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【河内長野市】これは原始信仰の名残?葛城修験第十八経塚への山道の前に、猿田彦を祀る塞の神があります

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

八百万(やおよろず)という言葉があるように、日本にはたくさんの神々がいると言われていますが、天照大神(アマテラス)や素戔嗚尊(スサノオ)、大国主大神(オオクニヌシ)など有名ですね。数多くいる神様の中でも、猿田彦(サルタヒコ)は比較的親しみやすい神の名前のような気がします。

最近大阪梅田の西口にKITTE大阪とイノゲート大阪が同日にオープンしましたが、イノゲート大阪には猿田彦珈琲が誕生しました。猿田彦珈琲によると次のように猿田彦の神から店の名前を拝受しているという記載があります。

猿田彦珈琲は『みちひらき』の神様、猿田彦大神からお名前を拝受しています。

みちひらきの神様というのは日本神話で、天照大神の孫神である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が天孫降臨をするときに、道案内をしたのが猿田彦大神と伝えられているからです。

そして、猿田彦は地元の秋祭りでよく見かけました。みちひらきの神様なので先頭を歩いていました。天狗のような顔をした猿田彦について以前調べて記事にしたことがあります。そして富田林では腰神神社や美具久留御魂神社の境内に猿田彦が祀られています。

そんな猿田彦を河内長野でも祀っているところがあります。南海千早駅から山の中、「歩絵夢」さんのすぐ近くにある塞の神です。

南海千早口駅から歩くと「才ノ神(塞の神)南」という交差点がありますね。

歩絵夢さんを過ぎたところに細い道があります。

途中、葛城修験第十八経塚「岩瀬経塚山 随喜功徳品」に続く道があります。

経塚へはこちらの道を歩いていきますが。今回はこちらではなく、右側の道に行きます。

すると、すぐにこのような立派な説明版がありました。

神塞(塞の神)と大きく書いてあります。大木の断面を説明版として使用しているためか、迫力を感じます。

詳しい説明があります。引用しましょう。

塞神は邪霊、疫神、障りをなす邪神を統御する神と信じられたが、道餐祭 村境の神である道祖神との習合があり、転じて旅行神としても信仰され又反面祖霊祭の印象は男女会合が背景となって縁結び安産の神子どもの神となって、精神的特徴を伝えるに至る。

横に、祀られている塞の神は猿田彦を祀るものであることが明記してあります。1996(平成8)年に愛郷倶楽部が建之しました。ちなみに調査文献「石神問答」を調べると、民俗学者の柳田國男の著とのこと。

そして看板の右隣のふたつの祠の中に神様が祀られていました。

そしてこちらが、塞の神こと猿田彦の神を祀っている石の祠です。

正面から伺いました。個人的な感想ですが、気のせいか下の方の石組と一緒に見ると手のようにも見える部分があることから、人型のようにも見えます。

さらに拡大しました。中に丸い石が入っているように見えます。調べると原始信仰ともいわれている「丸石神」が残っていて、そこから道祖神や地蔵菩薩などと融合していったという記述を見つけました。その過程で猿田彦の神も融合したのでしょうか?

隣にも祀られているところがあります。祠の建物を石で作っていますが、石のほうが丈夫そうです。

よく見ると小さな鳥居が何枚も折り重なっていました。

岩瀬の塞の神(猿田彦大神)

住所:大阪府河内長野市岩瀬

アクセス:南海千早口駅から徒歩20分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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