【英会話】Of course を使ったら首を傾げられた。なんで?
仕事で20年ほど英語を話していますが、英語を話していて思うのは、相手が自分と同じような知識を持ってないことを前提にして話すべき言語だなということです。
たとえば、吉祥寺であの歌手の歌を聴いたんだ という言い方じゃ、吉祥寺のライブハウスに行って生歌を聴いた ということが伝わらないんです。きっちり、吉祥寺のライブハウスで、彼女が歌っているのを聞いたんだ みたいに言わないといけない。できるだけ具体的に詳しくあらわさないといけないんですね。
そのことは重々承知しているんですが、気が緩むとつい、共通の知識を持っていることを前提とした言い方をしちゃう。そしたら、途端に英語としては成立してるのに伝わらなくなる。
そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は、読むと自然な英語を得られるお得なエッセイです。
竹の根がすぐに広がっていくんだ。もちろん、近所の家の下とか、庭にね。
父の実家という言い方が正しいかどうかわかりませんが(私が育った家じゃないものでして)、そこには広い竹林があります。池に築山なんかもあったりして、なかなかの風情。夏は風にそよぐ竹林を見て一句、いや私なら一献(いっこん)でしょうか。そんな風雅な心持になるわけですが、一方で、春先のことを思い出すとちょっとうんざりする。
ご存じかと思いますが、竹林は春にきちんと世話してやらないと大変なことになるんです。
そんな話を、English man の友人のRichにしたんです。今年の春先に福岡の実家に行ったという話をした流れで、竹林って定期的に手入れする必要があるんだという話になった。
すごい大変なんだよ、というとさすがNative English Speakerらしく、どんなところが? って詳しく具体的に話を聞きたがる。まぁ色々大変なことはあるんですが、一番大変なことをこう言ってみた。
The roots of the bamboo spread quickly, (竹の根はすぐに広がっていくんだ)
and of course, under neighbours' houses and their gardens (もちろん、近所の家の下とか、庭にね)
so we should cut them. (なんで根を切らないといけないんだ)
竹の生命力は偉大で、ほっとくと隣家の家の土台をひっくり返しかねない。そうなっては一大事ですから、えっちらおっちら土ほって根を切らないといけないんです。それを伝えたですが、Rich、へぇ~と言った後、
そこはof course なの?
って首を傾げる。
枕を振ってあるので、みなさん、Richがof couse に違和感を持った理由、お判りになりますね?
そこはof course なの? って言われた瞬間わたしは、そりゃそうだろ と思ったんですが、ちょっと考えるとこれはこっちが当たり前と思っていることでNative English Speakerにとってはそうじゃないんです。
竹の生命力なんてNative English Speakerが知るわけがない。知らないことをof course (もちろん)と言われてもピンとこないのは当たり前です。
ああ、そこはof course じゃないねぇ~ と私も考えを改めて、どうつなぎを入れればいいかと思ったんですが、いいのが思いつかない。こっちが当然と思っていて、相手が知らないことを話すときのつなぎです。
ちょっと困ったんで、それを正直にRichに質問してみた。なんたってa walking dictionary ですから。こっちが当然と思っていて、相手が知らないことを言うときのつなぎかぁ~ とRichも一瞬悩んだんですが、すぐに。
including ~ だね
と出てきた。
なるほど、~を含むんだけどね というとこっちが当然と思っていることを、相手が知らない場合にも伝えられます。巧い言い方をもらいました。
みなさんも、もちろん と言おうとして、あれ? 相手が知らないかな? と思ったときは、including を使ってください。便利ですよ。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
おっと、わたしが言いなおした文を書いてませんでした。
The roots of the bamboo spread quickly, and including under neighbours' houses and their gardens so we should cut them.
です。of course のところが変わっているだけですけど、一応あげておきます。
イラスト 大橋啓子