映画『クール・ランニング』のモデルとなったジャマイカのボブスレー選手がコロナで亡くなる
1993年(日本は1994年)に公開された映画『クール・ランニング』は南国ジャマイカの男子4人乗りボブスレー・チームが、1988年カルガリー五輪に挑戦した実話を基に制作されたスポーツ・コメディ映画だが、そのモデルとなった選手が新型コロナウィルスに感染して亡くなった。
ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、ジャマイカのボブスレー・チームの一員としてカルガリー五輪出場を目指していたサム・クレイトン・ジュニアさんが3月31日に新型コロナウィルスに感染して58歳で亡くなった。
クレイトンさんはオリンピック出場からは漏れたが、ジャマイカのボブスレー代表としてカルガリー五輪と1988年の長野五輪に出場したデボン・ハリスさんは「オリンピックには出られなかったが、サミーはジャマイカ・ボブスレー・チームにとって不可欠な存在だった。彼はジャマイカのウインタースポーツと冬季五輪への参入を先導するために選ばれた最初の4人のうちの1人だった」と故人の功績を口にした。
クレイトンさんはボブスレーを引退後に音楽プロデューサーに転身。サウンド・エンジニアとしてスティール・パルスなど数多くのバンドに携わっていた。
スティール・パルスのメンバー、デビッド・ハインズさんは「音楽業界では数少ない信頼できる存在だった。サムが他の同業者に比べて突出していた点は、どんな小さな仕事でも、どんなに退屈な仕事でも、彼は全ての仕事に対して大切に誠実に取り組んでいた」と音楽家としてのクレイトンさんの仕事ぶりを高く評価した。
世界各国で何十万人もの尊い命を奪い続けている新型コロナウィルスだが、一刻も早く感染拡大が収めるためにも、一人ひとりが感染源となる可能性を意識して、不必要な外出を避けなければならない。