの前ではなく、内輪でお話されたほうがよかったかもしれませんね。
子どもがいない人生も、子どもがいる人生も、結婚していても結婚していなくても、どちらも大変なことや苦労はあり、どちらにも幸せは必ずあります。
多くのカップルを見てきた仲人としてそれをお伝えしたくて、執筆させていただきました。