寒波のあとは「10年に一度の高温」!?花粉飛散が早まるおそれも…注意すべきことを気象予報士が解説
23日からの一連の寒波では、特に福井県や滋賀県を中心に集中的に雪が降り、滋賀・岐阜県境付近では高速道路の立往生も発生して影響が広がりました。
北陸や北日本ではまだ雪が降り続くところが多いものの、今後は一転して急激な「高温」が見込まれ、花粉の飛散開始が早まるおそれも出てきました。
気象予報士が今後の注意点をまとめます。
「10年に一度の高温」とは
気象庁では、平年を大幅に上回ったり下回ったりする気温が予想される場合に、1週間ほど前に早めの注意を呼びかける「早期天候情報」を発表します。
発表の目安は、その時期として「10年に一度」程度の珍しい気温かどうか。
その「早期天候情報」が現在、沖縄~東北を対象に実際に発表されていて、特に1月31日以降の高温に注意を呼びかけています。
花粉の飛散が早まる!?
もともと今シーズンのスギ花粉については、気象会社各社が2月上旬から西日本~関東で、そして2月中旬から北陸~東北での飛散開始を見込んでいました。
しかし来週以降の気温上昇によって、開始が早まるおそれがあります。
なお、今シーズンの花粉飛散量は、昨年夏が記録的猛暑だったことを受けて例年より多いと予想されています。
飛散開始の発表以前から少量ながら花粉は飛び始めますし、シーズン開始に合わせて薬を飲む予定の人は、早めに飲み始めるのをおすすめします。
雪崩・落雪の典型パターン
今冬は当初から暖冬傾向だったため、23日からの寒波が始まるまでは、北海道の一部を除いてほぼ全国的に、積雪が平年の半分を下回っていました。
それが23日から積雪が急増し始め、25日の夜時点では山陰で平年の3倍を超えています。
積雪は一気に増えるだけでも雪崩や落雪の危険性がありますが、そこへ来週は高温も加わるため、さらに注意が必要な状況に。
いつもの年以上に慎重に行動した方がよさそうです。
降った雨以上の水が川へ…「融雪洪水」の怖さ
ふだんの冬であれば積雪の多い地域ではまだまだ雪が降る時期ですが、気温が急上昇することによって雪ではなく雨になることも。
しかし川の上流に積雪が残っている状態で雨が降ると、降った雨だけでなく溶かされた雪も一緒に川へ流れ込むため、たいした雨じゃなくても増水してあふれることがあります。
「融雪洪水」と呼ばれる現象で、通常は3月~4月に起きやすいのが、今シーズンはかなり早い段階で起きるおそれがあります。
融雪洪水が起きそうなケースでは事前に気象庁から「融雪注意報」が発表されるので、「融雪」というキーワードに気をつけて情報を確認しましょう。