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チック症とトゥレット症候、原因と治し方。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、チック症についてお話したいと思います。
チック症とは、本人の意思に関係なく、急に、瞬き(まばたき)や肩をすくめる、顔をしかめる、咳払いや奇声を上げるなどの動作を繰り返してしまう疾患です。仕事や日常生活に支障をきたすようになると、それはもう立派な病気です。

チック症は、小学校にあがる前後の子どもに、運動チックという形で発症することが多い…とされています。症状は自然に弱くなったり強くなったりしますが、ご安心ください、多くの場合は、1年以内に症状が消失します。

けれど、慢性化した場合は、思春期に症状が最も強くなります。
それでも、成人になるにつれ、ほとんどの方が改善されていきます。
よって、必要以上に不安にならないことが大切です。

チック症でも、活躍されている芸能人や有名人の方は大勢います。

チック症には、大きく分けて「運動性チック」と「音声性チック」があります。運動性チックとは、まばたき、肩をすくめる、顔をしかめる、首を急速に振る、などです。音声性チックとは、咳払いをする、鼻をすする、「ん」と声を出す、唸る、吠える、などです。
症状の出現の前には、どうしてもその症状をしたい…という気持ちが高まり、症状が出現させると、一時的にスッキリ感を覚えます。

続いて、

チック症の原因は詳しくわかっていませんが、家庭内に多発する傾向があることがわかっています。そのため、遺伝的要因がチック症の発症に関与していると考えられています。

しかしながら、チック症は必ずしも遺伝的要因のみが原因であるわけではなく、環境要因が作用することによって現れるとされています。

環境要因とは、強いストレスや疲労、不安や興奮によって悪化し、落ち着いて集中しているときは改善する…ということです。

また、チックは、特定の薬剤の使用によって生じることもあります。
しかし、他の病気や薬剤によって引き起こされたチックは、チック症とは言いません。

チック症は、その症状と経過から、比較的容易に診断がつくことが多いですが、てんかん発作や強迫行動など他の疾患と紛らわしい症状がある場合もあるため、詳しい検査が必要なこともあります。

運動チックと音声チックの両方が1年以上みられる場合を、トゥレット症候群と呼びます。

次に、

自分の子どもがチック症になったら、何科の病院に行けばいいのか? と言いますと、症状が軽い場合は、特に小児期の一過性チックの場合は、特に治療をせずに経過を見守ると良いでしょう。チック症の症状が強い場合には、小児神経科・児童精神科に行って相談すると良いでしょう。

チック症の治療法としては、
現在、以下の4つの方法が挙げられます。

1.環境調整
ストレスを減らす工夫を行ったり、周囲の人からチック症状に対して、直接的な指摘をしないよう配慮し、症状が悪化した際に、退避できる場所を用意したりすると良いでしょう。

2.精神・心理療法
これは、ある程度大人になってから行うものです。チック症本人の認知の仕方を変えることにより、ストレス軽減を目指すものです。

3.薬物療法
重症なチック症に対しては、薬物療法を行うと良いでしょう。治療薬で最も一般的なのは、ドーパミンの働きを抑える抗精神病薬です。

4.外科治療
今まで述べた療法で軽快しない難治性のチック症の場合は、深部脳刺激療法という手術の選択もあります。これは大脳基底核に電極を埋め込んで持続的に刺激し、脳活動に変化を加える手術です。

では、本日のまとめです。
チック症は、原因が解明されていない疾患であるため、まだ根本的な治療法がありません。また、意図しない動作や発言をしてしまうチック症特有の症状のために、周囲からの誤解や偏見も多く、社会生活で辛い思いを抱えている方も少なくありません。
けれど、適切な治療を受けながら生活に工夫をすることで、症状を和らげ、チック症と上手く付き合って暮らしてらっしゃる方もいます。どうぞ、必要以上に嘆かないでください。

というわけで、今日は以上です。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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