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「今やらないと日韓共に後悔」…韓国・元徴用工側が問題解決に向け協議体提案

徐台教ソウル在住ジャーナリスト。『コリア・フォーカス』編集長
6日、ソウル市内で記者会見を開いた訴訟代理人弁護士と市民団体関係者。筆者撮影。

2018年10月の韓国・大法院(最高裁判所)の判決以降、日韓関係悪化の大きな要因となっている元徴用工問題。宙ぶらりんになっている中、日韓の市民団体が解決に向けた方案を示した。

●被害者中心のアプローチを

6日午後、ソウル市内の「民主化のための弁護士会(民弁)」で強制動員被害者訴訟の代理人を務める韓国の弁護士たちや市民団体が集まり、記者会見を行った。

会見の内容は「強制動員問題の真の解決に向けた協議を呼びかける」というもの。争点や今後の見通しを伝える前に、まずはこの日、発表された内容を整理する。呼びかけ文の全文は記事の最後にはあるので、ご参照されたい。

なおこの日、日本の弁護士と市民団体側も同様の内容を発表する会見を行った。そちらについては日本国内で出ている記事をご覧いただきたい。

呼びかけ文ではまず「日韓請求権協定によっても個人賠償請求権は消滅しておらず,未解決とされている強制動員問題の解決構想が検討されることは望ましい」と前提を提示した。

さらに、「強制動員問題には,労務強制動員問題(いわゆる徴用工問題)の他に,軍人・軍属として強制動員された被害者の権利救済の問題(軍人・軍属問題)も含まれる」とし、「総合的な問題解決案とともに現実的な条件を考慮した段階的解決策を検討すべき」と続けた。

呼びかけ文では特に、この中でも「労務強制動員問題の解決」について言及。「いかなる国家間合意も、被害者が受け入れられるものでなければならない」とし、「国際社会の人権保障水準に即したものでなければ真の解決とはいえない」という被害者中心のアプローチを強調した。

この日は「日韓共同行動」と名付けられ、6日、東京都内でも記者会見が行われた。写真は日本側会見団提供。
この日は「日韓共同行動」と名付けられ、6日、東京都内でも記者会見が行われた。写真は日本側会見団提供。

●「本質は人権問題」

次に、解決方法における原則について、以下の三つを提示した。

(1)加害者が事実を認めて謝罪すること

(2)謝罪の証として賠償すること

(3)事実と教訓が次の世代に継承されること

そして、「労務強制動員問題の本質が人権問題である以上、問題解決の出発点に置かれるべきは、人権侵害事実の認定だ。人権侵害の事実が認められることで、初めて被害者の救済の必要性が導かれる」と、問題の争点を突きつけた。

また、日韓両政府の責任も指摘した。

日本については「労務強制動員問題の解決の出発点は,人権侵害の事実を認めることだ。それは日本政府及び日本企業しかできないことであり、そのことが日本国及び日本の加害企業の果たすべき重要な役割」とした。

韓国政府については「日韓請求権協定において強制動員問題をまともに解決できず、その後も被害者の権利救済をなおざりにしてきた道義的責任がある。強制動員被害者問題を全体的に解決するためには、韓国政府も自らの責任と役割を果たすべき」と追及した。

韓国側の企業についての言及もあった。

請求権協定により企業の基盤が作られ発展してきた韓国のいわゆる「受恵企業」に対し、「過去の歴史に誠実に向き合い、歴史的責任を自覚し、自発的にこの問題の解決に関与することは解決のための正しい態度だ」とした。

一方、法的問題については従来の主張を繰り返した。

「韓国人労務強制動員問題について、日本の裁判所も人権侵害の事実を認めており、救済の必要性が認められる」とし、「日韓請求権協定第2条において『請求権の問題』が『完全かつ最終的に解決した』ということの意味については,国家の外交的保護権を解決したのであり,個人賠償請求権は消滅していないというのが日本政府や日本の最高裁判所の判断だ」と指摘。

さらに「加害企業は任意かつ自発的に補償金を支払うなどの責任ある行動をすべきで、日本の政府や裁判所の見解に照らしても,日韓請求権協定は、労務強制動員問題を解決するにあたり法的障害にはならない」と続けた。

そしてこれらの前提を踏まえた上で、「日韓両国間で、強制動員問題全体の解決構想を検討するための共同の協議体を創設すること」を提案した。

この協議体は具体的に「強制動員被害者の代理人弁護士や支援者、日韓両国の弁護士・学者・経済界関係者・政界関係者など」から構成され、「強制動員問題全体の解決構想を一定の期間内に提案することを目的とする」とのことだ。

