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【河内長野市】女子サッカー選手がモビリティの添乗員!12月からスペランツァ大阪が南花台「クルクル」に

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

南花台と言えばふたつ思い浮かぶのではないでしょうか?ひとつは2024年1月からチームのホームタウンが河内長野市になった、女子サッカーのなでしこリーグのスペランツァ大阪(外部リンク)の本拠地となるサッカースタジアムの建設です。ふたつ目は地域住民の足として活躍し、最近は大師・日東町でも活躍し始めたモビリティのクルクル(外部リンク)が話題になっていますね。

今年の夏に行われたスペランツァ大阪と南花台の地域住民との交流イベントにて
今年の夏に行われたスペランツァ大阪と南花台の地域住民との交流イベントにて

女子サッカーチームとモビリティは直接の関係性はないものの、南花台のイベントでスペランツァ大阪のチームがクルクルにステッカーを貼るなど、モビリティを利用する地域住民との交流を定期的に行っています。ここまでならよくありそうな話ですね。

しかし、ここからが驚きました。なんとサッカーチームの選手が添乗員としてモビリティのクルクルに乗車するという情報を得たのです!イベントならともかく、通常営業ののクルクルにサッカー選手が添乗員として乗車するという意外性がとても気になった私は、初めてスペランツァ大阪の選手がクルクルに添乗する日、コノミヤ南花台店を核とした南花台ショッピングセンターに足を運びました。

11月28日のお昼過ぎ南花台ショッピングセンター1階にあるクルクルの案内所です。この日が初めてスペランツァ大阪の選手がクルクルに添乗員として参加する日とのこと。本格的には12月からスタートします。

ちなみにこの日は、画像のような定期運行(定時定ルート)ではなく、事前予約制で乗車できる方式です。タクシーの様な利用方法(オンデマンド運行)の日とのこと。

屋上に上がるとクルクルが待機していました。

利用者がひとりいらっしゃいますが、今回は取材ということもあり、同乗させていただくことになりました。

さて、クルクルに乗ると座席の前にはスペランツァ大阪の選手紹介のパネルがあります。ちなみに赤い服の選手はゴールキーパーです。

もうひとつあります。ところでこの日の添乗員はこの中にいました。

それは24番の尹 頭炅(ユン ドゥギョン)さん(外部リンク)が添乗員です。そして運転手は高野さんです。

事前情報では、スペランツァ大阪のみなさんが添乗のための勉強会を開催したそうです。そしてこのような試みを行う目的ですが、選手がクルクルに添乗することで、地域活性化が進むことを期待しています。さらにスペランツァ大阪の選手がより身近になることで、チームのフアンが増えることも期待しているとのこと。

研修を終えたとはいえ初めての実践ということで、まずは運転手の高野さんと尹さんとの間でもコミュニケーションを図るようなところからスタートしました。高野さんの話では、30人近くドライバー登録しているそうですが、あくまでボランティアのため、忙しい人が多く、実際の運転エントリーをする人は少ないとのこと。

高野さん自身が運転手をすることになったのは、他のボランティアをしていたそうですが、地域でやらないといけないことだから「しゃーない(仕方がない)」という気持ちで引き受けたといいます。と言いながらスペランツァ大阪の選手が添乗員に加わったこともあり、なんとなく楽しそうな気がしたのは気のせいでしょうか?

さて南花台ショッピングセンターの屋上から乗車していた方がこちらで降ります。ここは南花台の入口近くのマンションです。ちなみにここは南花台のメイン通りですが、クルクルではメインストリート走行するのは特例で、普段はメインから外れた細い道を走ります。あくまでバスとの競合を避けるためとのこと。

こちらの女性の方が降りていきます。そして添乗員の尹さんが下りる時のサポートを行います。

この方の話によると、南花台ショッピングセンター(コノミヤ南花台店)での買い物の量が多い時にクルクルを活用しているそうで、本当に良いシステムだからもっと多くの人が使ってほしいと言っていました。

こうして無事にクルクルから下車しました。サッカーの選手に乗降のサポートをしてもらえるのは驚きと同時に地域の人がうらやましいですね。

尹さんが「ショッピングセンターに戻りますか?」と運転手の高野さんに質問すると、高野さんは、「今からもう一カ所あります」といいます。尹さんはアクセントはあるものの、日本語がとても達者です。理由を伺うと、来日前から日本語の勉強をしていたとのこと。

ちなみにサッカーは中2から始めたそうで、日本に来た理由は韓国と日本の両方のサッカーを知りたかったのと、韓国ではプロは別として、サッカーを止めた後の就職に不安があるという理由もあったそうです。

