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W杯4年後の共同開催国のそれぞれ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4年後の2026年大会ワールドカップは、アメリカ、カナダ、メキシコの共同開催となる。

 その3チームは、揃って今回のカタール大会に出場した。グループBを1勝2分けの2位でベスト16入りを果たしたアメリカは、次にオランダと対戦する。

 昨シーズンの米国メジャー・リーグ・サッカー(MLS)で優勝したLAFCのホームゲーム全てを記者席から見つめるジョッシュ・グロス記者は、イランを1-0で下した直後に語った。

 「我が代表は鋭くなってきたよ。結局グループステージを無敗で抜けることが出来た。予選の3ゲームでは、DFとMFが非常に良かった。

 FW陣はプレスをかける点はOKなんだが、フィニッシュが課題だな。初戦でゴールした背番号21のティモシー・ウェアは、非常に才能のある選手。違いを生める。だが、19番のハジ・ライトは、スタメンで起用されるのは厳しいレベルだと思う。24番のジョシュ・サージェントも貴重な戦力だ。イラン戦のケガが気になるね…重そうだ。でも、オランダに勝ってベスト8に入ると信じているよ」

イラン戦で虎の子の1点を挙げながら、ケガでベンチに下がったプリシッチ
イラン戦で虎の子の1点を挙げながら、ケガでベンチに下がったプリシッチ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 1986年メキシコ大会以来、36年ぶりにワールドカップに出場し、グループFにてベルギーに0-1、クロアチア戦では先制しながらも1-4で敗れたカナダは、第3戦を待たずに予選リーグでの敗退が決まった。

 とはいえ、内容のある負け方をしたと言っていい。北中米カリブ海予選で、アメリカやメキシコを抑えて首位でワールドカップの切符を手にした底力を随所に見せた。

写真:ロイター/アフロ

 現在のカナダ代表の中心選手、アルフォンソ・デイビスの存在感は圧巻だった。バイエルン・ミュンヘンでもレギュラーとして活躍中の22歳。4年後は更に大きな選手になっていそうだ。

アルフォンソ・デイビス
アルフォンソ・デイビス写真:ロイター/アフロ

 そして、W杯において7大会連続でベスト16入りを果たしていたメキシコ代表も、今回は予選リーグで敗退した。

 初戦でポーランドに0-0で引き分け、第2戦ではアルゼンチンとの肉弾戦を0-2で落とし、最終戦でサウジアラビアを2-1で下したが、得失点差でポーランドに及ばなかった。

 アルゼンチン戦もサウジアラビア戦も魂の入ったプレーを見せてくれたチームだけに、ここで消えてしまうのは実に惜しい。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 28.5歳と、グループC内で平均年齢が最も高かったメキシコは、4年後に向けて若手ので育成が課題となる。

 個人的には、長くゴールマウスを守って来たギジェルモ・オチョアの今後が気になるところだ。

1985年7月13日生まれの37歳、オチョア
1985年7月13日生まれの37歳、オチョア写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 カタールでの熱戦から目が離せないが、次へのスタートを切ったチームの再出発も、大いに気になるところである。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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