オールスターで本盗!? 球宴フューチャーズ・ゲームで試みたプロスペクトは惜しくもアウトになったが…
7月7日に行われたオールスター・フューチャーズ・ゲームで、シンシナティ・レッズのプロスペクト、テイラー・トランメルが本盗を試みた。球審はアウトを宣告したが、映像では、タッチされるよりも早く、トランメルの左手がホームに触れているように見える。この試合にリプレーがあれば、判定は覆っていたに違いない。
トランメルは、21歳の外野手だ。3年前のドラフトで、レッズから全体35位指名を受けた。今シーズンはAAで74試合に出場し、打率.253、出塁率.377、5本塁打、16盗塁を記録している。フューチャーズ・ゲームは2年連続。昨年はホームランと三塁打を打ち、MVPに選ばれた。
今年のフューチャーズ・ゲームでは、4回表に本盗を試みる前に、ヒットで先制点を挙げた。ナ・リーグの得点は、トランメルがアウトになる直前の1点と合わせて計2点のみ。試合は2対2で終わり、7回裏に2ラン本塁打を打ったサム・ハフ(テキサス・レンジャーズ)が、MVPを受賞した。トランメルが本盗で3点目を挙げていれば、2年連続MVPもあり得た。
フューチャーズ・ゲームについては不明だが、オールスター・ゲームでは過去に1度だけ、本盗が記録されている。第2回の1934年だ。パイ・トレイナーが、一塁走者とダブル・スティールを決めた。本盗失敗は、レッド・シェーンディーンスト(1954年)とウィリー・メイズ(1960年)の2度。メイズは牽制球により、三本間に挟まれた。
今年のオールスター・ゲームで、本盗に成功する選手が現れれば、85年ぶりとなる。トランメルと同じように単独で試み、セーブになれば、史上初だ。
トランメルが昨年のフューチャーズ・ゲームMVPだったことからすると、アレックス・ブレグマン(ヒューストン・アストロズ)に期待したい。昨年のオールスター・ゲームで、ブレグマンは10回表に勝ち越しとなるホームランを打ち、MVPを手にした。途中出場の昨年と違い、今年はスターティング・ラインナップに名を連ねる。
今シーズンは4盗塁しか記録しておらず、本盗はキャリア全体でもないが、ブレグマンは走れない選手ではない。2017年は17盗塁、2018年も10盗塁を決めている。年齢も、25歳と若い。
なお、今シーズン、本盗を成功させている選手では、オースティン・メドウズ(タンパベイ・レイズ)がオールスター・ゲームに選ばれている。