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秘密の隠し絵いくつ見つけた?!絵本の読み聞かせ10年!1000冊の絵本を集めた我が家で大人気の絵本!

高木美紀絵本の蔵書1000冊

 我が家は母である私の趣味で絵本や児童書が溢れており、10年間で我が家にやってきた絵本たちは1000冊を超え、気が付けば我が家は絵本屋敷と化していました。

 そんな絵本を愛してやまない私がおすすめしたいのが、林明子さんの絵本です。林明子さんの絵本の魅力は、まず女の子を描かせたら日本一と言われるほどの絵の力。表情や仕草が子供の瑞々しさや愛らしさをそのまま切りとったようで、まるで我が子を見ているように、林さんの描く絵本の子供が愛しくなってしまうのです。

 そして、林明子さんの絵本と言えば何といっても隠し絵です。林明子さんの別の絵本の登場人物が隠れていたり、ときにはなぜかチャップリンや不思議な国のアリスが隠れていたり、実は作者本人まで登場していたりもします。ドキドキワクワクするような秘密の絵がたくさん隠されているのです。

 林明子さんの絵本は、ストーリーや絵も魅力的でどれも記憶に残る素晴らしい作品ですが、本来の絵本の楽しみ方とは違う楽しみ方ができることも、林明子さんの絵本の魅力の一つです。

 今回は、私の大好きな林明子さんの絵本の中から、隠し絵が楽しい絵本をご紹介いたします。林明子ワールドをぜひご堪能下さい!

『こんとあき』

作: 林 明子 出版社: 福音館書店

『こんとあき』作: 林 明子 出版社: 福音館書店
『こんとあき』作: 林 明子 出版社: 福音館書店

 きつねのぬいぐるみ「こん」は、あきのお婆ちゃんの家からやってきました。あきが生まれてからずっとあきの成長を見守り、こんとあきはずっと仲良しのお友だちです。しかしある日、こんの腕がほころびてしまい、砂丘町に住むおばちゃんになおしてもらうことになりました。そんな小さな二人の楽しくて少しドキドキする旅の様子が描かれています。

 実はこのこんとあきの2人ドキドキの旅の中に、よく探してみると素敵なお客様たちがたくさん隠れているのです。表紙がすでにワクワクします。『不思議の国のアリス』のアリスに、『タンタンの冒険』シリーズのタンタン、そしてどういうわけか、チャップリンまでいるのです。そして、林明子さんの別作品の登場人物もたくさん隠れています。『はじめてのキャンプ』に登場するなほちゃん、そして、こんとあきの後ろでニコニコ笑っているおじいちゃんおばあちゃんは、『ズボンのクリスマス』に登場するおじいちゃん、おばあちゃんのようです。実はまだまだいます!

 電車の中のページもとても楽しいです。絵本ファンにはたまらなく嬉しいのが、ブリッグスの『サンタのなつやすみ』のサンタクロースさんやビクトリクス・ポターの『ピーターラビット』のシリーズに出てくるマグレガーさんまでいます。そしてなんと、車内で座っている女性は、作者の林明子さんご本人と噂されています。「NAHO」と書かれた腕輪をしているようです。

まだまだ、素敵な隠し絵があるのでぜひ探してみてくださいね!もちろん本来の「こんとあき」のストーリーも、二人の旅を我が子を見ているようにドキドキ見守りながら、温かな気持ちになる素敵な物語なのでぜひ楽しんでください!

『はじめてのおつかい』

作:筒井 頼子 絵:林 明子 出版社:福音館書店

 林明子さんの作品の中でも長年愛されてきた代表的な絵本なので、パパママ世代もお馴染みですよね。私も幼い頃に読んでいて、とても記憶に残っている絵本でもあります。恥ずかしくて大きな声が出せない気持ちとか、緊張してドキドキして不安になったり、転んで擦りむいた膝の痛みとか、まるで自分が絵本の中に入り込んで主人公のみいちゃんになって同じ経験をしたような気持ちになっていました。

 本来のストーリーとしても忘れらない素敵な絵本ですが、もちろん隠し絵も巧妙に様々なところに隠されていて、読むたびにまだ気が付いていないところがあるかもしれないなんて、大人でもワクワクしてしまうのです。

 みいちゃんの家のポストには「尾藤三」と書かれていますが、これは「おとうさん」と読むことができますが、おそらく絵本の中には登場していないお父さんのことだと想像できます。町の中を見てみると、鳥かごから逃げ出したインコを探す男性がいますが、逃げ出したインコもちゃんといます。町の掲示板には、猫を探す張り紙が貼られていますが、その猫も実は探せばちゃんと見つかります。この掲示板はよく見ると気になるワードが色々と隠されるのでぜひ見つけてみてください。

 町の中ではみいちゃんのお買い物だけではなく、実は色々なことが巻き起こっていて、それが繊細に描かれているのが、町がとても生き生きとしていてとても面白いのです。初めて読んだ子供時代には、みいちゃんと同じ気持ちになって読んでいましたが、母となった今は娘を見ているようで、また違ったドキドキ感で読めることも感慨深い作品です。

『とんことり』

作:筒井 頼子 絵:林 明子 出版社:福音館書店

『とんことり』作:筒井 頼子  絵:林 明子  出版社:福音館書店
『とんことり』作:筒井 頼子 絵:林 明子 出版社:福音館書店

 まるで謎解きをするような作りの絵本になっています。新しい場所に引っ越してきたばかりのかなえの不安と緊張が、表情から伝わってきます。お母さんは引っ越しの荷解きで忙しくて、かなえは淋しそうに一人で遊んでいます。そんなときに「とん ことり」という音とともに、次々に贈り物が届けられます。一体、誰なのでしょうか。実は贈り物を届けてくれた女の子は、最初のページから登場しています。一度読み終えた後、最初のページから読み返してみると、所々にその女の子が登場しているのです。お子様と一緒に探してみてくださいね。

私はこの絵本の後半のかなえと女の子が自転車に乗って遊んでいるページが大好きなのですが、このページに描かれている野原には、すみれやたんぽぽが咲いていて、そこで摘んだ花を女の子はかなえに届けてくれていたということが、ここでわかるのです。絵本の前半の不安いっぱいのかなえの表情が、後半に女の子と一緒に遊んでいるページで愛らしい笑顔に変わっていますが、この笑顔に涙が出てしまいます。裏表紙では、女の子がくれた折り紙の人形も描かれていて、何度でも読み返したくなる絵本です。

宝探しのように素敵な絵本探しを楽しんでくださいね!

 お子様に良い絵本をあたえてあげたいと願うお父様やお母様たちの気持ちは、それだけでもきっとお子様にとって素敵なことだと思います。そんな気持ちで選んでくれた絵本は、きっと大人になっても心にずっと残っていると思います。

 絵本には、読み終えた後に元気をくれたり、勇気をくれたり、悲しいときにも、もう一度立ち上がる力を与えてくれるような素晴らしい作品がたくさんあって、そんな絵本と出会いはお子様にとってかけがえのない財産になると思います。お子様にとって、宝物になるような素敵な作品と出会えることを心から願っています。

高木美紀

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絵本の蔵書1000冊

元塾講師の2児の母。絵本、児童書の記事を執筆しております。絵本と児童書が大好きで、気が付けば蔵書量1000冊「日本一、本が好きな子供を育てる」を目標に子育てしてきました。そんな我が家の1000冊の絵本の中から、おすすめの絵本をご紹介します。

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