ノルウェーの人気ドラマ『SKAM』がオスロ大学の授業科目に
ノルウェー国営放送局NRKが15才向けに低予算で制作したネットドラマ『SKAM』。ストーリーがネットでほぼ毎日更新され、ソーシャルメディアを活用するなど、これまでのテレビの視聴方法にイノベーションを起こしていると話題だ。国際的にも注目を浴び、北欧各国で放送権が取得され、米国ではリメイクが予定されている。
オスロ大学メディア・コミュニケーション科では、大学・大学院科目として、今年の秋学期より『SKAM』を正式科目として導入することを発表。
筆者は同学科の卒業生だが、ここではテレビや新聞などのメディアがデジタル化によりどう発展するかを研究し、学生が新しいビジネスモデルを考えることに力を入れている。ネットドラマがなぜここまで大きなヒットとなったのか、国内ドラマが大学の科目となるという異例のケースともいえる。
講師となるグリー・セシリエ・ルスタッド氏に電話でインタビューをした。ドラマが研究対象になることは同学科ではこれまでもあったが、複数のドラマが教材となっており、今回のように1学期にひとつのドラマのみを勉強するというのは、恐らく初だという。
大学側からの提案で、『SKAM』が科目となることが決定した。「おそらく非常に興味深い授業となると思います。試験を受けない学生も自由に講義には参加可能とする予定」と話す。
同氏は現地の大学新聞Uniformに対して、伝統的なメディアでは白人、異性愛者、中級階級の中年男性ばかりが目立っていたが、ネットではこれまで注目されなかった層のテーマを取り上げることができるとも語る。
授業の言語はノルウェー語でおこなわれ、科目名は「デジタルストーリー」となる予定。秋学期の講堂は恐らく満席になっているのではないだろうか。
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Text:Asaki Abumi