ローランド社ビンテージ機材の商標登録の現状について
#小ネタです。
ツイッターでエゴサーチしていて発見しましたが、ベリンガーのTR-808クローンのドラムマシンRD-8のボタンの色の並びをオリジナルTR-808に戻す”ハック”の動画がありました。
そもそも、なぜ、ベリンガーのボタンの色の順番がローランドと逆なのかというとローランドの商標権を回避することが目的だと思われます(関連過去記事「ローランドTR-808クローンにおける商標権回避策について」)。なお、商標権が及ぶのは「業としての」使用だけなので、自分で改造して自分で使う分には問題ないですが、改造品をオークションで売ったりすると厳密にはローランドの商標権を侵害する可能性があります(現実問題としてローランドが権利行使することは考えにくいですが)。
さて、この機会に上記記事で引き合いに出した、ローランドのビンテージ機材の商標登録出願(執筆時点では審査中だったもの)が現在どうなっているか調べてみました。
まず、TR-808のボタンの色(2件目)とTB-303はいずれも登録査定が出ています。登録料も納付されているのでまもなく登録になるでしょう。
しかし、TR-808と並ぶ名ドラムマシン、TR-909(タイトル画像参照)については、拒絶理由通知が出ています。
TR-808、TB-303、TR-909の審査官はみな同じなのですが、何故、TR-909だけ拒絶なのでしょうか?TR-909が一番実機のデザインに近いので消費者が「商品の形状にすぎない」と理解する可能性が高いということでしょうか?ただ、少なくとも、この商標を楽器以外の商品(たとえば被服)に使用した場合(実際、ユニクロとローランドのコラボによるTR-808のTシャツがあります)消費者が「このTシャツはドラムマシンとしても使えるのか」と誤認することはあり得ないので、4条1項16号はおかしいのではないかと(利害関係者でもないのに)思ってしまいました。