子どもに習い事をやめたいと言われたら?習い事で親ができるサポートを幼児教育講師が徹底解説!
こんにちは!幼児教育講師のTERUです!
今回は『子どもの習い事へのサポート』というテーマでお話しさせていただきます。
前回は『子どもの習い事の始め方』について紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。
【習い事に通い始めてから親ができる5つのサポート】
習い事を始めてからは完全に放置ではなく、子どものためにできるサポートをしてあげることでさらにモチベーション高く子どもが通えるようになっていきます。
①とことん話を聞いてあげる
子どもの習い事をスムーズに進めるためには、習い事の話をしっかりと聞いてあげることはとても有効です。
このときの注意点は、親のアドバイスはほとんどの場合必要がないということです。
子どもには本来問題解決や決断をする力があり、それはアドバイスをせずに話を聴くだけで引き出すことができます。
自分が頑張っていることを親が興味を持って聞いてくれる。
それだけで子どもは自ら習い事で起こる問題を解決できたり、気持ちを切り替えられたり、考えを整理できたりするものです。
②本物を見る機会を作ってあげる
前回の話でも習い事を始める前に興味の種まきとして本物を見せることをおすすめしましたが、これは習い事を始めてからも継続しておこなってあげましょう。
何度も本物を見ることで、さらにその子の意識の水準が上がりますし、あこがれや興味を引き出すことができ継続したモチベーションを生み出すことができます。
③習い事を通じて作った作品など飾る・他の人に見せる・記録に残す
これはモノづくり教室で作ったものや絵画教室で描いた絵、そういったものに関してです。
それらを家に飾ってもらえてみんなが褒めてくれることほどモチベーションが上がることはありません。
飾るだけではなくズームで実家の祖父母に見せたりしても良いでしょうし、どうしても大きすぎて家に置いておけないものであれば、写真にとって特別なアルバムを作ってあげることもおすすめです。
④習い事に親が介入しすぎない
こちらも前回の記事でですが、習い事の目的の1つは自立だとお話しさせていただきました。
それを考えると、親が習い事に介入しすぎることはおすすめしません。
例えば、親が少年野球のコーチになりそのチームに子どもが通っているような場合、線引きをきっちりした関わり方をしないと、自立につながらなくなってしまいます。
習い事の1番の魅力は家族と離れ、甘えを断ち切って自立した経験ができることです。
まだ幼児前期の親と一緒に習い事体験をしていく時期は別ですが、基本的に子どもが1人で習い事を行っていく年齢であれば、余計な介入はしないように気をつけていきたいですね。
⑤習い事が多くなりすぎないようにコントロールする
これが一番重要なので、これだけは深掘りしてお話しさせてください。
私は習い事の数が多すぎると様々な弊害出てくると考えています。本当に危険なので十分に注意していただきたいです。
習い事が多すぎることによる弊害は次の通りです。
1.家族で過ごす時間が減る
幼少期は家族で過ごす時間がとても大切です。
家族の愛情が子どもの心を育てる唯一の方法だからです。
知識やスキルが育っても心が育たなければ、子どもはその能力を上手く使うことはできるようになりません。
習い事で追われ、家族の愛情あるふれあいの時間が短くなれば、成長のための習い事が逆効果になってしまうこともあります。
2.子どもが受け身になる
習い事のお教室を分刻みで移動し親に言われるがままに行動して習い事に通っていると、常に与えられるという感覚が身についてしまいます。
その結果、何でも受け身で周りからのアプローチがないと行動を起こせない人間になってしまいます。
3.子どもの意思・欲求が育たない
習い事に追われていると、自分の意思で行動を起こす経験が少なく欲求が育ちません。
幼少期は時間が余るくらいがちょうどよく、その余っている時間で「あれやりたいな」「これほしいな」などと想いをめぐらし、欲求を育てることも大切なことなのです。
欲求は人間の大切な原動力になります。
