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韓国で開始3分でチケ完売した人気女優・唐田えりかも参加する今年の釜山国際映画祭

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
今年のカンヌ国際映画祭にも参加した唐田えりか(写真:ロイター/アフロ)

本日10月4日から韓国では「第23回釜山国際映画祭」がいよいよ幕を開ける。その華々しい幕開けを伝える開幕式が行われるのは、釜山の海雲台(ヘウンデ)地区のセンタムシティ(Centum city)にそびえ立つ“映画の殿堂”だ。

センタムシティはここ数年で急激に都市開発が進む新都心で、2002年ワールドカップの組み分け抽選会が行なわれたコンベンションセンター“BEXCO”などもあり、筆者も何度か訪れたことがあるが、立ち並ぶ高層ビル群には圧倒される。

そのセンタムシティの一角にあるのが“映画の殿堂”で、釜山国際映画祭の専用ホールとして有名だ。これまでもこの“映画の殿堂”に敷かれたレッドカーペットの上を、数多くのスターたちが歩んできた。

(参考記事:中山美穂も登場!!歴代の釜山国際映画祭レッドカーペットからピックアップ!! 人気女優による“露出バトル”)

今年もこのレッドカーペット・セレモニーには世界各国のスターたちが登場することだろうが、個人的に注目しているのは今や日本でも人気急上昇中の女優・唐田えりかだ。

濱口竜介監督の『寝ても覚めても』が、今回の釜山国際映画祭の「アジア映画の窓」部門に公式招待されたことで、唐田えりかも釜山国際映画祭・開幕式のレッドカーペットを踏むのだ。

『寝ても覚めても』は第71回カンヌ国際映画祭でもコンペティション部門に出品されており唐田えりかは映画主演デビュー作でカンヌ女優になったが、今度は釜山映画祭でその名を轟かせそうだ。

というのも、『寝ても覚めても』はすでに注目の的。釜山映画祭期間中に3度の上映が決まっているが、予約開始から3分でチケットは全席完売してしまったのだ。

唐田えりかはすでに韓国のテレビCMなどでも活躍しており、彼女の韓国における人気がそのままチケットパワーとして現れたと言える。彼女のように日本ではまだ新鋭でも、韓国では確かなファン層を獲得している日本の芸能人は多いことを示したとも言えるだろう。

(参考記事:「美しすぎる!」とネットで話題に。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち)

もっとも、今回の釜山国際映画祭では唐田えりかや『寝ても覚めても』以外にも、日本から参加する俳優や作品が多い。

前出した「アジアの窓」部門には、有村架純主演の『かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-』(吉田康弘監督)がワールドプレミアとしても出品されるし、柳楽優弥主演の『夜明け』(広瀬奈々子監督)はコンペティション部門である「ニューカレンツ」に出品。ガラ・プレゼンテーション部門には、池松壮亮が主演し蒼井優がヒロインを務める『斬、』(塚本晋也監督)が出品される。

細田守監督のアニメ―ション映画『未来のミライ』や、少女時代のスヨンが主演した日韓共同制作作品『デッドエンドの思い出』などの合作を含めると、実に20を超える日本作品が釜山国際映画祭で上映されるという。

筆者も過去2回、BIFFの現場に、取材や関係者のひとりとしてその盛り上がりを体感したことがあるが、そんな中で日本映画が多く上映され、韓国の映画ファンたちを唸らせるのは痛快でもあるだけに期待も高まるばかりだ。

特に今年は釜山国際映画祭を取り巻く環境も改善の兆しにある。

近年は政治的な理由で釜山市と映画祭組織委員会の関係が悪化し、映画関係者たちのボイコット運動があったりと何かと騒がしかったが、今回は韓国映画監督組合など3団体がボイコットを撤回している。久しぶりに政治的な雑音や組織内の不協和音も聞こえてこない。

(参考記事:韓国の映画関係者が「第21回釜山国際映画祭」に“集団ボイコット宣言”をしたワケ

いずれにしても、今年は全世界79ヵ国から323作品が上映される釜山国際映画祭。映画の出品数や釜山を訪れる映画関係者の数などから今や“アジア最大級の映画祭”と言われる釜山映画祭が大成功に終わることを、映画ファンのひとりとして期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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