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価値ある勝利で巨人と2ゲーム差に。22日からの2連戦をものにして阪神は連覇するか #専門家のまとめ

横尾弘一野球ジャーナリスト
昨年、18年ぶりリーグ優勝の瞬間を待つファン。今年も同じ光景が見られるか。(写真:アフロ)

 9月21日の横浜DeNA22回戦は、3回表に井上広大の3ラン本塁打などで4点を奪うも、5回裏に一挙5点を献上。このままなら連覇への希望は消えるという局面で、猛虎は底力を発揮した。8回表に追いつき、延長10回表に佐藤輝明の勝ち越し弾で価値ある勝利。巨人は広島に逆転負けし、マジック6は消えないものの2ゲーム差となる。22日からは、甲子園球場で直接対決の2連戦だ。佐藤輝を筆頭に選手たちの意気は上がり、この大一番に連勝すれば阪神は球団初のリーグ連覇にグッと近づく。

ココがポイント

救援陣が懸命に粘って佐藤輝の勝ち越し弾を呼んだ。「僕たちも誰ひとりあきらめていない」。背番号8の言葉に、沸き返っていた。
出典:デイリーONLINE 2024/9/21(土)

-苦しい展開から大きな1勝「なんとか粘って取った1勝だったので、本当に大きい価値だと思います」
出典:日刊スポーツ.com 2024/9/21(土)

22日からの巨人2連戦にはチームトップ12勝の才木、故障から1軍復帰後、4戦4勝の高橋が向かう見通し。
出典:スポーツ報知 2024/9/18(水)

エキスパートの補足・見解

 プロ野球が2リーグに分立した1950年以降、巨人がリーグ優勝したシーズンに阪神が2位だったのは16回あるが、阪神の6回の優勝時に巨人はすべて3位以下だという。つまり、このまま順位の変動がなく巨人が優勝すれば、17回目の阪神2位となるに過ぎないが、阪神が逆転優勝して巨人が2位なら史上初だ。そのために重要だった9月21日の横浜DeNA戦に延長10回で逆転し、巨人が広島に敗れたことで阪神には数字的にも、選手たちの気持ちの面でも大きなチャンスが訪れた。22日からの巨人との2連戦に連勝すれば、球団史上初の連覇を達成できる可能性はかなり高くなる。ただ、阪神は7、巨人は8という残り試合にはAクラスを争う広島と横浜DeNAとの対戦も多く、互いに気の抜けない日々が10月3日まで続く。それでも、18年ぶりのリーグ優勝を果たした昨季の歓喜を肌で感じている選手たちは、熱狂的なファンの後押しも受けてシビれる戦いを見せてくれるだろう。あと7試合、阪神タイガースからは目が離せない。

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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