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週明けにかけて日本海側中心に"梅雨本番"の大雨警戒!JRでは計画運休も:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
23日9時の予想天気図(気象庁HPより)。日本海の低気圧に向かって暖湿気が流入。

22日に北陸・中国地方の梅雨入りが発表され、西日本・東日本の全域が梅雨に入りました。
まだ梅雨入りしたばかりではありますが、23日から24日(月)にかけては、九州~東北の日本海側を中心に警報級の大雨となり、いきなり"梅雨本番"と言えるような降り方になりそうです。JR西日本では運休の可能性を発表している路線もあります。
さらに週明けには各地で、曇りや雨が続く中での真夏日となり、「厳しい蒸し暑さ」となるでしょう。

総降水量は200ミリ超か/東北梅雨入りも

23日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
23日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

23日は九州~東北の広い範囲で雨が降り、特に九州・近畿・東海を中心に雨の量が多くなりそうです。
これらの地域と比べると中国・北陸では予想降水量が少ないものの、中国地方ではそもそも平年の雨の量がほかの地方よりも少ないため災害が引き起こされてしまう閾値が低いですし、北陸では能登半島地震の影響が残っている中での大雨であるため普段より少ない降水量で被害が出るおそれがあります。
また、九州ではもともと下図のような200~300ミリ程度の雨で大きな被害が出ることは少ないものの、今回はすでに前日までにまとまった雨が降って土壌に水分が残っている状態なので、普段なら平気なはずの降水量でも危険が伴います。

予想降水量(気象庁HPより)。最新の情報は必ず気象庁HPで確認を。
予想降水量(気象庁HPより)。最新の情報は必ず気象庁HPで確認を。

今回、JR西日本では23日昼過ぎから一部の路線で運休の可能性があると事前に発表していますが、ほかの交通機関にも影響が広がるおそれがあります。

なお、23日からの雨で東北南部の梅雨入りはかなり確度が高いと見られますが、雨の量が比較的少ない東北北部でも梅雨入りの発表があるかもしれません。
そして奄美地方では梅雨明けの発表がありそうです。

週明けは梅雨空続くも30度前後の蒸し暑さ

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

このさき梅雨明けしている沖縄とは対照的に、九州から東北にかけては曇りや雨の日が圧倒的に多い状態が続きそうです。
ところが、日差しが少ないにも関わらず、広い範囲で30度前後の最高気温が予想されていて、気温も湿度も高い状態が予想されます。
体に負担がかかる気象条件で、熱中症はもちろんのこと、気温・湿度・気圧などが変化することで引き起こされる頭痛などの「気象病」のおそれも。仕事もプライベートも含め、できる限り無理をせず過ごすのがおすすめです。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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