ドラマ最前線 制作者インタビュー 1 TBS 植田博樹 視聴率が低くても、謝罪しません。
植田博樹のプロデュースするドラマは常に革新的である。
ドラマから映画化された『SPEC』シリーズをはじめとする、鬼才・堤幸彦とつくる数々のドラマ、『ビューティフルライフ〜ふたりでいた日々〜』『GOOD LUCK!!』『安堂ロイド〜A.I.knows LOVE?~』などの木村拓哉を主人公にしたヒットドラマの数々、中居正広を主人公にした一風変わった警察ドラマ『ATARU』など、オリジナルドラマを開発してきた。
植田ドラマの特徴は、視聴率が低くても、DVDやグッズの売り上げで回収したり、コミカライズして、新たな視聴者を獲得したり、SNSを活用して濃い顧客を獲得したり、インタラクティブに攻めること。強い味方もつく反面、Twitter炎上事件も起こすこともある。
今回のインタビューでは、今年のはじめにネットで話題になった「Twitterで低視聴率への謝罪」事件についての事情も聞きつつ、6月18日(木)に最終回を迎える連続ドラマ『ヤメゴク〜ヤクザやめていいただきます〜』について主に伺った。
元AKB 48の大島優子を主人公に、堤幸彦演出、『相棒』『ATARU 』 などのヒットメーカー櫻井武晴脚本の意欲作ながら、視聴率は苦戦中の『ヤメゴク』。映画化も視野に入れる展開は植田ドラマの真骨頂といえるが、当人は、自身のドラマ制作の方法論の転換を考えているところだとか。
植田ドラマは、『ヤメゴク』を経て、どこへ向かおうとしているのか。
『ヤメゴク』はジョン・レノンの『イマジン』を目指した
ーいつも先頭に立ってご自身のドラマを宣伝している植田さん。今回は露出控えめなのはなぜですか?
植田「堤幸彦監督と櫻井武晴さん脚本だという、きちんとした作品に見えるパッケージ感の中に、ぼくが入ることで、また風変わりなことをするのではないかという社内外の”忠告”がありまして……(笑)」
ーイメージ戦略。
植田「そうですね(笑)。だから、やっていることはいつもと変わらないです。プロットは櫻井さんと一緒にしっかり作りますし、このシーンはこうしたらどうでしょうという提案もしています。ただ、櫻井さんは最初から脚本をかなり緻密に組み立ててくるから、あまり要望を言い過ぎて彼の計算を狂わせてしまうといけないので、ぼくの要望ははっきりお伝えするけれども、どれだけ採用されるかどうかは最終的に櫻井さんにお任せしています」
ー今回、櫻井さんと堤さんを組み合わせたわけは。
植田「堤さんが櫻井さんにとても興味があったんですよ。たぶん『ATARU』などを見ていて、組んでみたいと思ったんじゃないですか」
ー植田さんが『ATARU』(12年)で櫻井さんと仕事をしたわけは?