また日韓両国政府については「この協議体の活動を支援し協議案を尊重しなければならない」と、その地位を求めた。

右から二人目が、李尚甲(イ・サンガプ)弁護士。6日、筆者撮影。
右から二人目が、李尚甲(イ・サンガプ)弁護士。6日、筆者撮影。

●代理人弁護団が明かした「原則」

この日の会見では、呼びかけ文が生まれた背景や、その意味について詳細な説明があった。この部分が重要だ。

まず、勤労挺身隊動員女性の裁判に長く関わってきた李尚甲(イ・サンガプ)弁護士は、今回の呼びかけ案について「日韓社会双方で共感を得られ、日韓双方で検討するに値する案を作るために、昨年5月から日韓の関係者の双方で議論を始めてきた」と背景を明かした。

さらに議論の土台として以下の三点を示した。

(1)1965年の日韓請求権協定自体を尊重すること。

(2)日韓請求権協定と関する日韓両政府の長期間にわたる法的な解釈を重視すること。

(3)日韓司法府の判断のうち、共通した部分を参考にすること。

この内(2)について、「日本政府の法的な意味は、長い間『政府の外交的保護権だけが消滅したもので、被害者の実体的な権利は残っており、請求権協定に影響を受けない』というものだった。この立場を議論の土台にしている」とした。

その上で、「日本政府はこの解釈を立場を変更するのかしないのか、変更したならばそれを正当化する根拠は何か、請求権協定に対する公式的な立場についてもう一度問いたい」と指摘した。

(3)については、二つのポイントを挙げた。

一つ目は「日帝強占期(植民地時代)に韓国人被害者が日本の様々な企業で労働した行為は、強制連行・強制労働であり不法行為に該当する。不法行為に対する損害賠償責任は発生した」というものだ。

二つ目は「被害者個々人が、裁判によって自己の権利を実現する道が残っているのかいないのかの解釈は日韓で異なる。だが、日韓に共通する部分として『権利自体は残っている。従って、日本企業が自発的に責任を履行する部分は残っている』という部分がある」と指摘した。

李弁護士はまた、「日韓ともに法治国家だ。日本は少なくとも自国の裁判所の判断は尊重するだろう。共通する部分を基に解決策を作る案に同意してもらえるのでは」との見方を示した。

あくまで「共通項」を土台に「共通した部分と矛盾しない解決策を作る」という立場だ。

さらに、「日本の良識ある多くの人々が今日の内容を土台に、解決策を作るための共感を日本社会で築くことに参加してほしい。韓国内でも解決方法についての異見を解消する役割ができればよい」と期待を込めた。

その上で「できるだけ早く協議体が作られるように努力する」と意気込みを述べた。

ソウルの龍山駅前に立つ「強制徴用労働者像」。筆者撮影。
ソウルの龍山駅前に立つ「強制徴用労働者像」。筆者撮影。

●現状と見通し…日本政府の非協力への指摘も

続く質疑応答の部分では、記者たちからいくつも質問が飛んだ。主な争点をまとめる。

まず、「協議体ができる場合に現金化を止めるのか」という質問があった。被告企業の財産の現金化については、「日韓関係悪化の決定的なトリガーになる」と言われている。

これについてやはり訴訟代理人を務める林宰成(イム・ジェソン)弁護士は「協議体ができても、被害者(債権者)たちの個別的同意を得ない限りどうにもできない」としつつも、「日韓政府が肯定的な立場を見せる場合、特定の期間に限って意志を打診することもあり得る」と含みを持たせた。

次に「協議体には加害企業が必ず入るのか、協議体ができる場合、日本側の謝罪の部分で譲歩する可能性はあるのか」という質問があった。

前出の林弁護士はこれに対し、「私達の案の最も核心的な部分は『加害問題に責任がある日本政府と日本企業、特に強制動員問題に責任を持っている日本企業の謝罪と事実認定が原則だ』というものだ。協議体の構成にかかわらず、この部分が議論の主要な対象となるしかない」と明かした。

また、民族問題研究所の金英丸(キム・ヨンファン)対外協力室長は協議体の参加者について、「特定の対象を考えているわけではない。経団連など経済界にも幅広い参加を望む」とした。

裁判の現状への質問も飛んだ。これに対し弁護士側は「ソウルでは23件30名が、光州では9件54名が訴訟に参加している」とし、「大法院では6件が審議中だ」と答えた。

また、この過程で李弁護士は「ハーグ送達条約に則り書類を日本側に発送しているのにもかかわらず、これが返送されてくる」と、強制動員裁判における日本政府の非協力な姿勢を指摘した。これにより「被告企業が裁判に参加する機会をはく奪されている」とも述べた。

