アメリカに再びハリケーン上陸か 今度は「大西洋史上最強」
スーパーの棚からはペットボトルの水が消え、発電機やベニア板が飛ぶように売れていくー。こんな光景が、フロリダのあちこちで見られています。
というのは、先月下旬ハリケーン・ハービーの直撃を受けたアメリカに、再び強力なハリケーンが上陸する危険性が高まっているためです。週末に上陸が予想されるフロリダ州では、人命を脅かす危険があるとして、早くも「非常事態宣言」が出され、万全な対策をとるよう呼び掛けています。
< ハリケーン・ハービーの被害 >
ハービーは25日にテキサス州南東部に上陸、その後停滞し、1,300ミリを超える記録的な雨をもたらました。結果「千年に一度」と言われる壊滅的な大洪水が起き、死者63名、被害家屋は10万軒以上に及びました。被害総額はアメリカ災害史上最高になると予想されています。
続く、ハリケーン・イルマ
そもそもフロリダは全米で最もハリケーンの上陸数が多い州です。ある意味、嵐には免疫のある場所と言えるのですが、それにもかかわらず、人々が何日も前から警戒を始めている理由は、今回のハリケーン(イルマ)の勢力にあります。
現地時間5日(火)夜時点の中心気圧は916hPa、最大風速83メートルと、ハリケーンのスケールでは最も強い「カテゴリー5(最大風速70メートル超)」にあたります。
気象局によると、イルマは大西洋(メキシコ湾・カリブ海を除く)で発生したハリケーン中で、過去最強ということです。
今後の進路
イルマは勢力を維持したまま西進し、6日(水)にプエルトリコ、7日(木)にドミニカ共和国、8日(金)にキューバに最接近または直撃をする見込みです。国家史上最強のハリケーンとなる可能性もあり、大きな被害が心配されます。
そして10日(日)には進路を北向きに変え、フロリダ半島に上陸する恐れがあります。勢力はやや弱まる可能性があるものの、ハービー以上の強さで上陸することも考えられます。
もしイルマが「カテゴリー4(最大風速59メートル超)」以上の勢力で上陸をすれば、ハービーに続き、一年間で二つの強力なハリケーンがアメリカに上陸することになります。これは全米史上初の事態です。
今後もイルマの動きを注視していきたいと思います。
ハリケーンハンター
アメリカでは、実際にハリケーンの中を飛行機で突っ込んで気象観測を行うという、ワイルドな方法が用いられています。それは多少危険であっても、正確な気象データが入手できるためです。そのハリケーンハンターがとらえた、イルマの雲の様子が投稿されています。
余談ですが、ハリケーンハンターの年収は最高で7万ドル(約770万円)のようです。ちなみにアメリカの平均的な年収は4.4万ドル(480万円)ともいわれていますから、比較的高い仕事と言えるのかもしれません。
※ハリケーン・ハービーの情報を更新しました。