「目が細くなるぞ!!」発言に激怒。独、米国に続き、ブラジルでも“嫌韓トラブル”発生のなぜ?
韓国とブラジルのネットユーザーが激しく対立しているらしい。なんでもブラジルで韓国人が人種差別を受けたというのだ。
事の発端は、韓国アイドルグループ「KARD」がブラジルのテレビ番組に出演したときに起きた。
KARDは男性2人、女性2人の混成グループなのだが、番組内でブラジル人司会者がメンバーたちに、「このなかにメンバー同士で交際している人はいるか」と質問した。
同メンバーたちは「いない」と否定。すると司会者は「恋人のいるメンバーはいるのか」と続けた。その質問にも彼らが「いない」と答えると、観客席から歓声が上がるのだが、その歓声を聞いた司会者が観客に向けてこう投げかけたのだ。
「目が細くなってしまうぞ」
「あなたたちはKARDのメンバーと結婚する気か? 君たちも目が細くなってしまうぞ」
そのとき司会者は、両手で目尻を引っ張る仕草も見せたという。
「目が細い」という表現は、一般的に東洋人を蔑視するニュアンスがあるとされているが、このブラジル人司会者に対して韓国ネット民たちは、「明らかな人種差別だ!!」と憤っているわけだ。
ドイツやアメリカでも起こった事件
振り返れば、同じよな意味合いの事件はドイツで何度か起こっている。
昨年1月、ドイツのスターバックスで韓国人女性が注文したドリンクのプラスチック製カップに、目の細い人を描いて提供したという話が話題になったことがあった。
ドイツでは以前にも、韓国人女性がドイツ人に「目が細い」などと言われて暴行される事件も起こっている。
(参考記事:韓国否定派が65%!! なぜドイツは世界一の“嫌韓国家”なのか)
また、アメリカでは今年2月、“ホワイト・パワー暴行事件”なるものが起きて、韓国のネット上で話題になった。
米ロサンゼルスで暮らす韓国系アメリカ人の老婦人が突然、白人の女に襲われたという事件で、事件を写真付きでフェイスブックに上げた女性によれば、暴行した女は「ホワイト・パワー!!」(白人の力を思い知れ)などと叫んで、韓国系老婦人を衝撃したらしい。
アメリカで嫌韓感情が高まっているという分析もあったが、この事件も韓国では「人種差別が生んだ事件だ!!」との声が多かった。
(参考記事:10人に1人が韓国を「敵国」と見なす理由とは? すれ違うアメリカと韓国の国民感情の実態)
韓国メディアも「人種差別」と報道
そうした流れがあるだけに、今回の件は韓国ネット民だけでなく、韓国メディアも事態を重大にとらえており、「デビューしたばかりのKARD、海外の放送で人種差別される」(『朝鮮日報』)、「新人グループKARD、ブラジルで“人種差別”騒動」(『MBCニュース』)と報じている。
『中央日報』は「韓国・ブラジルの両国ネットユーザー戦争に広がったKARDの記事」と見出しを打って、韓国とブラジルのネット民たちの動向を詳しく報じているほどだ。
日本の大学を解雇されて「民族差別だ」
特定の人種や民族への差別は、間違いなく許されることではない。ただ、「差別だ」と主張する側も、それが言いがかりや難癖にならないよう、冷静に主張・指摘をする必要があるだろう。
例えば今年3月に発覚した、韓国人准教授の広島市立大学懲戒解雇問題だ。「民族差別された」と訴えていたが、彼女はその直前に詐欺の容疑で逮捕されている。
大学側と准教授の意見が食い違っているだけに、真相が明らかになるまで結論付けるのは早計だろうが、「売り言葉に買い言葉」の調子で感情任せの「差別コール」だったなら、看過してはならないだろう。
それに、韓国も自らの社会に目を向ける必要がある。多文化共生を謳いながら実は韓国では外国人に対する偏見が未だに根強いのだ。
それは昨年10月にソウル市がソウル在住の外国人2500人を対象に行ったアンケート調査でも浮き彫りになった。
「ソウルのイメージが悪くなった」と答えた人々の回答理由では、「社会的開放及び抱擁が不十分」(25.5%)と「(外国人を)人格的に無視し、差別する」(20.4%)といった外国人への差別的風潮がほぼ半数に達しているということも判明しているのだ。
(参考記事:「外国人はゴキブリ」…韓国で続々と生まれる恥ずかしき侮辱造語)
そうした韓国の内情を差し置いて、何かにつけて「人種差別だ」と騒ぎ立てるのはフェアではないような気がするが、いずれにしても、韓国から遠く離れたブラジルで起きた今回の騒動。これ以上、感情的な対立にならないことを願うばかりだ。