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「冬はダニが出ない」はもう古い? 冬場でもダニが出る家の特徴と対策は

有吉立アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当
写真はイメージ(写真:アフロ)

ダニは、温度や湿度が上がる夏に増えやすいのですが、最近の過ごしやすい住宅環境下では、冬でもダニが増えてしまうことがあります。今回は、冬でもダニが増えやすい住宅の特徴とその対策をご紹介します。

特徴1:常に暖房が行き届いている<高気密高断熱の住まいは要注意>

ダニの繁殖に最も良い環境は気温25〜30度、湿度60〜80%です(この温湿度でないと繁殖しないというわけではなく、多少低くても増えます)。

昔の日本の住宅では、冬に快適な温湿度を保つことは難しかったことから、ダニは冬にはいないといわれていましたが、最近は、高気密高断熱の住宅が多いことから、暖房も効きやすく、冬でも寒くない快適な空間で生活できるようになりました。またコロナ禍の在宅ワークで、以前なら日中は人がいないため寒くてダニが活動できなかったのに、今は毎日暖房をかけて過ごしているのではないでしょうか。私たちが快適ということは、ダニにとっても快適なのです。

特徴2:湿気が多く、結露している<湿度70%以上は要注意>

乾燥するとウイルスが活発になること、また、喉などの対策のために最適な湿度は、50~60%といわれています。健康のためには湿度は高い方がいいと思って、加湿しすぎたり、部屋の中に結露ができると、ダニにとっての繁殖環境が整ってしまいます。来年の夏期、ダニの発生で悩むのは、冬期の室内湿度が70%以上になるときが多いといわれています。

特徴3:シーツをあまり洗わない<フケやアカに要注意>

ダニは餌がないと活動できません。餌は布団や枕、カーペットやソファに落ちている私たちのフケやアカです。冬はあまり汗をかかないので、シーツを洗う機会が減っていませんか? 目に見えないうちにフケやアカは蓄積されています。

対策:小まめな換気や洗濯・掃除を

ダニの繁殖を抑えるためには、湿度は50〜60%を目安にすること、また結露対策をすることが重要です。

ダニは乾燥に耐えられないので、湿度が低くなると体が干からびて弱っていきます。外の乾燥した空気を入れて、ダニを退治しましょう。その際、押入れやクローゼットの扉を開けておくと更によいでしょう。また、結露対策にも換気は効果があります。寒いかもしれませんが、毎日1回は、家の中に風を通すことが、ダニ退治になります。

また、ダニの餌を減らすことも大事です。小まめな洗濯や掃除を心掛けましょう。掃除の方法については以下を参考にしてください。

夏場に増えるダニ、掃除機では吸い込めない? 正しい駆除対策と増やさない方法は?

写真はイメージ
写真はイメージ写真:アフロ

寒い場所で繁殖するダニもいます

秋冬に活動する「イエニクダニ」という種類のダニは、温度15度、湿度70%で活動的になります。カビを好んで食べるので、結露によって床や壁面にカビが生えた周辺が快適な環境となります。小さな白い虫が大量にうごめいていると発見されることが多く、気持ち悪く感じます。

大掃除でダニを退治

年末の大掃除を利用して、普段はできない場所のダニ対策をしましょう。家具の裏やキッチンのシンク下、押入れなど湿度が高いと感じる場所によく風を通して、乾燥させましょう。また窓に発生している結露は、乾いた雑巾などでしっかりと水分を拭き取ります。その際、サッシの溝やパッキン部分に水滴が溜まらないように、下から上に拭いた方がいいですね。水分を拭き取った後は、市販の結露防止シートや結露防止スプレーを使って今後の対策をしておくこともお勧めです。また、結露のある窓のカーテンに湿気が含まれている場合は、洗濯して干してカラっとさせましょう(カーテンの洗濯表示は確認してください)。

最後に…

本来は、毎日の生活習慣を少し変えるだけで、ダニの発生しない家になります。新しい年は、心機一転、掃除や洗濯、換気を小まめにする習慣作りをして、1年を通してダニのいない生活を送れるようにしたいものですね。

アース製薬(株)研究部で害虫飼育を担当

兵庫県出身。都内の美術学校卒業後、 家具店店員、陶芸教室講師など虫とは全く関係のない職業に就いていたが、1998年に地元・赤穂のアース製薬に入社以来、害虫の飼育を担当している。しかし、現在も虫は好きではない。著書に「きらいになれない害虫図鑑」(幻冬舎)※記事は個人としての発信です。

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