植田「東宝の神戸さんという優秀なプロデューサーに『オリジナルミステリーがうまく書ける作家を紹介してほしい』とお願いしたとき神戸さんの一押しだったのが、櫻井さんでした。実際、一度お会いしただけであまりの頭の回転の早さに舌を巻きました。『ATARU』の企画の話をしたら、その場で次々と色んなアイデアが出てきたんです。そんな感じで櫻井先生の才能には、僕は絶対の信頼を寄せていましたから、堤さんの、櫻井さんとやってみたいというリクエストは、ぼくもウェルカムだったんです」
ー植田さんと堤監督は、『SPEC』が完結したとき(14年)、当分ふたりではやらないとおっしゃっていたにもかかわらず、再開がけっこう早かったですよね。『ヤメゴク』をやることになったのはいつ頃でどういういきさつだったのですか。
植田「1年半くらい前でしょうか。『ケイゾク』(99年)や『SPEC』のようにわかるひとだけわかればいいというようにコアに思い詰めた作品ではなくて、もっと広い層に向けてつくろうという企画のもとに生まれたのが『ヤメゴク』です。言って見れば、ジョン・レノンの『イマジン』のような大メジャー作品を目指したんです。そのため、いままであえてやらずにいた、人情や親子愛のようなものをやることにして、そこに任侠をプラスして出来上がったのが『ヤメゴク』です」
ー確かに、ひとの情にぐっとくる場面がつくられていますね。ただ、そうしたにもかかわらず、視聴率の点でいくと、過去作とそれほど変わらず、コアな層は支持しているが、そのほかに届いていない印象です。(8話までで平均視聴率6.55%、ビデオリサーチ調べ 関東地区)
植田「堤さんとぼくの思う”広さ”は世の中と全然違うのかもしれないね(笑)。昨日もあるひとに『視聴率を取るために広くつくっています』と言ったら冗談だと思って笑われてしまったんですよ。ショックですよね」
ー(笑)。『SPEC』は現実に起こりうることを巨大なイマジネーションで神話的な物語にされましたが、今回は話を日常に戻されたことで広さは出たと思います。SFを敬遠するひとも見ることができる現代のドラマです。
植田「そうですねえ……まあ、一見ヤンキーものですが、意外と櫻井さんが社会派にしてきたので、ミスマッチなものを視聴者が感じたのかもしれないですね。いや、櫻井さんがってことでもないな。ぼくらの志向として、ヤクザがいて、彼らに生活を壊されたひとたちが泣いたり騒いだりして、暴力があって、それを懲らしめる、みたいな展開は、1話見ただけでもうお腹いっぱいだなと最初に構想を練ったときに思って、暴対法の問題点とか、ヤクザの人権とか、いろいろな要素を盛り込んでしまったんですよ。でもほんとはいろんな要素を入れずに、シンプルな1話完結の人情ものを思いきってやってみても良かったのかもしれないですね」
ー対象を広く、と言って冗談と思われた意味もわかるのは、5話の終わり方です。三ヶ嶋翔(北村一輝)のリーゼントの先端と太陽のカットで終わらせるなんて、堤監督でないとできないと思います。
植田「やる勇気とやる人望が必要ですからね。そして、そこに至るまでに、何を言われようと貫いてきた賜物でしょう」
ー反響はありましたか?
植田「いや、とくにないです。ぼくは、これがラストカットか……、花札の月とススキみたいなイメージにしたのかな? と勝手に思いましたけど……」
ー宣伝美術のモチーフになっている花札ですか。なるほど。それと、『ケイゾク』『SPEC』の流れではないと言いつつ、関係性を盛り込んでいます。
植田「堤さんのなかで、少しでも数字(視聴率)戻さなきゃと思っているところはあると思います。そのための涙ぐましいサービス精神でしょう。5話の未詳(『SPEC』に出て来た部署名)が喫煙室になりました」という張り紙も堤さんの指定でつくったものです。この世界では『未詳が廃止された』という設定らしいですよ。『悲しいなあ、未詳』と堤さんは言っていました。こんな慟哭のストーリーを入れてでも数字が欲しかったんだと思いますよ」
Yahoo!ニュースはおそろしい
ー警察のメインストリームからはみ出したひとが所属していた未詳ですけど、「禁煙」になっている点では社会化されていたわけで。それが「喫煙場所」というますますはみ出た場所になってしまったところに哀しさを感じると言いたいところですが、これ以上掘ってもそれほど意味はなさそうですね(笑)。
