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岡本の本塁打王3度は歴代9位、宮﨑の首位打者2度は歴代12位、近本の盗塁王4度は歴代5位

宇根夏樹ベースボール・ライター
牧秀悟 MARCH 16, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 10月4日、セ・リーグは、全チームが143試合を終えた。

 打撃三冠のタイトルは、打率.326の宮﨑敏郎(横浜DeNAベイスターズ)が首位打者、41本塁打の岡本和真(読売ジャイアンツ)が本塁打王、103打点の牧秀悟(横浜DeNA)は打点王を獲得した。

 昨シーズンは、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)が三冠王だったので、3部門とも、前年とは違う選手がタイトルを手にしたことになる。

 もっとも、宮﨑と岡本がそれぞれのタイトルを獲得するのは、今シーズンが初めてではない。

 宮﨑の首位打者は、6年ぶり2度目だ。獲得回数のトップ10は、7度の張本勲イチローが1位タイ、6度の長嶋茂雄が3位、5度の3人、川上哲治王貞治落合博満が4位タイ、3度の5人、大下弘与那嶺要江藤慎一アロンゾ・パウエル青木宣親(東京ヤクルト)が7位タイ。宮﨑は、12位タイに位置し、あと1度獲得すると、トップ10にランクインする。

 岡本の本塁打王は、2020~21年に続く3度目だ。ここ4年で獲得できなかったのは、2022年しかない。本塁打王4度以上は、王が15度、野村克也が9度、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)が6度、青田昇中西太、落合が5度、山本浩二タフィー・ローズが4度だ。岡本の3度は、松井秀喜らと並び、9番目に多い。

 牧は、二塁打こそ2年続けてリーグ最多――昨シーズンが36本、今シーズンは39本――ながら、打撃三冠のタイトルは、これまでなかった。打率は、2021年が3位(.314)、2022年が8位(.291)、2023年は4位(.293)。ホームランは、8位タイ(22本)、4位タイ(24本)、3位(29本)。打点は、2021年が8位タイ(71打点)、2022年は2位タイ(87打点)だ。

 ちなみに、ここ8年(2016~23年)のセ・リーグで、打点王を獲得した横浜DeNAの選手は4人目。牧の前の3人は、2016年に110打点の筒香嘉智(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)、2017年に105打点のホセ・ロペス、2019年に108打点のネフタリ・ソトだ。今シーズンのソトは、50打点だった。

 筒香の前は、長年にわたって途絶えていて、横浜ベイスターズ時代の1999年に153打点のロバート・ローズまで遡る。

 なお、盗塁王は、28盗塁の近本光司(阪神タイガース)が獲得した。

 近本の盗塁王は、2年連続4度目。最初の2度は、2019~20年だ。こちらの獲得回数は、歴代5位タイに位置する。上にいるのは、13度の福本豊、6度の柴田勲、5度の広瀬叔功赤星憲広だ。

 赤星は、阪神一筋にプレーし、2001~05年に5年続けて盗塁王を獲得した。2021年のセ・リーグ盗塁王は、30盗塁の中野拓夢(阪神)なので、ここ5年(2019~23年)とも、阪神の選手が盗塁王ということになる。2021年の近本は、中野に次ぐリーグ2位の24盗塁だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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