U16日本代表/福岡大附属大濠高・高田将吾「得点を取ることが一番。ジャンパーはアジアで通用した」
カタールで行われたU16FIBAアジアに日本代表として出場した高田将吾(福岡大附属大濠高)は、帰国後にわずか1回練習しただけでU18日清食品トップリーグ2023に出場。「体力的に少しきついです」と話したように、9月30日の北陸高戦は26分47秒間の出場で7点に終わったが、翌日の中部大第一高戦は15分59秒で15点とステップアップした。
2020年のジュニア・ウインターカップで30点以上を3度記録するなど、高田は中学時代から高い得点センスの持ち主として将来を嘱望されていた選手だ。福岡大附属大濠高では2年生となった今年から主力の一人となったが、U16代表ではチームを牽引。イランとのグループ戦で21点を奪うなど、U16FIBAアジアではチーム最多、大会7位の平均16点と活躍した。
しかし、フィリピンとの準々決勝では、アンスポーツマンライクファウルとフロップによるテクニカルファウル(レフェリーがファウルをもらうためにわざと倒れたと判定)を取られて退場という苦い経験を味わうことになる。
「勝てばワールドカップというところで負けてしまったので、責任を感じたところがありますし、本当に悔しかったです」と高田が振り返ったように、ハーフタイムでの10点リードを逆転された日本は59対64でフィリピンに敗れた。この敗戦で味わった悔しさを糧に、高田はもっと成長しなければならないという想いが強くなった。
「今は負けた原因を考える時間が十分にあるので、自分の課題にしっかり向き合っていきたいです」
福岡大附属大濠高はインターハイ予選、トップリーグでもライバルの福岡第一高に競り負けている。インターハイの舞台を経験できなかったが、ウインターカップで頂点を狙える可能性を持ったチーム。高田は得点源として大きな期待を寄せられている選手であり、チームに何をもたらしたいかという問いに対しては、「自分は得点を取ることが一番」と即答する。
U16FIBAアジアでの高田は、28.9%と3Pショットの成功率が低かった。しかし、12本中1本しか決められなかったイランとの初戦を除いた5試合で換算すると38.4%。2Pの成功率が58.1%と高かったのは、ペイント内とペイント外のペリメターからのジャンプショットがうまいことを示すものだ。
現代バスケットボールでは、ペイントの外側から打つショットが効率的によくないと言われている。しかし、富山市立奥田中の大先輩である八村塁(ロサンジェルス・レイカーズ)同様、ミッドレンジから着実に決められるのが高田の強み。「自分は3Pだけじゃなくジャンパーも得意なので、そこは大会通して調子が良かったですし、そこは通用したと思います」と話すなど、U16FIBAアジアで大きな自信を手にしたのは間違いない。
高田と福岡大附属大濠高にとって、トップリーグはウインターカップで頂点に立つという目標達成するためのプロセスで大きな意味がある。10月1日に中部大第一高に81対55のスコアで勝利して3勝2敗となったチームと自身の現状について、高田は次のように語る。
「チームとしては、競り合っているときにどういう共通認識でやるのかということを一番重点的にやっています。競る試合が今年は多いので、そういうときの共通認識という点がチームとしてレベルアップしていると思います。自分としては3Pショットにこだわらず、他のプレーもやる。いい方向に向いていると言われたら、まだそういうわけじゃないですけど、そういった気持ちでやろうとしているので、そこはレベルアップしていると思います」
ウインターカップ開幕まではあと12週間弱。高田がスコアラーとして進化したことを証明するに値するパフォーマンスを東京体育館で発揮できるかは、今年の福岡大附属大濠高の命運を左右する要素の一つと言っていいだろう。