植田「あまり掘ると辻褄が合わないと、またネット民に怒られちゃうんで(笑)。そして、Yahoo!ニュースで、TBS の植田がどうしたこうしたって書かれちゃう(笑)。『まっしろ』(1月期に放送された植田プロデュース作品)のとき、『「まっしろ」プロデューサーが謝罪』って記事が拡散されたんですよ。ネットで、役者のせいで、番組が失敗した、みたいな記事を目にして、それは違うと。「視聴率が悪いのはぼくの責任です」とTwitterに書いて、そのままネットから離れて色んな他の作業してたら、いろんなひとからの着信が入っていて、『おまえYahoo!ニュースのトップになっているよ』『Twitter削除しろ』みたいなことを言われたんです。ネットから離れて、プロデューサーとしての仕事している数時間の間に、僕のツイッター見て、原稿書いて、ネットにあげた人がいるんですよね。僕宛に取材の電話1本もなく。僕がかいたTwitterだけをソースに、数時間たたずに、世の中にニュースとして配信されるとは。Yahoo!ニュースは、なんて恐ろしい組織だと思いました(編注:正確には、ほかのポータルサイトで書かれた記事がYahoo!ニュースで捕捉されて拡散された)
ーでは、このインタビューは、Yahoo!ニュース恐ろしいですねってとこからはじめますか。
植田「いいのかな。本当におそろしいと思っているので。こりごりですよ」
ー恐ろしいというか、植田さんはTwitterを使って炎上商法を行っているのかと思っていました。
植田「誤解誤解! ぼくは炎上商法をねらったことはないです」
ー植田さんのネット戦術は良きにつけ悪きにつけ巧みです。仲間も増やし、たとえ敵をつくることがあっても過激なことを書くことで注目を浴びる。どこまで意識していらっしゃるのですか。
植田「皮膚感覚として、若い人がテレビに積極的にリーチしてくれていないよなって気がすごく、しているんですよ。うちの子供も、テレビはTwitterやLINEしながら見るものになっています。だから、少しでも若い世代にリーチしていきたくて、SNSを活用しています。以前は、番組の公式ホームページに『プロデューサー日記』というコーナーがあったんです。あそこだと文章もけっこう長めに書けたし、そこでは別途、視聴者の声を書き込むBBSがあって、TBS の場合、賛成反対とりまぜた意見をあげてはいるけれど、炎上目的の書き込みははじくこともできた。でも、いまは、予算の関係で公式サイトは必要最低限の情報を載せるにとどめて、それ以外の情報はTwitterやFB にしてということになったんです。幸い、ぼくは、ながら見しながらでも、あらゆる情報を一気に処理したり補完したりする感覚に親近感があるし、優秀な動体視力が必要になる画面づくりや、込み入ったストーリーを作るほうが好きなんです。そういうことに共感してくれるひととSNSで文字どおり、感覚をシェアしていったら、ユーザーとの間に仲間感みたいなものが芽生え、彼らに、今回のお話の出来はどうかしら? と聞いてみたりもします。だからネットを利用したというよりも、ある密度や濃度の情報を求めている人たちと接触しやすい場所がネットなりSNSであったというだけなんですよ」
ー毒舌を吐いたり、絡んできたユーザーと喧嘩したりすることは意識的なプロレスではない?
植田「いえ、本当に真面目に喧嘩しています。ひとが一生懸命つくっているのに茶化しやがってと思って」
ーそこにさらに噛み付いてこられたときどう思うんですか。
植田「噛み付かれたら噛み付き返します」
ーしまった、と思わない?
植田「思わない(笑)。こっちは悪くないんだから。ネットの世界では、基本、一対一でしょ。組織も法律も何も守ってくれない。作品を護るためならこっちは必死ですよ。炎上っていっても、おれだけじゃなく向こうも火だるまにしてやるって思ってますから」
ーまたそんなことを。
植田「だって作品を護るのはプロデューサーとして当然だから」
ーわかりました。本当に素直に「視聴率が悪いのはぼくのせい」と思って書いているのですね。
植田「そうです。ただそれが効果的かどうかは確かに議論の分かれるところでもあるのもわかっています。ドラマの視聴率が低いのは俳優が悪いわけでなくぼくの責任だということはどうしても言及しておきたくて。でもそうやって発信すると、ひとことで『番組のプロデューサー謝罪』とまとめられてひとり歩きしてしまうから、ほかにもっといい方法があるのではないかとも思います」
ーネットはものすごく単純化されて拡散しますから。
植田「ネットの見出しは、キャッチーさをねらうあまり、週刊誌の見出し以上に本論とかけ離れたもの過激なものになることがよくありますからね」
ーとにかく見てほしい、いい記事を読めばわかるから、まず読んでみてもらわないといけない。そのために釣りのようなタイトルをつけるしかない。記事書いてるほうもそのタイトルで傷つくことがあります。この記事、どんなタイトルにしたらいいですかね?
