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眞子さま結婚問題で小室圭さん文書発表の背後にちょっと匂うものがある

篠田博之月刊『創』編集長
2017年9月に行われた婚約内定会見(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 激しいバッシングを受けながら沈黙を守ってきた小室圭さんが、4月8日、長文の説明文書を公表した。これまで「金銭トラブル」として報じられてきた事柄について経緯を説明したものだ。

 週刊誌などが論評を加えるのはこれからだから、本当はそれらを見たうえで記事を書こうかとも思ったが、今回は早めに書くことにした。そういう論評が一通り出てからでは、大きな流れは決まってしまうし、この場合、週刊誌の論評は大体予想がつくからだ。

週刊誌のバッシング報道に激しく反発

 小室文書の特徴は、とにかく長いことや注釈が多すぎることだ。小室さんがメディア対応に長けてないことを改めて示してくれた。それと同時に、彼が、バッシング報道に対して激しく反発していることもわかった。

 文書の中で彼は、これまでの報道について「ありとあらゆる誤った情報が出回っています」と強く批判したうえで、こう書いている。「これまで私や母に対する名誉棄損、侮辱、プライバシー侵害など数多くの違法行為が繰り返されていると考えています。そしてそれらは、仕方のないことだとしてすべて受け入れるには限度を超えていると思います」

 こんなふうに批判された週刊誌が反発しないわけはなく、何を生意気なとばかりさらなるバッシングで返す可能性が高い。それについては小室さんも代理人弁護士も当然考慮に入れたはずで、今回は、それでも言わずにおれない、という小室さんの覚悟を示したものだろう。

 別に私は小室さんの肩を持つつもりは全くないが、これまでのバッシング報道がひどかったことは認めざるをえない。もともと皇室問題は、宮内記者会に籍のある新聞・テレビは、「菊のカーテン」をちらつかせてメディア対応を行う宮内庁に面従腹背するしかないため、自由な論評そのものがほとんど見られない。

 だからもっぱら週刊誌の独壇場となっているのだが、一部の週刊誌は、とにかくネタがあろうとなかろうと雑誌が売れるために皇室ものを記事にするというスタンスだから、「羊頭狗肉」見出しが度はずれている。怖いのは、市民は週刊誌の中身でなく広告に躍る見出しを見るだけの人が多いから、そのエスカレートした見出しを長年見続けているうちに、明らかに一定の影響力を受け始めていることだ。

 何度も言うが、私は小室さんの肩を持つつもりは全くない。でも一連のバッシング報道は少し度が過ぎているのではないかという思いを禁じえなかった。

バッシング報道は何ゆえに…

 いや、そういう話はこれまでもしてきたからもういいだろう。週刊誌のバッシング報道を歴史的にひもといていくと、古くは美智子皇后バッシング、雅子妃バッシングと続く流れには明らかに一貫性がある。それは皇室の尊厳を守るという立場からの論評であることで、時に度が過ぎるバッシングでも、これは皇室の伝統と尊厳を重んじるゆえの報道だとエクスキューズがなされてきた。それを掲げないと皇室について踏み込んだ報道や論評ができないというわけで、それは裏返しの「皇室タブー」だというのが私の主張だ(詳しくは拙著『皇室タブー』をご覧いただきたい)。

 そうした従来から言ってきたことを改めて長々と書くことはやめておこう。実は今回、この記事を書こうと考えた動機は、今回の文書発表をめぐる経緯が気になるからだ。 

 8日の小室さん文書の公表を受けて、記者に感想を訊かれた西村泰彦宮内庁長官は「非常に丁寧に説明されているなというのが印象」「『いろいろな事情があったのだということを、理解してくださる方が一人でもいらっしゃいましたら幸いです』と文書にあるが、私はその一人で、理解を致しました」と話したという。

 9日には眞子さまもコメントを発表。「今回発表された文書を読まれて、いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい」というものだった。定例会見でそれを発表した加地隆治・皇嗣職大夫は、記者の質問に答えて、秋篠宮夫妻が文書について「小室家側がこの問題を解決するために行ってきたいろいろな対応が、見える形になるように努力したもの」と受け止められている、との所感も述べたという。

 小室文書をサポートする動きが間髪を入れずに続いたのは偶然ではないだろう。関係者の間で打ち合わせがなされていて、事態を前へ進めるという意思が働いていると考えるべきだと思う。

明らかに何かが動いている

 これらは、明らかに何かが動き出したことを感じさせる。

 実は文書が発表された8日発売の『週刊文春』4月15日号が「紀子さま変心 ついに『結婚容認』最後の壁は小室母」という記事を掲載している。かつて眞子さまの結婚に難色を示していた紀子さまが理解を示すようになり、結婚へ向けた具体的方策が話し合われているという内容だ。

 具体的方策とは例えば「小室さんと結婚される前に眞子さまが”皇籍離脱”をする、そして一般人となられた上で結婚する」といったものだ。そうすれば納采の儀などの儀式は行わなくてよいことになるという。

 これまで結婚話を前に進めるためには小室家サイドの「金銭トラブル」などがネックになっていたわけだが、一時は暗雲垂れこめていた眞子さまと小室さんの結婚だが、今後、そう遠くない時期に事態が急進展する可能性もあるように思われる。

なおこの問題についてこの間、書いてきた記事を下記に掲げた。参考にしていただきたい。

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20210228-00224919/

誕生日会見での「眞子さま結婚」問題についての天皇発言をどう考えるべきなのか

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20201122-00209109/

眞子さまの結婚宣言「お気持ち」文書の大波紋とバッシング報道の背景にある皇室タブー

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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