知らないと損をする適応障害になりやすい人の共通点とは!?
こんにちは、精神科医しょうです。
適応障害とは、自分の置かれた環境に適応することができず、ストレスから抑うつ気分や不安感に襲われるなどさまざまな症状が起こり、生活に支障がでる病気のことをいいます。
誰もが抱えるストレスですが、環境の変化に適応できる人や同じストレスを抱えていても適応障害を発症しない人もいます。
それでは、どのような特徴を持つ人が適応障害を発症しやすいのでしょうか。
今回の記事では、適応障害になりやすい人の特徴や共通点、よくあるケースについて紹介していきます。
適応障害とは?
仕事や生活を送る上で生じる強いストレスによって、日常生活に支障がでるほどの不安感や抑うつ状態などが現れる病気のことを、適応障害といいます。
誰にでも起こる可能性がある病気で、うつ病になる手前の状態だといわれているため、早めの対処が必要になります。
症状は、憂鬱な気分が続く、不安感が常にある、涙もろくなったり怒りやすくなる、不眠や過眠などさまざまです。
症状が強い場合だと、仕事を続けられなくなったりいつものように家事ができないなどといった、日常生活が正常に送れない状態になる人もいます。
適応障害になりやすい人の共通点と特徴は?
同じストレスがかかっていても、適応障害になる人とならない人がいます。
ストレスの感じ方や対処の仕方は人それぞれで、その個人が持つ特性によって適応障害になりやすいかどうかが分かります。
適応障害になりやすい人は、以下のような共通点や特徴があるといわれています。
・几帳面で何事にも真面目
・他人からの頼みごとを断れない
・完璧主義の傾向があり中途半端が嫌い
・身の回りの変化に敏感で繊細
・ミスをすると重く受け止めてしまい、いつまでも引きずる
・他人にどう思われているのか気にしてしまう
・他人に頼ることが苦手で何でも自分で解決しようとする
・心配性で何度も確認しないと気が済まない
・自分よりも他人を優先することが多い
それぞれが持つ性格が適応障害の要因になる可能性はありますが、上記の特徴に当てはまるからといって、必ずしも適応障害を発症するわけではありません。
強いストレスや何らかの出来事やきっかけによって、誰にでも適応障害を発症する可能性があります。
適応障害になりやすいよくあるケース
仕事について悩みを抱えているケース
適応障害を発症する要因は、本人が置かれている環境にストレスを抱えているケースがほとんどです。
適応障害になりやすいケースの一つとして、「仕事」の問題があります。
仕事での問題は以下のようなものがあります。
・仕事の内容が自分の能力に合っていない
・職場や新しく配属された部署の環境に馴染めない
・仕事量が多く、家に帰っても常に仕事のことを考えてしまう
・責任重大な仕事を任されてプレッシャーを感じている
・上司や同僚との関係がうまくいっていない
・職場の環境に不満を抱えている
・会社の方針と自分の考えが合わない
・パワハラやセクハラをされている
・上司や周りから大きな成果を期待されている
上記のように、仕事に関わる問題やそれによって生じるストレスはたくさんあります。
信頼できる上司や同僚に相談できればいいのですが、実際は誰にも相談できずに一人で問題を抱え込んでしまうケースが多いようです。
責任のある役職についたことで職場で孤立してしまい、大きな悩みを抱えて適応障害を発症してしまうこともあります。
プライベートで悩みを抱えているケース
仕事のほかにも、プライベートや生活面でストレスを抱え、適応障害を発症するケースがあります。
たとえば、家庭でのトラブルや恋愛、学校生活、病気や災害などが適応障害の要因になり得ます。
・家庭に問題がある
・親子関係や夫婦関係がうまくいっていない
・義理の両親や親族とうまく付き合えない
・収入が低く経済的に不安がある
・いじめが起きている
・引っ越しをして環境に馴染めない
・同棲や結婚をして共同生活に適応できない
・失恋や離婚を経験した
・育児での悩みを抱えているが誰にも相談できない
・慢性的な疾患やがんの治療などをしている
・災害によって環境が一変した
上記の例のように、プライベートや生活面で起こるストレスは多岐に渡ります。
誰にでも起こる可能性があるものばかりなので、それまで全く病気をせず健康だった人でもある日突然適応障害を発症してしまうことがあります。
適応障害になったらどう対処すればいい?
ストレスの原因を取り除く
適応障害の治療は、「ストレスになっている原因を探して取り除く」ことが一番の対処法となります。
たとえば、職場の環境が合わなかったりパワハラを受けている場合は部署を変えてもらう、仕事内容が合わない場合は転職を考えるなどといったように、ストレスの元から離れることが大切です。
また、2週間~1ヶ月程度の短期休職をして、その間にカウンセリングを受けたり、自分の考えを整理することもおすすめです。
抑うつ状態や不安な状態が続いていると正常な判断ができず、ストレスを受けたまま無理をしてしまいがちです。
そのような状態を放置していると、他の精神疾患を引き起こしかねません。
まずは、心身を休めてゆっくり自分の考えをまとめる時間を持ちましょう。
カウンセリングや適切な療法を受ける
適応障害には薬物療法のほかに、精神療法や心理療法などが行われます。
薬物療法では、症状に対して薬を服用することになる「対処療法」になるので根本的な原因解決には結び付きません。
そのため、適応障害においてはストレスの原因を軽減させるために環境を調整したり、ストレスの元を取り除くことが一番の治療になります。
病気の不安や症状を和らげ、適切な治療を受けるためにも、まずは精神科などでカウンセリングを受けるようにしましょう。
認知行動療法を受ける
ストレスに対して上手に対応するために、「認知行動療法」というものがあります。
認知行動療法は、気持ちが沈んだり辛くなったりしたときに頭の中に浮かんだ考えと現実がどのように食い違っているのかを検証し、思考のバランスをとることで問題解決を図る方法です。
認知行動療法は適応障害のほか、うつ病や不安障害、心的外傷ストレス障害、不眠症など多くの精神疾患に効果があるといわれています。
適応障害かもしれないと思ったときに病院にかかるタイミングは?
適応障害はうつ病とは違い、ストレスの原因から離れている間は症状が軽くなることがほとんどなので、「休めばそのうち良くなるだろう」と考えてそのまま過ごしてしまう人がとても多いです。
実際、症状が出ている期間が一過性のものでいつの間にか治っていることもありますが、環境に適応することができずに症状が長引き、他の精神疾患を引き起こす恐れがあります。
学校や会社を休むことが多くなったなど、正常な生活を送ることができていない場合は症状を軽視せずに医療機関に相談するようにしましょう。
目安として2週間以上症状が続いている場合は、精神科や心療内科などといった専門の医療機関を受診してください。
まとめ
適応障害になりやすい人は、真面目で几帳面、環境の変化に敏感、自分よりも他人を優先してしまうなどといった特徴を持っている人が多いです。
適応障害は、今いる環境を変えたりストレスの原因になっているものから離れることで改善することが分かっています。
しかし、自分だけで環境を変えることは非常に難しく、症状が長引いて他の精神疾患を併発してしまうケースも多々あります。
周りに相談できる人がいない場合や、日常生活に支障をきたすような症状が2週間程度続いている場合は、早めに精神科や心療内科などの医療機関を受診するようにしましょう。
カウンセリングや薬物療法、認知行動療法など自分に合った適切な治療を受けることで症状は改善されるので、一人で抱え込まずに相談するようにしてくださいね。
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