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コロナ禍でも「仕事10倍以上」。男女コンビ「蛙亭」を支える2人の恩人

中西正男芸能記者
「蛙亭」の中野周平と岩倉美里

 TBS「有田ジェネレーション」、テレビ東京「ゴッドタン」などに出演し、注目度が急上昇している男女コンビ「蛙亭」。中野周平さん(30)さんと岩倉美里さん(30)が2012年に結成しました。昨年4月に活動拠点を大阪から東京に変え、仕事量が「10倍以上」に増えました。新型コロナ禍で芸人さんの仕事が激減する中、そこまで仕事が殺到する理由とは。

仕事が「10倍以上」に

 中野:去年の4月に大阪から東京に出てきました。

 大阪時代はテレビと言えば、お笑いの賞レースで年に数回出るくらい。ロケに出たこともありませんでしたし、いわゆるゲスト的にバラエティーに出ることもなかったんです。

 それが東京に出てきてから、一気に変わりました。4月、5月は緊急事態宣言がありつつも、いくつかお仕事をいただきましたし、6月になったら、1カ月で大阪時代の1年分よりも多くのお仕事をさせてもらいました(笑)。

 そこからさらにお仕事は増えていったので、少なく見積もっても大阪時代の10倍以上には増えていると思います。お休みは、ほぼない状況にはなっています。

 岩倉:大阪では3つほどアルバイトをしてたんです。芸人ばかりが働いている居酒屋さんとか。なので、東京に来てからも、まずはバイトを探さないといけないなと思っていたんですけど、え?え?という感じでお仕事をいただけるようになって、結局、バイトを辞めることができたんです。

 中野:大阪時代は本当にお仕事が少なかったので、何が変わったというよりも、東京に来て新たに始まったことばかりなんです(笑)。だから、その一つ一つをしっかりとレベルアップさせないといけない。そう思っているところです。

先輩の声

 岩倉:お仕事をいただける理由。それを私たちが言うのも本当にアレなんですけど(笑)、強く感じているのは先輩方の“声”です。

 「ゴッドタン」でもそうですし、私たちがいないところで、いろいろな先輩方が「蛙亭」という名前を出してくださっていた。それがすごく大きいと思います。

 東京に来てからお仕事をさせてもらうようになったスタッフさんからも「お名前は頻繁に聞いていて。大阪におられたので呼びづらかったんですけど、東京に来られたのでこれからはいっぱい出てくださいね」と言っていただいたり。

 先輩方が名前を出してくださっていたからこそ、そういう流れができた。これは、ただただ感謝しかないです。

 本当に先輩に恵まれたと言いますか、例えば、「霜降り明星」のせいやさんは大阪時代からお世話になってまして。

 ずっと「お前らは面白いから大丈夫!」と励ましてくださいまして。賞レースで、なかなか結果が出なくて落ち込みがちなところでも「オレたちも最初から結果が出たわけじゃないから。ダメだと思うところから、頑張ってやってきたから大丈夫!」と言ってくださって。

 この言葉を本当に結果を出されている先輩が言ってくださるので、すごく染み込んでくるというか、重みがあるんです。

 何か大会があった後とか、本当に要所要所で言ってくださるんです。一緒に飲ませてもらっている時とかは、そんな話はされないんですけどね。飲みの場では、自分の恋バナか、誰と付き合いたいという妄想話しかされないんですけど(笑)。

 中野:僕は「シャンプーハット」のこいでさんが描かれているマンガ「パパは漫才師」(サンデーうぇぶり)のアシスタントを3年ほどさせてもらってまして。

 東京に出てきてからも、データで絵を送ってもらって、それにパソコンで色を付けて送り返したりということをさせてもらっています。

 こいでさんが絵を描かれて、そこに色を付けたり、仕上げたりするお手伝いを僕とピン芸人の森本大百科さんがする。そういう流れなんですけど、その作業の中でも、いろいろなことを教わるといいますか。

 「パパは漫才師」では、主にこいでさんのご家庭のことを描かれているんですけど、中にはこいでさんの芸人人生描いているところもありまして。

 マンガを仕上げていく中で、もちろん、原稿を凝視して、何回も見て作業をしますので、こいでさんの芸人哲学的や、生きる上での指針みたいなものがすごく刷り込まれたというか、原稿を通じて、教えてもらった部分が多々あると思います。

 直接、言葉でも、いろいろなお話をいただいたんですけど、漫画の原稿を作る作業という特殊な形で、深く教えてもらっている気がします。

無双モード

 岩倉:お仕事をたくさんいただけるようになって、生活も変わりました。今までは洋服も、いろいろな方からもらって暮らしてたんですけど、自分で服も買えるようになってきまして。先月、初めて(ユニクロの)ヒートテックを買いました。

 お金的にはそこまで高いものではないのかもしれないんですけど、自分の中でぜいたく品という気持ちがあったので、手が出ずにきたんです。

 「売れてないからヒートテックはまだダメ」という自分への枷という部分もあって。でも、少しはお金をもらえるようになったので思い切って買ってみたら、驚きました。「…え、みんな、こんな暖かい生活を送ってるの?」と(笑)。

 中野:確かに、すごく暖かいですから。

 岩倉:あと、ヒートテックの暖かさ的に、中野さんの新たな面も知りました。たくさんお仕事をさせてもらう中で「え、こんな顔もあったんだ…」という感じで。

 ある番組のオーディションに行った時、担当ディレクターさんがちょっと上から来られるというか、そこにいた多くの芸人が「ん?」と思うような方だったんです。

 そんな中、そのディレクターさんが「〇〇な感じでやってみてください」とニュアンスを伝えて、こちらがそれの通りにやるという場面があったんです。

 そのニュアンスも、今一つ分かりづらいところがあったんですけど…、みんなが首をかしげるような空気の中、中野さんがバシバシ見事にやっていくんです。それがムチャクチャうまくて、面白い。ディレクターさんも、周りの芸人も、みんな爆笑して、一気に空気が変わったんです。

 なんというか、そういう“無双モード”みたいになる時が、時々あるんですよね。一旦、そこに入ると、本当にすごいんです。無敵というか。顔見たら、すぐ分かります。肌も、目も、ピカピカしてるんです(笑)。

 中野:いや、そのオーディションの時は「これはできる!」と思えたものだったんで、思い切ってやらせてもらったんですけどね。恐縮ながら、水を得た魚のように、調子に乗らせてもらいました…。

 岩倉:今まではポンコツと思ってたんですけど(笑)、東京に来てからそういう機会が増えたので、頼もしいなと。ただ、無双モードに入らなかったら、一言もしゃべらないんです…。この段差がすさまじいので、もう少し平らにしてもらえたら(笑)。

 中野:なんとか、頑張っていきたいと思います…。

(撮影・中西正男)

■蛙亭(かえるてい)

1990年11月20日生まれで岡山県出身の中野周平と90年4月10日生まれで宮崎県出身の岩倉美里が2012年にコンビ結成。ともに、NSC大阪校34期生。同期は「さや香」ら。狂気と哲学性が同居したコントで注目され、ABCお笑いグランプリ、ytv漫才新人賞決定戦などに出場。中野は絵を描くことが趣味で、先輩コンビ「シャンプーハット」のこいでがサンデーうぇぶりで連載する漫画「パパは漫才師」でアシスタントも務めている。20年4月に拠点を大阪から東京に移す。2月21日には東京・ヨシモト∞ホールでオール新ネタの単独ライブ「ネコの日イヴ」を開催する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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