植田「『謝罪しません』っていうのは? 自虐的かな」
『ヤメゴク』のこれから。劇場版構想は本当か
ーさて、『ヤメゴク』の9、10話はどうなっていきますか?
植田「麦秋(大島優子)が知らなかった真実が明かされて、彼女がいままでやってきたことの動機が崩壊してしまうんです。それによって、これまでの憎しみから足抜けしたらどうか? という話になっていくけれど、いまさらそんなことは許せないってひとも登場してきて……」
ーこれまで麦秋がやってきたことが否定されてしまうのは、シニカルですね。
植田「櫻井さん、どSだなあと思いますよ。とはいえ、ヤクザから足抜けをさせられたことによって人生が拓けたひともいるし、麦秋もこれまでやってきたことから足抜けをするために、いろいろな努力をしないといけないという前向きなテーマの作品で、最後はひとつのハッピーエンドにたどり着きます。この3年はなんだったのかと、そこにしがみつくより、抜けることは地獄でも、そうしてもなお一度やり直したほうがいいという、大人のほろ苦メッセージがこめられています」
ー主人公はたいてい正しいものだし、たとえ迷っていてもその先がだいたい見えていますが、主人公がある種の妄想に駆られて行動していたところが面白いし、現実にもないことはない気がします。
植田「努力すれば夢はかなうみたいなライトな楽曲やストーリーが世の中にあふれていて、そういうところから一線を画したいという櫻井さんの強烈な矜持みたいなものを感じる脚本で、そこに堤さんが何かを感じて乗った作品だから、ほかとはちょっと違うものが出来たと、プロデューサーとしてはやっぱり、よし! と嬉しく思うわけですよ。もちろん、数字を聞いて、朝9時から10時半くらいまでの1時間半くらいは軽くしょげて、これで俳優さんたちが批判にさらされたら申し訳ないという思考がグルグルと回ります。その後、もちろん申し訳はないけれど、それぞれの俳優さんの魅力みたいなものを必死で僕らは開拓したし、実際、すごくいい芝居をしてくれているからと、10時半くらいには元気になっていますよ」
ー主人公の大島優子さんはいかがだったでしょうか。
植田「1、2話のころは、まだ監督と相談しながらやっていたけれど、4、5あたりからぐんぐん変化してきて、8話のころには監督の指示を凌駕するくらいになってきました。虚実皮膜の領域に迫ってきている気がします。それができる女優は、深津絵里さんや、『ヤメゴク』にも出てくれている山口紗弥加さんですよね。大島さんは、本田翼さん、木村文乃さん、前田敦子さんと並んで、確実に、次世代の深津、山口のような女優になれる気がしています。前田敦子さんも映画『イニシエーション・ラブ』(堤監督作)の演技には凄みがありましたね」
ーそういう意味では、堤監督が、元・AKB48の2トップに、極めてユニークな役柄を演じさせたことは意義深いです。
植田「堤監督は、アイドルとしてではなく、役者として接しているからじゃないですかね」
ーそれはすごく尊い話です。一方、かつては、スターやアイドルありきでオリジナルドラマを作ることができたのが、最近は、スターをもってしても原作付きドラマをやるとは、逆にもったいない気もして。
植田「もったいないですよ」
ースターやアイドルが、俳優に徹することも大事ですが、スターしかできないこともあるので、彼らじゃなくてもやれる俳優がいるかもしれない原作ものに頼るのは、制作側がおとなしすぎるのでは。
植田「市場が原作ものを求めているから仕方ない。あきらめた漁舟の群れみたいなもんですよ。いまや、オリジナルをやりたいという後輩も少ないし、しかも、デビューのときには原作ものをやらないといけない暗黙の縛りもあるんです。保険が色々たくさんほしがるんですね、企画を決めるひとが」
ーそこは植田さんですよ。ずっとオリジナルをやって冒険しています。