そして両国のサッカーは明らかに違うそうで、個人プレイが得意な韓国に対して日本の場合はチームプレイを重視しているような話をしていました。そして月曜日を除く毎日朝8時30分から11時まで下里の練習場で練習しているとのこと。

ちなみに高野さんの話では、11月下旬頃はビニールシートで車内を覆うので、天気が良いと温かいといいます。これが1・2月の真冬になると寒くなるので座席にヒーターが入るそうです。夏場はビニールシートが無く開け放つので風が入ってくるため意外に涼しいとのこと。

こうして次のお客さんの家の前まで来ました。家に来てからお客さんが出てくるまで待っています。高野さんの話では、6割以上を占める常連客のことはほぼ把握しているとのこと。「いつも乗る人は場所がわかる」と胸を張ります。さらに一軒家の人は玄関まで迎えるそうです。ほんとうに地域の足らしいと思いました。

すぐには出てきませんが、根気強く待ちます。お互い顔なじみだからこそなのでしょうね。

こうして、男性のお客さんが出てきました。

ではこの方は今から南花台ショッピングセンターに買い物に行くのかと言えばそうではありません。実は南花台の別のエリアにある囲碁サロンに向かうとのこと。

「今日は取材が来とるから」といつもとの違いを高野さんが説明している横で、尹さんが男性のお客さんをサポートします。高齢化が一足早く進んでいるとされる河内長野、南花台クルクルの利用者も高齢者が多いので、このようにサポートをするわけですね。

男性のお客さんがうれしそうです。事前に今日はスペランツァの選手が添乗員としてサポートしてくれることを高野さんから聞いていたのでしょうか?こちらの男性のお客さんは週3回クルクルを利用するとのことで、月、木のオンデマンドの時は迎えに来てくれるので楽だけど、金曜日は定期運行の日で、時間に合わせないといけないということで忙しいと言っていました。

男性の方の話では、85歳までは健康のために歩いて囲碁サロンに通っていたそうです。とはいえ、なだらかですが途中は延々と坂が続いています。「南花台は丘を開発しているから坂が多いんでね」と高野さん。

ここで、クルクルが止まりました。理由はクルクルは通常は時速12キロ走行で、最高でも19キロまでしかでないとのこと。そのため後ろに車が来ると、車に先に行ってもらうのです。

こうして囲碁サロン「星目風鈴館」の前に到着しました。余談ですが、星目風鈴とは囲碁用語で打ち方の名称のひとつです。詳細は日本囲碁連盟(外部リンク)をご覧ください。

こうして男性の方が降りていきます。もちろん尹さんが添乗員としてサポートします。

85歳まで歩いて囲碁サロンまで通っていた男性の方、今はそれ以上ですから後期高齢者開始年齢よりも10歳以上年配の方です。こんな年齢まで囲碁を楽しめる健康な方を見ると、私もそのくらいまで健康で人生を謳歌したいと思いました。

こうして無事に囲碁サロンの中に入るのを見届けてからクルクルは動き出します。

クルクルは南花台ショッピングセンターに戻ります。最後に尹さんに河内長野の印象を聞いてみると、前提として日本はごみが道に無くてきれいだといいます。

そして「河内長野の市民は優しい」と尹さん、外国人相手でも厳しくないといいます。スペランツァ大阪の選手は練習の後に、天然温泉の風の湯で汗を流すそうですが、尹さんの話では「温泉に行くと、みんな挨拶をしてくれる」と、嬉しそうでした。

こうしてクルクルは、元の南花台ショッピングセンターの屋上に戻ってきました。

次の予定があるということで、早くもその準備をしていました。同乗取材して感じたことですが、スペランツァの選手がとても丁寧にお客さんのサポートをしていることと、それに感謝の気持ちを持っているお客さんとの関係がとても素晴らしかったです。そしてクルクルが、地域に本当に根付いている存在であることも改めて認識しました。

このような試みが続けば、地域の人がスペランツァ大阪の選手を身近に感じられ、ファンになって試合で活躍する姿を見たいと思うことはほぼ間違いないでしょう。南花台にサッカースタジアムができてからの地域の盛り上がりが凄いことになるのではと予想しました。

南花台ショッピングセンター(コノミヤ南花台店)

住所:大阪府河内長野市南花台3丁目6-1
アクセス:南海・近鉄河内長野駅、南海三日市町駅からバス 南花台3丁目南バス停下車徒歩1分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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