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クオリファイング・オファーを申し出られた10人のうち、受け入れて残留しそうなのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーセル・オズーナ Oct 7, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10人のFAが、それまで在籍していた球団から、クオリファイング・オファー(QO)を申し出られている。今オフのQOは、1年1780万ドルだ。

筆者作成
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 そのうちの6人、先発投手4人と三塁手2人は、QOを断るだろう。ゲリット・コールスティーブン・ストラスバーグマディソン・バムガーナーザック・ウィーラーに、アンソニー・レンドーンジョシュ・ドーナルソンだ。

 また、シカゴ・ホワイトソックスは、ホゼ・アブレイユと複数年の契約について話し合っているらしい。ESPNのジェフ・パッサンが報じている。早ければ、QOの受諾あるいは却下を決める期限の11月14日までに、新たな契約がまとまる可能性もある。

 残る3人のうち、マーセル・オズーナはQOを受け入れるのではないだろうか。2年前の37本塁打&出塁率.376と比べると、今シーズンの29本塁打&出塁率.328は見劣りする。10人のなかでは最も若く、11月12日に誕生日を迎えても29歳なので、来シーズンに再び好成績を残し、それからFA市場に出ても遅くはない。

 ジェイク・オドリッジウィル・スミスは、判断が難しい。今シーズン、オドリッジの防御率は3年ぶりの4.00未満(3.51)ながら、30試合に先発して規定投球回に3イニング届かなかった。その前の5シーズンも、いずれも28先発以上にもかかわらず、170イニングを超えたのは2016年(187.2イニング)の1度きり。QOを却下すれば、どこかの球団から複数年の契約を得られるだろうが、その平均年俸はQOをかなり下回るはずだ。

 スミスはここ2シーズンとも好投しているものの、大型契約を得られるリリーフ投手はそう多くない。ただ、オプト・アウトできる権利を持っていたアロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)が契約を延長したので、今オフのFA市場にスミス以上のリリーフ投手はいなくなった。この状況を好機と捉え、QOを却下するかもしれない。

 ちなみに、チャップマンの新たな契約は、3年4800万ドルだ。それまでの契約は、あと2年3000万ドルが残っていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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