【スーパーフォーミュラ】2016年から横浜ゴムがタイヤをワンメイク供給!新たな展開に期待!
10月29日(木)、報道陣向けのプレスデーが開催された「東京モーターショー」の会場で、「横浜ゴム」が2016年から国内最高峰のフォーミュラカーレース「スーパーフォーミュラ」のワンメイク・タイヤサプライヤーとなることを発表した。
1997年のフォーミュラニッポンのタイヤワンメイク化時からタイヤサプライヤーをつとめてきたブリヂストンが2015年シーズンをもって供給を終了すると発表していたが、次のタイヤサプライヤーには春からテスト走行を行っていたと噂にあがっていた「横浜ゴム」が決まり、この度、正式に発表された。
20年ぶりの国内トップフォーミュラ
「横浜ゴム」はADVANのブランド名で世界中のレースシーンにおいて重要な役割を長年に渡って担っている。SUPER GTでは国内外のタイヤメーカーと戦っているほか、WTCC(世界ツーリングカー選手権)やスーパー耐久シリーズへのワンメイクタイヤ供給などツーリングカーレースのタイヤサプライヤーというイメージが強いかもしれない。
しかしながら、「横浜ゴム」はフォーミュラでも経験豊富で、市街地レースとして有名なF3マカオGPのタイヤ供給はすでに33年の長きに渡っており、現在は全日本F3選手権、スーパーFJにもワンメイクタイヤを供給している。国内トップフォーミュラへの復帰はタイヤがワンメイク化される前の1996年以来、20年ぶりとなるが、ブランクの間にはFIA F2選手権へのタイヤ供給も行っており、携わってきたフォーミュラカーレースは多岐に渡る。そんな「横浜ゴム」がこれまでのブリヂストンとは異なるアプローチでどんなタイヤを用意するかに注目が集まる。
帰ってきたアドバンカラー!シリーズ活性化に期待。
国内トップフォーミュラに20年ぶりに復帰する「ADVAN」「YOKOHAMA」の名前。東京モーターショーの会場には赤と黒の「ADVAN」カラーに塗られたスーパーフォーミュラのマシン、SF14が展示されていた。この「ADVAN」カラーのフォーミュラカーに強い憧れを持つベテランのファンは多い。F2時代、全日本F3000時代には高橋国光らの名ドライバーがこのカラーリングでサーキットを駆け抜けた。
当時はブリヂストン、ダンロップと共に3つのタイヤメーカーが戦う超激戦時代で、全日本F3000は予選用スペシャルタイヤなども登場するほどの過激な戦いの舞台となった。F1に次ぐ速さを持つフォーミュラカーレースとして世界的にも注目され、F1予備軍のドライバーたちが数多く参戦。そんな中で、ジャン・アレジ、エディ・アーバイン、ミカ・サロといった後のF1トップドライバーたちも横浜ゴムのタイヤを使用してレースを戦っていた。特にエディ・アーバインは1991年のF3000デビューイヤーに山口県・美祢サーキット(現在はマツダのテストコース)で優勝を飾っている。往年のファンは懐かしい思い出がたくさん蘇ってきたことだろう。
中嶋一貴、小林可夢偉、アンドレ・ロッテラーなどF1経験者が数多く参戦し、ただえさえ選手層が厚い「スーパーフォーミュラ」。来季はGP2王者で「マクラーレン・ホンダ」のテストドライバーであるストフェル・ヴァンドーンら有力選手の参戦も噂されており、かつてのアーバインのようなF1でも活躍できる名選手が「スーパーフォーミュラ」から輩出されることを期待したい。
エンジニアリング面でも重要なウェイトをしめるタイヤの変更は各チームにとって大きな課題であり、勢力図はいったんリセットされる。また、「全日本F3選手権」も「横浜ゴム」のワンメイクタイヤ供給のレースだけに同社のタイヤの特性をよく知るF3からのステップアップ組がルーキーイヤーからいきなりの大活躍を見せるのも大いに期待したいところ。タイヤサプライヤーの変更は「スーパーフォーミュラ」をさらに面白いレースにしてくれるに違いない。
なお、「全日本選手権スーパーフォーミュラ」は来季より「全日本スーパーフォーミュラ選手権」とシリーズ正式名称を変更し、新たなスタートを切る。
(写真提供:JRP / Copyright: YOKOHAMA)