90年以上の歴史と大地の恵み「標津羊羹あられ」は金時豆と甜菜糖の甘さ控えめな羊羹をワンハンドで
美食の地、北海道。全国各地で物産展などのイベントが開催される際には、ほぼ必ずと言っていいほど人気店には長蛇の列ができ、定番かつ根強いロングセラーのご当地銘菓やグルメから新進気鋭のものまでついつ試食なんかにも手が伸びてしまいますね。
さて、広大な北海道では全国生産量一位を誇る農作物が沢山。最近では、ふるさと納税なんかでもその恵みを気軽に選択する機会が増えました。とはいえ、全部が全部一般家庭で食べられるような農作物ばかりではありません。
例えばビートと呼ばれる「砂糖大根」。いわゆる大根の根の部分を煮詰めて抽出したものは甜菜糖と呼ばれ、白砂糖よりも控え目な甘味が特徴的です。素材の風味や色を活かしたい時にぴったりです。
そしてもうひとつが、インゲン豆の一種でもある「金時豆」。パック入りの甘い煮豆でもお馴染みですね!こちらの豆も北海道が国内生産量一位となっています。
今回は、その北海道の特産品のポテンシャルを活かした90年以上の歴史を誇る銘菓「標津羊羹あられ」をご紹介。
羊羹は羊羹なのですが、こちらはワンハンドでぱくっと手軽にいただける羊羹です。いわゆる練り羊羹の一種なのですが、小豆ではなく金時豆を使用。いかがでしょう、このまったりとしたキャラメル色…こちらがあのお弁当の隙間に佇む金時豆からできている、なんて初めての方に伝えても信じてもらえないかもしれません。美しいブロンズの色合いの羊羹はグラニュー糖を纏い、咀嚼した瞬間は仄かにひんやりとした感覚が。
食感は、しゃり、もちっといったところでしょうか。ねち、ではないのです。もっちりとしているのも特徴のひとつ。控え目な甘味故に、一般的な練り羊羹のようなダイレクトに伝わる甘味は少ないのですが、咀嚼するたびにじんわり広がっていく金時豆特有のほくほくとした風味は格別。優しい甘味、旨味にささくれた心が癒されます。素材の味を損なわないよう、甜菜糖と少しの麦芽糖を使用しており、後味も金時豆そのものの味わいが長時間留まってくれます。これは美味しいものに出会ってしまいました…
表面にグラニュー糖を塗しているのは、まだ包装技術が発達しておらず、表面が乾いて結晶化してしまった発売当時の名残。もしや、あられというのは「霰」のことなのかもと思いを馳せてみたり。
北国の厳しい寒さの中、今のようにLED電球やエアコンもない時代に手作業で羊羹を製造していた職人さんや働く方の姿を思い浮かべながら、温かい部屋でおやつをいただけることに感謝。
<標津羊羹本舗(菓子司はせ川)>
公式サイト(外部リンク)
北海道標津郡中標津町東2南1
0153-72-2075
月曜~土曜 9時~18時
日曜 10時~13時