「協議体の呼びかけの返事をいつまで待つつもりか」という問いに李弁護士は、「いつまでと時限を決めて答えられない。日韓で努力をしながら判断をする。(現金化に向けた)強制執行手続きが続いている上に、被害者の年齢のこともあり、漠然と長く待てる訳でもない」と答えた。

なお、韓国政府との間の協議は「今はまだない」とのことだ。

マイクを持つのが、徴用工裁判の訴訟代理人を務める林宰成(イム・ジェソン)弁護士。筆者撮影。
マイクを持つのが、徴用工裁判の訴訟代理人を務める林宰成(イム・ジェソン)弁護士。筆者撮影。

●大切なのは解決への意志

会見の最後に、林弁護士はこの日の呼びかけ文について「今回の案の特徴は、日韓の被害者支援団体と訴訟代理人たちが協力して作ったというところにある。日韓社会の温度差もあり、案を作るのは難しかった」と、その意義を再び強調した。

さらに、「日本政府が言うような1965年の請求権協定とも矛盾しない。請求権協定のどこにも『事実認定と謝罪をしたり、してはいけない』という内容はない」とした上で、「原則的な責任は日本側にあるものの、外交的保護権を活発に行使しなかった韓国政府の責任や、受恵企業の責任にも被害者が初めて言及した点に注目してほしい」と訴えた。

また、「解決の手続きにおいて被害者を除外したまま行う政府間の合意に問題があることは、2015年の慰安婦合意で分かった。被害者の参加が重要だ。最初からオープンな場を設けて解決していってはどうかという、合理的な立場だ」との見解を述べた。

一方、李弁護士は「この問題は放置したら今よりも大変なものになる」と、解決に向けた動きを取ることを熱を込めて主張した。

李弁護士はまた、「強制執行がいつになるかは分からないが、手続きが進んでいる。そうなると(現金化すると)日韓政府の関係も難しい状況になるし、日韓の国民の信頼も悪化する。放置したらより困難になるのは明白」と語った。

さらに、「解決策については協議体の席で様々に議論できる。これから6か月の間に努力をし突破口を作らないと、日韓共に後悔することになるだろう。解決の努力をする必要が韓国にも日本にもある」と切迫感と共に述べた。

この日、日韓で会見を持った理由について前出の金室長は「色々な議論がある中、被害者側から(解決の)原則をはっきりさせると同時に、問題解決のための糸口を作ることを日本社会に呼びかけたかった」と明かしてくれた。

そして最後にこう付け加えた。「安倍首相が『国際法違反だ』と言えばそれで終わりなのか。日本の市民もこの問題について考えてほしい」。

記者会見場には多くのメディアが詰めかけた。特に、日本メディアはほぼ全ての新聞・テレビ局が訪れて活発に質問を行った。筆者撮影。
記者会見場には多くのメディアが詰めかけた。特に、日本メディアはほぼ全ての新聞・テレビ局が訪れて活発に質問を行った。筆者撮影。

●呼びかけ全文(市民団体側の資料を引用)

強制動員問題の真の解決に向けた協議を呼びかけます。

1 現在、強制動員問題に関して、韓国国会議長が提案した法案などさまざまな解決構想が報じられています。日韓請求権協定によっても個人賠償請求権は消滅しておらず、未解決とされている強制動員問題の解決構想が検討されることは望ましいことです。しかし、報じられている解決構想の多くが真の解決になり得るのか疑問です。  

2 まず確認しておきたいことは、強制動員問題には、労務強制動員問題(いわゆる徴用工問題)の他に、軍人・軍属として強制動員された被害者の権利救済の問題(軍人・軍属問題)も含まれるということです。

強制動員問題全体を最終的に解決するためには,軍人・軍属問題も含めて解決構想が検討されなければなりません。したがって、総合的な問題解決案とともに現実的な条件を考慮した段階的解決策を検討すべきです。

3 労務強制動員問題の解決についてですが,労務強制動員問題の本質は,被害者個人の人権問題です。したがって,いかなる国家間合意も、被害者が受け入れられるものでなければなりません。また、国際社会の人権保障水準に即したものでなければ真の解決とはいえません(被害者中心アプローチ)。

被害者が受け入れられるようにするためには,労務強制動員問題の解決構想の検討過程に被害者の代理人などが主体のひとつとして参加するなど、被害者の意向が反映できる機会が保障されなければなりません。

