28日午前（日本時間）の第94回アカデミー賞授賞式で起きた「ステージ上での平手打ち」の出来事。

叩いたウィル・スミスは本人は謝罪し、叩かれた司会者クリス・ロック側もそれを受け入れた。

さてこれをどう見るべきか。いくつかの観点があるのではないか。

「どんな場面でも暴力はいけない」

「公の場での振る舞いを考えるべき」

「行くべき時は行くべき」

これを海外メディアはどう報じているのか。ここでは韓国のケースを。どうやら3番目が強い傾向にあるのだ。

12時37分（当事者同士の和解前）にこれを報じた「韓国日報」の記事に大きな反応が集まった。

「ウィル・スミス、アカデミーの舞台に乱入し司会者の頬を叩いた理由」

事の経緯を説明するシンプルな記事だが、この記事では韓国内では早いうちに「ウィル・スミス側の事情」を説明している。

この記事が”バズった”。国内最大のポータルサイト「NAVER」が集計する「メディア別デイリーアクセスランキング」で「韓国日報」の記事としては1位に。この日の夕方、宿敵とされた文在寅大統領と尹錫悦時期大統領の劇的な会談があった（当選19日後の面会は歴代で最も遅かったのだという）が、これに打ち勝ったのだ。

記事に対するリアクションはこうだった。

いいね！　3032

興味深い　48

悲しい　38

怒ってます　108

後続記事を望みます　28

妻を侮辱したことが叩いた理由だった、という点が伝えられた上で「賛成」の意見が多く見られたのだ。

コメント欄は「荒れ気味」で796のコメントが入っている一方、メディア側の自主判断で63ものコメントが削除された。

読者からのリアクションが多かったものは下記のとおりだ。

「スッキリした。ただのゲストではなく、主演男優賞の受賞者が舞台に乱入しワンパンチとは笑　家族だから無条件でかばったということだが、妻の疾患を公的な場で愚弄したのだ。殴るに値した。もちろん暴力は道義的な責任を追わなければならないが…　あれほどの発言をしたなら叩かれるに値する」

いいね!3617　ブーイング52

「叩かれるに値する行動だと思う…ウィル・スミス男前…悪く言う人はいない」

いいね!2030　ブーイング54

「ウィル・スミスがやった行動は暴力なので間違いだとはいえ、自分でも同じようにやったと思う。映像をちゃんと見ていない人はYouTubeで一度見てみろ。クリス・ロック（司会者）が疾患をイジった時、スミスの奥さんの表情は完全に泣き顔だった。妻が横で侮辱され、泣いているのにじっとしているのか？　頬くらいで済んだのは、ウィル・スミスがむしろ上品だったってことだ」

いいね!1384　ブーイング32

「他人の痛みを笑いにした者の結末」

いいね!1034　ブーイング19

もちろん「反対意見」もあった。

ビッグデータ集積サイト「SomeTrend」によると、28日の「NAVER」での「ウィル・スミス」に対するニュース、Twitter、ブログでの傾向はこうだった。

肯定的　67.5％

否定的　28.2％

中立　　3.3％

肯定的、が圧倒的におおいなか、関連ワードで最も件数が多かったのは「受賞」だった。これは「平手打ちをしながらもウィル・スミスが賞を受賞した点への批判」。反対意見を持つ人もまた強く反応しているという証だ。

とはいえ、韓国では「行く時は行く。家族を守ることは何よりも大切」という視点が多い。そういったことを感じさせる28日のサイト上での傾向だった。