「2人連れ専用温泉旅館」にみる、中小企業のターゲット戦略
ビジネスにおいて、ターゲットを絞ることの重要性を語られてひさしいし、多くの経営者もその言葉は理解しているけれど、だけれどなかなか絞り込むには勇気がいる…とかんがえるひとも多いのでは。
そんな中で、1月20日の日経新聞に掲載されていた記事「2人連れ専用の温泉宿 客を絞り斜陽の旅館を再生」はとっても興味深い。
この宿は、山形県米沢市にある「時の宿すみれ」だという。実際に、ターゲットを絞り込むことで、コストも削減され、一方で顧客の満足度が大きく向上しているっていう話。
って、これすごいですよね。2人連れっていってまず最初に思いつくのは、夫婦や恋人。それに加えて、友人、親子といった2人組を想定しているようです。たしかに、2人組と絞り込むことで、来客者のシチュエーションやニーズもグッと絞り込めますね。
実際、ロビーのソファーも少し間隔を離して1人用のソファをセットにしておいているそう。
ターゲットを絞り込む、ということは
・顧客のニーズに的確に応えていける
・「あ、ぼくのためのものだ!」と思って選んでもらいやすい
・対象者に絞り込んだPR展開が可能
・それ以外のニーズに応えるための準備が不要になる
ということ。そして絞り込んでいくためには
・自社の魅力や強みがどこにあるのかを見出す
・トレンドの中で、誰にどんなニーズがあるかを掴みとる
・上記の掛け算の中で、戦略を決めていく
という事になりますよね。
新聞中には触れられていませんが、では一人で考えたのでしょうか。
きっと相談する存在が、重要。友人の経営者や、課題の指摘でなく上記のようなポジティブコミュニケーションが出来る産業支援機関・コンサルタントに相談することの重要性を感じます。
静岡県東部であれば、富士市のf-Biz
東京都であれば、豊島区ビジネスサポートセンター
愛知県であれば、岡崎のOKa-Biz
・・・といった施設の活用が重要だと気付かされます。
また、公的産業支援施設が制度融資や記帳指導といった事務的なサポートや、問題課題の指摘型指導でなく、強みを見いだし売上げアップを応援していく、そんな体制への転換が求められているでしょう。