赤と青、二種類の紫蘇が織り成す香りに首ったけ!「二紫蘇餅」の瑞々しく大胆な粒餡にもち麦のアクセント
日本食においても欠かすことができない食材の一つ、紫蘇。甘酸っぱい赤紫蘇はドリンクや梅干しを包んだり、すぅっと心地よい清涼感が魅力的な青紫蘇はパスタからお刺身まで幅広いお料理にも大活躍。
それは和菓子においても同様でして、地方の銘菓には赤紫蘇で求肥などを包んだ餅菓子や、夏場は糯米であんこを包んだものを大葉の葉と共にいただく和菓子など実は意外と身近な存在。しかし、その二つを共に口へ運ぶことはなかなか稀だと思うのですがいかがでしょう?
静岡県浜松市に本店を構える巌邑堂さん。メディアへ登場するだけではなく、海外でも人気の高い和菓子屋さんでは現在、その二種類のいいとこどりといっても過言ではない和菓子を作っていらっしゃるのです。
今回は巌邑堂さんの「二紫蘇餅」をご紹介。
赤と青、二種類の紫蘇の葉で包まれた糯米はまるで花の蕾のよう。相補の紫蘇の葉は柔らかく、赤紫蘇の甘酸っぱさと青紫蘇の鼻に抜ける涼香が喧嘩せず、それでいてなかなか出会うことのない優雅な香りのハーモニーを奏でているのです。仄かな塩気にも病みつき。
とろりと柔らかな糯米と同じテンションの粒餡は、しっかりと大納言小豆の形を保った柔らかな美形な小豆がごろりと。糯米の粒感と小豆の大きさのギャップに驚きです。
また、ぷちぷちっとしたもち麦としゃりっとした白ごまの香ばしさも加わり、滋味深い甘味にナチュラルな奥行きが添えられているのもお洒落ですね。じっくり噛みしめて味わいたいのに、さらさらと喉元へ流れていってしまう瑞々しさが名残惜しい。
実はこちらのお菓子。今年6月に玉川高島屋さんで開催された和菓子の祭典、THEWAGASHIに巌邑堂さんが出店なさった際に、大阪の名店「本まつばや」さんが作っていらした「赤紫蘇餅」というお菓子に巌邑堂さんのご主人が惚れ込み、二紫蘇餅が誕生したといういきさつも。
世代も県境も越えて広がる和菓子の美味しさと可能性に触れてから二紫蘇餅を手に取ると、ころんと小柄なお餅がとても大きなオーラを放っているように思えるのです。
こちらは日本橋高島屋さん地下1階の常設店にて購入することができました。平日でも夕方には売り切れてしまうこともあり、私はリベンジして購入することができました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<巌邑堂・日本橋高島屋店>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区日本橋2-4-1
03-3211-4111
10時30分~19時30分