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史上2人目のシーズン60セーブ誕生か。106試合で40セーブに到達

宇根夏樹ベースボール・ライター
エドウィン・ディアズ(左)とマイク・ズニーノ Jul 30, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月30日、9回表に登板したエドウィン・ディアズ(シアトル・マリナーズ)は、打者3人を計7球で片づけ、シーズン40セーブ目を挙げた。チーム106試合目の40セーブ到達は、2008年のフランシスコ・ロドリゲス(98試合目)に次ぐ速さだ。ロドリゲスはこの年、歴代最多となる62セーブを挙げた。

 このままのペースでいくと、ディアズのセーブは61~62となる。ロドリゲスに並ぶか、追い抜いてもおかしくない。これまで、シーズン60セーブ以上はロドリゲスだけ。50セーブ以上ですら、ロドリゲスを含めて13人(延べ16人)しか記録していない。マリナーズの球団最多は、2014年にフェルナンド・ロドニー(現ミネソタ・ツインズ)が挙げた48セーブだ。

 ただ、ディアズは53登板して53.0イニングを投げている。どちらも、マリナーズのブルペンでは最も多い。昨シーズンの66登板&66.0イニングを上回ることは間違いなく、連投も少なくない。3日連続の登板が5度あり、2日連続も11度を数える。懸念されるのは、登板過多による疲労だ。たとえ、ディアズのセーブが増えていっても、セーブ失敗も多くなるようだと、ポストシーズンにたどり着けないということになりかねない。

 後半戦に入り、マリナーズが3人のリリーフ投手をトレードで獲得したのは、この点も考慮してのことかもしれない。サム・トゥイバララ(←セントルイス・カーディナルス)、アダム・ウォーレン(←ニューヨーク・ヤンキース)、ザック・デューク(←ツインズ)を手に入れた。

 なお、ロドリゲスを擁した2008年のロサンゼルス・エンジェルスは地区優勝を果たしたが、50セーブ以上のクローザーがいた過去16チームのうち、5チームはポストシーズンを逃している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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