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エンジェルスが獲得した外野手の○と×。ここ2年の本塁打は17位タイ、出塁率はワースト22位

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハンター・レンフロー Aug 18, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスは、20代半ばの投手3人と交換に、ミルウォーキー・ブルワーズからハンター・レンフローを獲得した。こちらは外野手だ。来年1月に31歳となる。エンジェルスでは、5番か6番を打ち、ライトを守ると思われる。

 メジャーリーグ2年目の2017年以降、レンフローは、短縮シーズンの2020年を除く5シーズンとも、26本以上のホームランを打っている。2019年はサンディエゴ・パドレスで33本塁打、2021年はボストン・レッドソックスで31本塁打、2022年はブルワーズで29本塁打を記録した。ここ2シーズンの計60本塁打は、カイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)とマニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)の2人と並び、17位に位置する。

 また、2019年と2021~22年の外野補殺は二桁を数え、ここ2シーズンの計27補殺は、外野手のなかで最も多い。

 一方、2017年以降の出塁率は、どのシーズンも.320に達したことがない。ここ2シーズンの出塁率.315は、計1000打席以上の118人中97位。ワースト22位ということになる。ここ2シーズンのエラーは、捕球と送球がそれぞれ計8ずつ。これらも補殺と同じく、外野手の最多だ。

 レンフローの特徴を簡単にまとめると、こうなる。パワーと肩は優れているものの、出塁率は低く、拙守ではなくとも名手とは言い難い。

 その上、来シーズンが終わると、レンフローはFAになる。見返りとして、まだ若い投手を3人も手放したのは、いずれもプロスペクトや元プロスペクトではないとはいえ、少しもったいない気もする。ただ、球団の売却に動いている今、長期展望に基づく補強を行うのは難しい。レンフローに先駆け、ミネソタ・ツインズから獲得した内野手のジオ・アーシェラも、FAまであと1年だ(「エンジェルスはトレードで獲得した三塁手に遊撃を守らせる!? ベラスケスやフレッチャーの立場は…」)。

 なお、ここ2シーズンに計60本塁打以上を記録した選手については、こちらで書いた。

「大谷翔平の「ここ2年に計80本塁打」は、アーロン・ジャッジに次ぐ2位タイ。大谷と並んでいるのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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