欲求と意思が育たなければ、大人になって何がやりたいのかがわからない人間に育ってしまう恐れがあります。
4.創意工夫する力・考える力が育たない
人間は何かが足らないくらいの方が、イメージ力や創意工夫する力が育ちます。
おもちゃも欲しいと言ったものをすべて買ってもらえる子よりも、あまり買ってもらえない子の方が、今あるものでどうやって遊ぶかと創意工夫をし、自分で価値を創造できる力が育ちます。
その結果考える力もぐんぐん伸びていくのです。
習い事の数も全く同じで、足りないくらいの方がいい場合が多いです。
5.親が精神的に辛くなってしまう可能性もある
親の負担が大きいと家庭のバランスが崩れてしまう可能性があります。
子どもは親の精神状態を鏡のように映し出しますから、習い事が多すぎて親が精神的に辛く余裕の状態だと、子どもにも悪い影響が出ることは容易に想像できます。
6.習い事は多くなればなるほど1つ1つの生産性は落ちる
習い事の数が多くなれば多くなるほど、1つ1つの習い事の成果は落ちていく傾向があります。
なぜかというと、習い事はそれをやっている時間だけでなく、それ以外の時間に成長の秘訣があるからです。
子どもが習い事を通じて成長するプロセスは、
- 習い事で教えを受ける
- 習い事以外の時間でそのことがうまくなるために何ができるかを自分で考える
- 自分で考えて実行する
- また教えを受ける
そして、これらをくり返す必要があります。
習い事の数が過剰である子どもは、2と3のプロセスを十分にできないため、成長しにくいのです。
習い事が多すぎるかどうかは習い事の数というより、ご家庭の様子を振り返ってみてください。
具体的には、
- 子どもが自分の自由にできる時間が1日平均2時間以下である
- 適切な睡眠時間が取れない
- 習い事のせいで家族で夕食を食べることができない
- 親がスケジュール管理にイライラしていたり、子ども急かす言葉を多く使ってしまう
このような状況が常態化しているのであれば、習い事が多すぎると考えて良いのかなと思いますので、これ1つのを基準にしながら、習い事と付き合っていただけたらと思います。
【子どもが伸びる習い事の辞め方】
ちゃんと子どもが興味を持って好きな習い事を始めて、親もできるサポートをした場合でも、何かをきっかけにやめたくなる場面も出てきます。
子どもは興味が移りやすいものですから、飽きがきてもおかしいことではありません。
それはしょうがないことです。
そんなとき、私は子どもがやめたいと言ったら無理に続けさせる必要はないと思っています。
前回の記事では、子どもがやめる経験が多いと諦め癖がつくなどのデメリットを挙げましたが、それは好きなことを探すために習い事を使って無駄にやめる経験が増えるのが良くないということです。
もし継続を打診するのであれば、子どもとしっかりと対話を行い、子ども自らの考えを引き出し、本人から通室したいと言い出せば別ですが、そうでない場合やめてもいいと思います。
無理に続けさせても成果は出づらいですし、その習い事がどんどん嫌いになってしまうだけです。
ただし、やめさせ方には工夫が必要です。
一番良くないのは、何もやり切らずに投げ出した形になることです。
そうならないためには『今の子どものレベルで良いので、1つの目標をやり切ってからやめさせること』が大切です。
具体的には
「〇〇ができるようになってからやめなさい」
といった約束を作るということです。
例えば水泳をやめたいと言っているなら、「〇級が合格してからやめよう」といった感じです。
このやめさせ方をおすすめする理由は3つあります。
- やりたくない習い事を続けていても成果は出ないが、やめるための条件となれば一生懸命習い事に取り組むようになる
- その結果、達成感を味わい習い事が好きになって継続すると言い出す可能性がある
- 好きになれなくても、今の子どものレベルでやり切った経験になり投げ出してやめる経験にはならない
ぜひお子さんがそういった状況になったら、ただやめさせるのではなく1つやり切る経験をさせてから辞めさせるようにしてあげてほしいと思います。
いかがでしたでしょうか?
少しでもお子さんへのサポートの参考になれば幸いです。
皆さんの子育てを応援しています!