保育園ってなんで融通が利かないの?理由3つを現役保育士が解説「他の子が待たされるから」
共働きの現役保育士です。
「保育園って本当に融通が利かないなあ」と嘆くことも多いでしょう。
理由は、保育園は集団生活の場だから・ベビーシッターではないから・・と言ってしまってはそれまでですね。
今回は、保育園が融通を利かせられない理由を、現役保育士の立場から踏み込んで紹介します。
5分登園が遅れると何がいけないの?
「登園するなら9時までに登園」などというルールの保育園もありますね。
登園が遅れたことを咎められ、「5分遅れたぐらいでうるさいなあ」と思ったことがある方もいるかもしれません。
このような登園ルールを設けている理由は、9時を過ぎると日課となるプログラムが始まってしまい、保育士が受け入れ対応するのが難しくなるからです。
9時にクラスで朝の会を始めるとして、担任が複数いるクラスだったとしても、一人が朝の会を仕切りながら子どもを見て、もう一人が朝の歌のピアノなどを弾きつつ、朝おやつを配膳するなどしています。
ここで、園児が登園すると、保育士一人が検温やら朝のお支度やらに回ることになります。
他の子はその間、全員待つことになったり、おやつが遅れてしまったりするのですね。
余剰の保育士が入れば何時に登園しても受け入れ対応できるはずですが、現実はそうも行かず・・難しいですね。
降園時間ってずらせないの?
「降園予定を過ぎてのお迎えはNG」などのルールがある保育園もあるでしょう。
この理由は、単純に保育士配置基準を守るためです。
例えば、2歳児クラスでは、園児6人につき保育士一人が基準など、厚生労働省が保育士配置基準を定めています。
この基準を超えると違反となってしまうため、合同保育の時間帯でも残りの園児数と年齢、職員の人数を計算しながら職員配置を決め、調整しています。
このため、今日は「17時以降は、0歳児3人+2歳児6人だから保育士2人で大丈夫だ」と計画していたところに、連絡なく保育時間を延長する方がいると、17時以降に行事の準備をする予定だった職員を急遽保育に投入して・・などと予定の組み直しが生じます。
本来行うべきだった行事の準備も行えず、園全体としても予定が狂ってしまいます。
降園予定を守ることについて厳しい保育園は、常にギリギリの職員配置で日々を回しているであろうことが伺えます。
うちの子だけ外遊びしない対応はできないの?
「風邪気味なのでうちの子だけ外遊びはなしに」「鼻を拭くときは鼻セレブで拭いて欲しい」「服が汚れるのでうちの子は泥遊びさせないで」・・これらは実際に保護者の方からいただいたことがある要望です。
保育園という場所は、集団生活の場であるがゆえに、とにかく個別対応には弱いです。
1人だけ外遊びをさせないためにはもう一人職員が必要だし、たくさんの子が鼻水を出している中、特定の子だけ鼻セレブにすべくロッカーまで鼻セレブを取りに行く時間すらありません。
「ベビーシッター並みに一人一人に寄り添った保育を」と多くの保育士は思っているはずですが、現状では難しいところがジレンマです。
仕事がない日は預かってもらえないの?
保護者の仕事がない日に保育園を利用することにどの程度寛容なのかは、保育園により差があります。
筆者の勤務園の場合は、やや寛容で明らかに仕事が休みと分かっていても特に直接保護者に「休みですよね」と毎回問うようなことはしていません。
職員同士で「〇〇ちゃん来てるけど、ママは今日は休みのはずだけどね」などと噂はしていますが・・
保護者の仕事がない日の対応は、職員数が満たされているかの他、管理職の個人的な考え方にも左右されるところが大きいように思います。
まとめ
保育園が融通を利かせられない理由を、現役保育士の立場から踏み込んで紹介してきました。
保育園は法律や政府の指針・ガイドラインに基づいて運営されていますが、その解釈は保育園により異なることも多いです。
保育士たちで集まると「私たち、融通利かせて、要望にも応えて、ほんと頑張ってるよね」とお互いを労っていますが、皆さんが通園中の保育園はいかがでしょうか。