「使われる方もできるタイプだと思っている」。マリノス天野純は日本代表のデビュー戦で何を感じたのか?
9月11日に大阪の吹田スタジアムで行われた日本代表のコスタリカ戦は前半にC Kから佐々木翔が合わせたヘッドが相手ディフェンスにあたりオウンゴール。後半には遠藤航のラストパスから南野拓実が決め、さらに途中出場の伊東純也が右サイドから相手ディフェンスをかわして鮮やかにミドルシュートを決めた。
攻めては3得点、守っても立ち上がりこそ危険なシーンがあったものの、時間をおうごとに安定感を増して無失点。見事な結果、内容でホームの親善試合ながら森保一新監督が率いる最初の試合として上々の出来だったと言える。特に4−2−3ー1の2列目で先発した中島翔哉、南野(守備時は小林と2トップ)、堂安律の躍動が目立った試合だが、途中から2列目に入った伊東がゴールという結果を出し、後半30分から中島と交代で入った天野純(横浜F・マリノス)も代表デビュー戦ながら、落ち着いたボールさばきやチャンスメークで存在感を示した。
試合前から期待されていたセットプレーはペナルティエリア右手前のFKファウルをもらった堂安が自ら蹴り、得意の左足で直接ゴールを狙う機会は天野に巡って来なかった。ただ、そのシーンについては「ベンチも”天野蹴れ”みたいな感じだったですけど、でも僕が(堂安)律の立場だったら、あれ自分がもらったので絶対蹴りたいと思うし、そこはその気持ちを尊重してという感じですかね」と割り切る。C Kは後半39分に飛び込んだ槙野智章が相手ディフェンスのコンタクトで倒されるもファウルはなく、後半43分には南野に合わせたが絶好のボレーは枠を捉えなかった。また後半41分にも右ワイドからの間接的なFKで走り込む三浦弦太に絶妙のボールを送ったが、惜しくも足に合わずなかった。
「ちょうどあそこに入ったので決めて欲しかったですけど。仕方ないですね」と天野。代名詞ともなっているセットプレーだけではなく、流れの中でも確かなものを示したいと語っていた天野はゴールやアシストといった目に見える結果を出すことはできなかったが、代表チームの中でやれる手応えを得られたこと、そして何より「代表の主力としてやりたいという気持ちが強くなった」ことは27歳にして代表初選出となったMFにとって大きな収穫だろう。
試合を終えた天野に代表デビュー戦の中で感じたことを聞いた。
ーー南野選手が前半から機能していて、そこから天野選手になった時にどういうところを自分なりに出していこうと思いましたか?
やっぱり中盤のスペースがすごい空いていたので、そこでの自分の良さはやっぱりターンして前を向いて、そこから決定的なパスだったりシュートだったりをやっていくことだと思うので、ちょっとそういったところが出せなかったですけど、自分が出たらそういうプレーをしたいなと思っていました。
ーー世間的にはパサーというイメージを持たれがちですけど、マリノスでもやっているように3人目から抜けていくプレーも得意だと思うので、そういった持ち味を出しかけたところもあって、そこでの手応えはどうでしたか?
実はパサーじゃないっていうのは自分自身も思っていて、けっこう使われる方もできるタイプだと思っているので、そこは(南野)拓実と1回、合わなかったですけど、いい関係を築けたところもあったし、そこはまたチャンスをもらえるようにJリーグでやって行きたいです。
ーーディフェンスではすごい勢いで猛烈にキーパーにプレッシャーをかけにいったシーンがあって、あれも天野選手がマリノスでやっている”らしい”プレー”だったと思いますが、それを出していたところは?
あれはもう森保さんが行けと言っていたので、はい。決まりごとをしてきました(笑)。
ーーそういう球際のところでしっかりやるというところは今回の試合である程度手応えがつかめましたか?
そうですね・・・うん。キャンプを通して、しっかり練習からアピールできたと思うので、そう言ったこともあって今日出られたということで、そこはちゃんと手応えを掴んでます。
ーー今回はリオ世代が躍動して、堂安選手みたいなさらに下の世代も出てきている中で、年齢だけで言えば天野選手は若くないけれど、ここのところJリーグで伸びている評価があって呼ばれて、今後も結果を出して行けばという展望は描けていますか?
そうですね。やっぱり今日の雰囲気を感じてやって、代表の主力としてやりたいという気持ちが強くなったので、今まで1つ1つ乗り越えてきたタイプだと思うので、またその目標に向かってあしたからマリノスで頑張りたいです。
ーーそのためにはクラブを浮上させないとですね。
そうですね(笑)。はい、頑張ります。