また,強制連行・強制労働は重大な人権侵害として違法であり,その被害者に対しては、原状回復や賠償など効果的な救済がなされなければならないと国際社会は求めています。

4 それでは何をもって労務強制動員問題の真の解決といえるのでしょうか。

(1) 真の解決といえるためには、1: 加害者が事実を認めて謝罪すること、2: 謝罪の証として賠償すること、3: 事実と教訓が次の世代に継承されるということが充たされなければなりません。

(2) このような事項は、日本と韓国における長年にわたる訴訟活動などを通じて被害者及び支援者らが求めてきたものです。ドイツにおける強制連行・強制労働問題を解決した「記憶・責任・未来」基金や、中国人強制連行・強制労働問題の解決例である花岡基金,西松基金及び三菱マテリアル基金においても、基本的に踏まえられているものです。

特に、労務強制動員問題の本質が人権問題である以上、問題解決の出発点に置かれるべきは、人権侵害事実の認定です。人権侵害の事実が認められることで,初めて被害者の救済の必要性が導かれるからです。

(3) この点、注目すべきは,韓国大法院判決の原告らが韓国での裁判の前に日本で提訴した裁判における日本の裁判所の判断とそれに対する評価です。日本の裁判所は結論としては原告を敗訴させましたが、原告らの被害が強制連行や強制労働に該当し違法であると認めています。

この日韓両国の裁判所がともに認定した人権侵害の事実を、日本政府や日本企業が認めて謝罪をすることが,この問題解決の出発点に位置づけられなければなりません。

5 真の解決を実現するために,誰が,何をすべきなのでしょうか。

(1) 労務強制動員被害者らは,国家総動員体制の下,日本政府が政策として企画した労務動員計画(1939年~1945年)に基づき動員され,日本の加害企業が連行に関与し,炭鉱や工場などで働かされました。したがって,労務強制動員問題に対して第一次的法的責任を負うのは日本国及び日本の加害企業であるといえます。

労務強制動員問題の解決の出発点は,人権侵害の事実を認めることですが,それは日本政府及び日本企業しかできないことであり,そのことが日本国及び日本の加害企業の果たすべき重要な役割といえます。

さらに、今日、国際連合は、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」や「グローバル・コンパクト」という取り組みを通じて、人権分野においても企業が責任あるリーダーシップを発揮することを期待しています。韓国大法院確定判決の被告企業である日本製鉄や三菱重工にもその役割を果たす責任があるといえます。これらの加害企業が現在及び将来において人権分野で責任あるリーダーシップを発揮するためには,過去自ら行った人権侵害の事実に誠実に向き合い,その問題を解決することは不可欠であるといえます。

(2) 韓国政府は、日韓請求権協定において強制動員問題をまともに解決できず,その後も被害者の権利救済をなおざりにしてきた道義的責任があります。強制動員被害者問題を全体的に解決するためには,韓国政府も自らの責任と役割を果たすべきです。

(3) 韓国の企業の中には、日韓請求権協定第1条に基づく「経済協力」により企業の基盤が形成されその後発展してきた企業(受恵企業)があります。受恵企業が過去の歴史に誠実に向き合い、歴史的責任を自覚し,自発的にこの問題の解決に関与することは解決のための正しい態度であるといえます。

(4) 以上のとおり,労務強制動員問題を始めとする強制動員問題について日韓両国政府、日本の加害企業及び韓国の受恵企業は、この問題解決のために果すべき責任と役割があります。

6 真の解決を実現することは可能でしょうか。

解決の可能性を検討するにあたり参考になるのは,中国人強制連行・強制労働問題の解決例である花岡基金,西松基金及び三菱マテリアル基金による解決についてです。

ここでは、被害者と加害企業との「和解」により、加害企業が自らの加害と被害の事実と責任を認め、その証として資金を拠出して基金を創設しました。そして、その基金事業として、被害者への補償と慰霊碑の建立、慰霊行事通じて記憶・追悼事業を行い,また行おうとしています。

この事業に日本政府や中国政府は直接には関与していません。加害事実を認めたのも,残念ながら日本の加害企業のみであり、日本政府は認めてはいません。それは今後の課題として残されています。しかし、このような「和解」を通じて日中両国の被害者、支援者、日本企業などの間で相互理解と信頼が育まれてきています。

日本の最高裁判所は、中国人強制連行・強制労働事件に関する判決の付言の中で被害者を救済すべき必要性を指摘しました。また,日中共同声明により裁判上訴求する権能は失われたが、個人賠償請求権は消滅していないとの解釈を示すことで、加害企業が被害者に任意かつ自発的に補償金を支払うことが法的に許されることを示しました。

