ジャッジの前に、ヤンキースは「チームで2番目に本塁打が多かった選手」と再契約を交わす
アンソニー・リゾーは、残っていた契約をオプト・アウトし、ニューヨーク・ヤンキースからFAになった。続いて、ヤンキースに申し出られた、クオリファイング・オファーも断った。打ち切ったのは、2年3200万ドル(2022~23年)の2年目に当たる年俸1600万ドル。今オフのクオリファイング・オファーは、1年1965万ドルだ。
だが、来シーズンも、リゾーはヤンキースでプレーする。YESのジャック・カリーとジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、リゾーとヤンキースは、2年4000万ドルで合意に達したという。内訳は、2023年と2024年の年俸1700万ドルずつに、2025年の球団オプション、年俸1700万ドル(解約金600万ドル)だ。リゾーは、少なくとも、1700万ドル+1700万ドル+600万ドル=4000万ドルを手にすることができる。
今オフにヤンキースからFAになった選手のうち、ヤンキースが最も呼び戻したいのは、言うまでもなく、アーロン・ジャッジだろう。とはいえ、リゾーとの再契約も、優先順位は高かったはずだ。今シーズンの32本塁打は、ジャッジのほぼ半数ながら、ヤンキースではジャッジに次ぎ、ジャンカルロ・スタントンより1本多かった。左打者では、リゾーがチーム最多だ。
シカゴ・カブス時代の2014~17年に、4シーズン続けて30本塁打以上を記録した後は、30本未満のシーズンが続いていた。現時点で33歳の年齢からすると、30本塁打以上は今シーズンが最後となる可能性もある。ただ、ヤンキー・スタジアムは、左打者のホームランが出やすい球場だ。今シーズン、リゾーはヤンキー・スタジアムで19本のホームランを打った。アウェーの16.4打数/本に対し、ヤンキー・スタジアムでは13.3打数/本のペースだ。
リゾーがクオリファイング・オファーを受け入れていれば、ヤンキースにとってはベストだったと思われるが、再契約の年平均額は2000万ドルだ。クオリファイング・オファーとほとんど変わらない。契約2年目はともかく、来シーズンに関しては、ヤンキースの描いたシナリオどおりと言っていいのではないだろうか。2年契約なので、衰えが顕在化するリスクは少ない。また、今シーズンのスタッツが示すとおり、ヤンキースの選手として、リゾーはすでに実績を残している。
今オフのFA市場に出ている、リゾーより若い一塁手のうち、ジョシュ・ベル、ミゲル・サノー、トレイ・マンシーニは、過去にシーズン30本塁打以上を記録したことがある。だが、今シーズンのホームランは、3人とも20本に届いていない。ちなみに、ベルはスイッチ・ヒッター、サノーとマンシーニは右打者だ。