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1試合3長打がすべてタイムリー!早実出身ルーキー野村大樹が4打点の大暴れ

田尻耕太郎スポーツライター
大活躍だった野村大樹内野手(筆者撮影)

4番コラスが3安打

4月19日、福岡ソフトバンクホークスの2軍は本拠地のタマホームスタジアム筑後で、ウエスタン・リーグでオリックスバファローズ2軍と対戦した。

【4月19日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1419人】

オリックス  010001100 3

ソフトバンク 00104200× 7

<バッテリー>

【B】●エップラー(2勝3敗)、青山、左澤、吉田凌――飯田、フェリペ

【H】吉住、渡邉雄、○笠原(2勝1敗)、杉山、笠谷――九鬼

<本塁打>

なし

<戦評>

 ソフトバンクの打線が14安打と活発だった。なかでもルーキー野村の活躍が目立った。「9番DH」でスタメン出場した18歳は、三回1死一塁の第1打席で右中間タイムリー三塁打を放ち、チームを1対1の同点に導いた。

 五回1死三塁の第2打席ではセンターの横を破る打球がフェンスに到達してまたしてもタイムリー三塁打。この一打でソフトバンクが2対1と勝ち越した。また、この回には明石の適時二塁打、九鬼のセーフティスクイズ、田城の適時内野安打も飛び出して一挙4点を勝ち越した。

 野村は六回の第3打席でも2点二塁打を左中間に運んだ。4打数3安打4打点の大活躍だった。

 先発した吉住は3回1失点。3番手の笠原は2回1失点だったが2勝目を挙げた。(了)

驚きの修正能力。18歳野村大樹はやはり只者ではない

試合後は若鷹スピーチにも登場(一番左が野村・筆者撮影)
試合後は若鷹スピーチにも登場(一番左が野村・筆者撮影)

 野村大樹が持ち前の勝負強さを発揮した。4打数3安打4打点。2軍公式戦でのヒットは、初出場だった3月24日の阪神戦以来。4月16日と17日の広島戦ではいずれもスタメン出場したが、計7打数0安打と手も足も出ない状態だった。

 18日は出場するも打席機会がなかった。中1日でこの変貌ぶりだ。何があったのか。

「新井(宏昌2軍打撃)コーチに、16日の試合が終わった後に打ち方の指摘を受けました。それは僕も感じていたことでした」

 野村はもともと、打ちにいく時に左脇が開いて右肩が落ちてしまう癖があった。スイングはアッパー気味になる。高校野球ではそれでも対応できたが、プロ野球の投手はスピードもキレも段違いだし、「甘い球は1打席に1球あればいい。内角も厳しく攻められる」と痛感し、このままではいけないと考えていた。

活躍の裏にあった新井コーチのアドバイス

「18日は試合中に打ち込みもしたし、試合後は新井コーチが特打を見てくれました。『練習ではボールを叩くくらいの気持ちで打てばいい。試合ではレベルスイングになる』とアドバイスを頂き、それを意識して振り込みました」

 この日外野手の間を破る強く鋭いライナー性の打球を3本も打てたのは、まさにその成果だった。とはいえ、言うは易し行うは難し、だ。この僅かな時間の中で修正をして試合に臨んだ野村の適応能力には驚くばかり。やはりこのルーキーは只者ではない。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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