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11月3日に3度目の防衛戦を控えるWBAライトフライ級チャンピオン京口紘人

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
写真:山口裕朗 V3戦は故郷、大阪での凱旋試合となる

 IBFミニマム、WBAライトフライと2階級を制し、来る11月3日にWBAライトフライ級タイトル3度目の防衛戦を迎える京口紘人。9月11日から3日間、熱海の海岸を徹底的に走り込んだ。

 「フィジカルトレーナーに同行してもらって、砂浜でのダッシュを何本もやりました。神経系の練習もかなりやりましたね。マジ、しんどかったです。

 瞬発力も持久力アップさせようと、去年の7月からフィジカルトレーニングを取り入れ、パワーが付いてきた実感があります」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 京口の代名詞とも呼べる左ボディアッパーのみならず、ジャブにも手応えを感じている。

 「ジムワークに加え、フィジカルトレーニングを重ねて来たことが、身になってきたなと感じる今日この頃です」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 今回の挑戦者、タノンサック・シムシー(タイ)の戦績は、14戦全勝12KO。昨年8月31日には、母国の同級ナショナルチャンピオンとなっている。グリーンツダジム所属だ。

 「まとまっているな、という印象です。KO率を見ればワンパンチャーかなと思ったのですが、映像を目にしてみて、数字以上のパンチ力を持っている感じはしません。コンビネーションで倒すというタイプでもなく、まとまっているな、と感じますね。

 シムシーは世界ランキング11位ですが、ランキングってあって無いようなものですから、もう少し上位ランカーとやりたかったとかいう感情も無いです」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 「全てにおいて差を見せたいなと思っています。中間距離で戦うことを課題に仕上げていきます。相手の身長は161センチと聞いていますので、僕と同じくらいですね。自分の距離で戦いたいです。

 距離感は意識していますよ。足で外したり、出入り、サイドステップをテーマの一つとしています」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 「やっぱり地元での試合ですから、世界チャンピオンとなって成長した姿を見せたいですね。また、YOUTUBEで映像が流れますから、多くのファンにいい試合を楽しんでもらいたいと思っています。

 今回は、KO宣言はしません。もちろん、チャンスがあったら倒しますが、フルラウンド戦う展開になっても、挑戦者を圧倒してみせます」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 YOUTUBEで世界タイトル戦を放送する時代になった。コロナ禍で、なかなか興行を打つのが難しい昨今、京口紘人は新しい波に乗ろうとしている。

 11月3日のファイトが、日本国内のみならず世界のボクシングファンの注目を集めることを期待したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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