韓国人労務強制動員問題についても、日本の裁判所も人権侵害の事実を認めており、救済の必要性が認められるといえます。そして、日韓請求権協定第2条において「請求権の問題」が「完全かつ最終的に解決した」ということの意味については,国家の外交的保護権を解決したのであり,個人賠償請求権は消滅していないというのが日本政府や日本の最高裁判所の判断です。

加害企業は任意かつ自発的に補償金を支払うなどの責任ある行動をすべきですし,日本の政府や裁判所の見解に照らしても,日韓請求権協定は,労務強制動員問題を解決するにあたり法的障害にはならないといえます。

したがって,少なくとも日本政府が事実に真摯に向き合い,日本の司法府の判断を尊重して問題解決に努力する姿勢を示し,日本の加害企業が解決しようとすることを日本政府が妨害しなければ,解決することは十分に可能といえます。

7 私たちは,労務強制動員問題の真の解決のためには,これまで述べてきたことを踏まえて,関係者間での協議が行われることが望ましいと考えています。

そのために,日韓両国間で,強制動員問題全体の解決構想を検討するための共同の協議体を創設することを提案します。

この協議体は,強制動員被害者の代理人弁護士や支援者,日韓両国の弁護士・学者・経済界関係者・政界関係者などから構成され,強制動員問題全体の解決構想を一定の期間内に提案することを目的とします。日韓両国政府は,この協議体の活動を支援し協議案を尊重しなければなりません。

私たちは,このような努力が日韓間の厳しい対立を解消するためのひとつの方法であり強制動員問題の解決に向けた途であると考え、日韓共同の協議体の創設を強く強く呼びかけます。

2020年1月6日

強制動員問題の正しい解決を望む韓日関係者一同

(韓国)

○強制動員被害者訴訟代理人

弁護士 金   世 恩

弁護士 金   正 熙

弁護士 李   尚 甲

弁護士 林   宰 成

弁護士 崔   鳳 泰

弁護士 クォン・ソヨン

弁護士 キム・ミナ

弁護士 キム・サンフン

弁護士 キム・ソンジュ

弁護士 キム・スジ

弁護士 キム・ジョンホ

弁護士 リュ・リ

弁護士 パク・インドン

弁護士 パク・インスク

弁護士 ソ・ボゴン

弁護士 ソ・ビョンソン

弁護士 ソン・ウチョル

弁護士 イ・グァンウォン

弁護士 イ・ドンジュン

弁護士 イ・サンヒ

弁護士 イ・ソンスク

弁護士 イ・ソア

弁護士 イ・ヨンウ

弁護士 イ・チェヨル

弁護士 イ・ヒョンジュン

弁護士 チャン・ウンベク

弁護士 チャン・ヒョイン

弁護士 チョン・ミンギュ

弁護士 チョン・ボムジン

弁護士 チョン・ダウン

弁護士 チョン・インギ

弁護士 チェ・モク

弁護士 チェ・ヨングン

弁護士 チェ・ジョンヒ

○強制動員被害者訴訟支援団

・勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会

・民族問題研究所

・太平洋戦争被害者補償推進協議会

(日本)

弁護士 青 木 有 加

弁護士 足 立 修 一

弁護士 岩 月 浩 二

弁護士 内 田 雅 敏

弁護士 大 森 典 子

弁護士 川 上 詩 朗

弁護士 在 間 秀 和

弁護士 張   界 満

弁護士 宮 下 萌

弁護士 山 本 晴 太

・名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会

・韓国の原爆被害者を救援する市民の会長崎

・朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動

・広島の強制連行を調査する会

・日本製鉄元徴用工裁判を支援する会

・過去と現在を考えるネットワーク北海道

・川崎から日本軍『慰安婦』問題解決を求める市民の会

ソウル在住ジャーナリスト。『コリア・フォーカス』編集長

群馬県生まれの在日コリアン3世。1999年からソウルに住み人権NGO代表や日本メディアの記者として朝鮮半島問題に関わる。2015年韓国に「永住帰国」すると同時に独立。16年10月から半年以上「ろうそくデモ」と朴槿恵大統領弾劾に伴う大統領選挙を密着取材。17年5月に韓国政治、南北関係など朝鮮半島情勢を扱う『コリアン・ポリティクス』を創刊。20年2月に朝鮮半島と日本の社会問題を解決するメディア『ニュースタンス』への転換を経て、23年9月から再び朝鮮半島情勢に焦点を当てる『コリア・フォーカス』にリニューアル。ソウル外国人特派員協会(SFCC)正会員。22年「第7回鶴峰賞言論部門優秀賞」受賞。

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