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サングリント 宇宙からみた春

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
ひまわり8号のサングリント「太陽光が海面に反射した像」(2017年3月17日)

ひまわり8号に写る太陽光の反射

きょう(17日)は彼岸の入り。日脚が長くなってきたことを実感します。

こちらはひまわり8号からみた両半球(上)です。いつもは日本サイズですが、赤道付近に目を向けると、あるものが見えてきます。

黄色の丸で囲った部分に注目してください。白くぼんやりとしたものが見えませんか?

サングリント(ひまわり8号RGB合成画像)
サングリント(ひまわり8号RGB合成画像)

これは「サングリント」といって、太陽の光が海面で反射した像です。春分が近づき、サングリントは赤道付近に移動してきました。

一方、冬至(下)の頃のサングリントは南半球にあり、北半球は今と比べると、ずいぶん暗いです。

また、サングリントは海面を吹き渡る風が強いと大きく、風が弱いと小さく見えるため、その大きさから風の強弱もわかります。

このように、ひまわり8号は雲を観察するだけでなく、太陽光が反射する位置からも季節の変化を知ることができます。

北の海は流氷

サングリントが赤道付近にやってきても、まだ、北の海は冬です。

きょう(17日)のオホーツク海の様子です。

ひまわり8号からみた流氷(合成画像,2017年3月17日)
ひまわり8号からみた流氷(合成画像,2017年3月17日)

青緑色(シアン)に見えるのが海氷や積雪です。北海道に積もっている雪、そして流氷がオホーツク海北部から南へ、網走付近に達していることがわかります。

【参考資料】

気象衛星センター:サングリント,「ひまわり」で見る四季の気象ー雲画像の見方ー

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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