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「推定有罪」のスタンスで解任したハビエル・アギーレ元日本代表監督にもう一度オファーを!

杉山茂樹スポーツライター
ハビエル・アギーレ(対バルサ)  (写真:なかしまだいすけ/アフロ)

 ザッケローニにもハリルホジッチにも、さらに言えば、ジーコにもトルシエにも、もう一度、日本代表監督の座に就いて欲しいとは思わない。岡田さん、西野さんにも同じことが言える。

 実際。惜しまれつつ退任したというより、辞めるべきタイミングで退任したという印象だ。賞味期限が切れるタイミングが、退任のタイミングと、概ね一致していた。それは裏を返せば、監督探しが上手く行かなかった証拠だ。満足度の高い監督を招くことができなかったことを意味する。

 病に倒れたオシムを除けば、例外はただ1人。ハビエル・アギーレだ。もちろん個人的な見解になるが、この監督に関しては、他の監督のように限界を見せられた気にはならなかった。可能性を感じさせる、満足度の高い采配をしていながら退任に追い込まれた。

 サラゴサ監督時代、レバンテ戦で、八百長事件に関与したとの嫌疑を掛けられバレンシアの裁判所に訴追されたことが、その退任の引き金になった。日本サッカー協会はこれに否応なく反応。就任から約半年で契約を解消した。イメージを気にするスポンサー側からクレームが付いたのか、判決が出ていないうちから「疑わしきは罰せず」の精神に抗う判断を下した。推定無罪ならぬ推定有罪。判決が出る前から疑い、職を解くという人道的に疑問が残る行為に出た。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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