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日本代表・福岡堅樹、恩師の日本協会会長に安心?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
新ジャージィには和柄があしらわれている(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 ラグビー日本代表の福岡堅樹が、高校時代の恩師が日本ラグビー協会(日本協会)の会長となったことへ談話を残している。7月4日、都内であった同代表の新ジャージィ発表会へ出席して語った。

 50メートルを5秒台で走るウイングの福岡は、福岡高校出身。6月29日に日本協会の会長となった森重隆は当時、同校で監督を務めていた。

 この日に設けられた共同取材で福岡は、7月27日開幕のパシフィックネーションズカップ(PNC)から着用しそうなこのジャージィの感触を語り、6月9日~7月17日の間に休みを挟みつつおこなわれた同代表の宮崎合宿についても感想を述べる。宮崎へ表敬訪問した森会長についても問われた。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ジャージィの感触はどうですか。福岡選手の着るバックス仕様の1枚は、相手のタックラーに掴まれにくい工夫が施されているようですが。

「(指の)かかりにくさがある。すごく嬉しいです。(事前のヒアリングは)何度かありました。自分はやはり、掴まれにくさを大事にしている。また動きやすさ。最初(試作段階で)はフィット感こそあったのですが、肩回りの動きにくさがあって…ということは話しました」

――脇の下周辺に伸びやすい素材を使用し、問題を克服しているようです。

「パスの動きの時にそこ(ジャージィ)で制限されると、きれいに通るものも通らなくなる。そういうところも丁寧に作ってもらいました。(新ジャージィは)PNCでも着る機会があると思う。自分のなかでどんな実感を持てるかを知りたいので、試合でもこれを着てやってみたいです」

――改めて、日本代表のジャージィへの思いは。

「日本代表のジャージィを着られるのもあと何回かしかない。1回、1回を大事にしたいです(医学部進学を目指すべく、オリンピック東京大会後の引退を決めている)」

――筑波大学時代に代表デビュー後、このファーストジャージィを着たくても着られない時間も過ごしています。その分、日本代表のジャージィには特別な感情はありませんか。

「特別なものだと思います。さらにワールドカップ前に、日本大会を感じさせてくれる新しいデザインになった。より特別な存在になるのは間違いない。1秒、1秒をかみしめてプレーしたいです」

――宮崎合宿のキャンプが進行中です。第2クールを終えて、感想は。

「色々と新しい試みがあるなか、ハードな合宿になっています。そこ(身体的にタフな状況)で戦いながらの、戦術のトレーニングという感じです。ここからはPNCが近づくなか、その精度を上げていく。新しい導入というより、いままでやってきたことの精度を上げてゆく段階に入ると思うので、しっかりとそこを重視していきたいです」

――大分、きつい練習が多かったみたいです。

「(練習の)回数も多く、本当に疲労との戦いです。それまでリラックスできていた夜にも練習が入ったことで本当にハードでしたし、体力面でいえば4年前(イングランド大会前の厳しい合宿)に匹敵します。身体の疲労も蓄積していると思います」

――「4年前」。イングランド大会前も、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもとタフな事前合宿がありました。その時のきつさといまのきつさでは、種類が違うのでしょうか。

「(前回は)自分にとってはメンタル的なプレッシャーがあった。それに比べたら…」

――改めて、森会長の就任をどう感じますか。

「いい方向に進んでいくと思います。自分自身はそこまで関与をしませんでしたが、協会との問題は選手のなかでも色々とありました。そちらのほうは森さんにすべてをお任せし、自分はできることに集中していきたいです。(母校の監督だった森会長は)見たままというか、大らかで兄貴肌。器の大きな方だと感じています」

 27日のPNC初戦は岩手・釜石鵜住居復興スタジアムでおこなわれる。相手はフィジー代表だ。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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