植田「いや、ぼくも『ヤメゴク』を機に、いっぺん考えるところにきているかなと思っています。ずっと闘ってきたけれど、なんかドン・キホーテみたいになってきた。堤さんとふたりで、風車に向かって、オリジナルだ! 新しいドラマの地平だ! と闘っていて、時々、おれたちバカなんじゃないか? と迷う瞬間もあるんです。だから、自分のなかでこれだと思ってきたことを、もう一回リセットしたほうがいい気がして。『SPEC』も、初心に戻ってスタートして映画までいったわけだけど、さらにもう一ぺん、初心にかえって、それこそ『SPEC』でいろいろ得たノウハウや必勝法みたいなことを手放す必要を感じています。だから、それまでは原作ものはやらないと自分のなかで明確に決めていたけど、『家族狩り』(13年)みたいなつくり方ができるなら原作があってもいいだろうと思って手をだしました。まさか、原作者の天童荒太先生がドラマづくりに参加してくださるなんて。そういうことができるなら、ぼくも楽しんで原作ものができると思ったんですね」
ー『ヤメゴク』は最終回後の展開は何か考えているんですか。
植田「隙あらば、劇場版をやろうと」
ー『ケイゾク』『SPEC』『ATARU』と植田作品はドラマから映画化するものが多く、それこそ、やるやるとSNSやメディアで事前に煽って、実現させてしまうことが多い。
植田「ほんとうに映画化しましょうっていうところがすでにありますが、堤さんのスケジュールが近々ないので、少し時間が空くかもしれません」
ー間を空けてもいいものですか?
植田「全然大丈夫でしょう。『TAKE 5』の舞台化も、ドラマ放送から2年空きましたが即日完売しています」
ー『ヤメゴク』劇場版はドラマの続きですか?
植田「ドラマはドラマで完結します、続きは劇場版でということはしません」
ー映画まで間があるとしたら、その間ドラマは?
植田「しばらくは白紙で休もうかなと。そして、今度は、堤さんの企画をぼくが支えながらつくりたい。いままでずっとぼくの企画を堤さんに兄貴分として支えてもらっていたので。そして、今度こそ向こう10年、シリーズ化するものを生み出したいですね」
ーシリーズ化したいですか。
植田「そりゃあ、定年までやれるシリーズ企画はほしいですよ。ひとつそれがあれば、あとは好き放題できるじゃないですか(笑)」
ーさすが、計算された。
植田「そういう計算するけどそのとおりにいったことがないですけどね(苦笑)」
ーいつかーー
植田「ドカンと大ヒットとはいかなくても、ひとの心に突き刺さるようなものをつくりたいですね」
PROFILE
うえだ・ひろき
67年2月3日兵庫県生まれ。京都大学法学部卒業後、TBS入社。ドラマ制作部のプロデューサーとして、数々のヒットドラマを手がける。代表作に『ケイゾク』『Beautiful Life』『GOOD LUCK!!』『SPEC』シリーズ、『ATARU』『安堂ロイド〜A.I .knows LOVE?〜』『家族狩り』『まっしろ』『ヤメゴク〜ヤクザやめていただきます〜』など。
『ヤメゴク〜ヤクザやめていただきます〜』
脚本:櫻井武晴
演出:堤幸彦
出演:大島優子、北村一輝、勝地涼、田中哲司、遠藤憲一ほか
TBS木曜夜9時〜
6月11日第9回、18日最終回放送。いずれも堤幸彦演出。
ヤクザから足抜けすることを支援する部署・足抜けコールに所属する警官・永光麦秋(大島優子)は全身黒尽くめの奇妙な女性。頭脳明晰、運動神経抜群で、あらゆる手を使ってもヤクザを追いつめ、必ず足抜けさせる凄腕だが、なぜそんなに血眼になって足抜けをさせようとするのか、その度が過ぎた行為を同僚・三ヶ嶋翔(北村一輝)は心配していた。
じつは彼女の父はヤクザ・橘勲(遠藤憲一)だった。ヤクザを身内にもつ者は、人生の進路が限られてしまう。夢だった警官の道を閉ざされそうになった麦秋は父、そしてヤクザを憎悪していたのだ。ところが、彼女のその認識には間違いが……。真実を知ったとき、麦秋はどうするのか?