お手本は秋山翔吾? ハンファ田辺徳雄コーチの下で一軍目指す25歳
キャンプインから数日が経過。埼玉西武の前監督でハンファイーグルスの田辺徳雄打撃コーチ(52)はある若手選手のスイングを見て思わずこう口にした。
「ウチの秋山(翔吾)みたいじゃないか」
田辺コーチは2017年に球団間の交流の一環でハンファの打撃インストラクターを務め、今シーズンは西武の球団本部チームアドバイザーの肩書のまま、派遣という形でハンファの1軍打撃コーチを任されている。
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田辺コーチの目に留まったその選手はプロ4年目、育成選手出身の外野手、チャン・ジンヒョク(25)だ。
チャン・ジンヒョクは「3年前から日本の選手の打撃フォームをユーチューブで見ている」といい、「日本のバッターは足を上げて重心を移動させるのがうまいので参考になる」と話した。
田辺コーチはこう言う。「今の時代は映像で何でも見られるからね。何かがきっかけになるということはあるよね」。
田辺コーチが「打ち方が似ている」とした秋山についてチャン・ジンヒョクは「映像を何度も見た。左打ちの外野手で足が速いというところが自分と似ていると思う」と答えた。チャン・ジンヒョクは身長184センチ、体重83キロで体格も秋山と近い。
しかしチャン・ジンヒョクは特に秋山の映像を中心に見ていたわけではなく、自分では打ち方が秋山に似ているとは思わなかったという。
ハンファが1軍キャンプを行う沖縄・東風平(こちんだ)には野手22人が参加。田辺コーチはチームから「早い段階で2軍への振り分けをしたいと言われている」と話す。若手選手にとって決してチャンスは多くない。
昨季初めて1軍でプレーしたチャン・ジンヒョクは50試合で打率2割1分4厘という成績だった。外野にはチェ・ジンヘン(33) 、イ ・ヨンギュ(33)、ジャレド・ホイング(29)といった実力者が揃う。
また以前は代表チームの二塁手だったチョン・グンウ(36)も外野手を兼ねるなど競争は激しい。そんな状況下、チャン・ジンヒョクは今年の目標について、周りに気を遣うように小さな声で「1軍で主力になること」と話した。
田辺コーチとの出会い、秋山翔吾というお手本。これらがチャン・ジンヒョクにとって、このキャンプでの成長のきっかけとなるか。