「うつ病は、生真面目な人が罹る」というのは都市伝説です。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日のテーマは、「『うつ病は、生真面目な人が罹る』というのは都市伝説です」というものです。
さて、世の中には、真面目で責任感が強く、几帳面で秩序を重んじる、周囲に気を使いすぎるなどの特徴を持つ、メランコリー親和型と呼ばれる性格傾向の持ち主がいます。
このような方は、仕事も出来ることが多く、周りからの評価も高い傾向にあるのですが、その生真面目さゆえに、ストレスを抱えやすく、うつ病にかかりやすいと言われています。
では、「不真面目で無責任で、いい加減でだらしがなく、周囲に気を遣わない人だったら、うつ病に罹らないのか?」というと、そうとは限らないです。
うつ病は、ストレスや身体の病気、環境の変化、遺伝など、さまざまな要因が重なって発症します。逆に、生真面目性格など、ひとつの原因で発症することはまれなくらいです。
よって、うつ病に罹った人に向かって、「お前のその生真面目さがいけないんだよ。もっとテキトーにやらなくっちゃ」等と、いい加減なことを言わないようにしてあげてください。ましてや、うつ病に罹った本人の性格を責めるような真似は、言語道断(ごんごどうだん)です。
どんなに不真面目でいい加減な人でも、残業続きで、睡眠不足に陥り、毎日上司に叱責されていれば、やがてはうつ病になってしまいます。
どんなにテキトーな性格の人でも、本人が脆弱な脳の持ち主であれば、少しのストレスからでも、うつ病を発生させてしまいます。
そう、うつ病は、心の病ではありますが、脳の病気ですから、その人の脳に耐えられる以上の負担がかかれば、誰もがうつ病に罹る可能性がある…ということです。
そして、もっと言えば、ストレスなど全くなくても、うつ病になる時は、有無を言わさず、誰もがうつ病になってしまう可能性があると言えます。それは、変な物を食べた訳でもなく、食べ過ぎた訳でもないのに、誰もが時に、理由もなく、お腹が痛くなるのと同じ理屈です。
よって、「うつ病は、生真面目な人が罹る」というのは都市伝説と言っていいでしょう。もちろん、不真面目な人より生真面目な人のほうがうつ病に罹りやすいという事実はあるかもしれませんが、それはただの傾向です。若干の傾向…というだけです。
宜しいでしょうか?
続いて、
では、うつ病にならないためには、どうすればいいのでしょうか?
1番目は、必要以上にストレスを浴びないことです。
責任感を持ちすぎたりして、自分を追い詰めないようにしましょう。そして、嫌いな人とは、なるべく限り関わらないようにしましょう。
2番目は、休養です。
実は、休養には、2種類あります。消極的休養と積極的休養です。
消極的休養とは、家でゴロゴロしたり、入浴や読書をしたり、音楽を聴いたりして、なるべく身体を動かさず、ゆっくり休むことを言います。特に睡眠不足には気をつけてください。しっかり寝るようにしてください。実際、良質な睡眠を十分に取れていれば、うつ病にはなりにくいものです。
続いて、積極的休養とは、運動したり、旅行に行ったり、カラオケに行ったりすることです。身体を動かして、心地いい刺激を自分に与えることを言います。
積極的休養を取っている時は、良い気分転換になり、嫌なことも考えなくなり、疲れも吹き飛ぶものです。
3番目は、食べ物です。
うつ病にならないよう、日頃から、体に良い物を食べましょう。
脳内セロトニンが不足すると不安になり落ち込みやすくなります。よって、セロトニンを不足させないよう、食べ物には気をつけましょう。
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私のおススメは、トリプトファンが豊富に含まれている食材を摂取することです。
具体的には、肉、魚、バナナ、卵、ナッツ、大豆製品(とうふ、納豆、みそ)、乳製品(チーズ、ヨーグルト)などです。
他には、ドーパミンやノルアドレナリンの元となるのがフェニルアラニンやチロシンが含まれている食材を摂取することです。
具体的には、しらす干し、カツオ節、乳製品、大豆製品、卵、アボカド、バナナ、アーモンドです。
さらに、亜鉛やマグネシウムを多く含んだ食材を摂取するよう心掛けましょう。
具体的には、レバー、牛肉、うなぎ、大豆製品(納豆)、牡蠣(かき)、ゴマ、チーズ、アーモンド、海藻、わかめ、ホウレンソウです。
最後に、
昔は、うつにならないためには「ストレス耐性」が重要と言われていました。ストレスを我慢できる力という意味ですが、最近ではストレスを我慢する、耐え忍ぶのではなく、受け流したほうがいいと考えられています。そう、スルーするということです。
うつ病予防のためには、ストレスは我慢するものではなく、軽く受け流すものだと知っておいてください。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。