台風1号はいつ発生する? 今年も台風に備えを
今年はまだ台風が発生していない。台風1号は2年ぶりに春の発生となりそうだ。夏の降水量予測によると、フィリピンからマリアナ諸島付近で雨が多い。台風が活発化する可能性もあり、今年は台風に警戒が必要だ。
台風1号に2つのグループ
4月になっても肌寒さを感じますが、季節は着実に夏に向かって進んでいます。タイトル画像は2日(土)正午の雲の様子です。日本の南海上に雲がほとんどなく、今ここでは夏の高気圧が少しずつ成長を始めています。そういえば、今年はまだ台風が発生していません。
台風1号はいつ頃発生するのか、調べてみました。こちらのグラフは2000年以降、台風1号が発生した月をまとめたものです。
発生が多いのは1月と5月、冬と春の2グループに分かれるようです。真冬の1月に多いとは、意外に思われたかもしれませんが、熱帯の海は一年を通じて台風が発生する環境が揃っています。
でもなぜ1月が一番多いのでしょう。その答えは海面水温の季節変化にあります。海はゆっくり時間をかけて冷えるため、台風の発生は12月から1月にかけて続きます。2019年は1月1日に台風1号が発生して、ちょっとした話題になりました。でもそれはカレンダーが変わっただけのことで、昨シーズンの残り台風です。
昨シーズンは強い台風上陸せず
今年は1月に発生がなく、2年ぶりに春の発生となりそうです。最近の台風を振り返ると、2020年は台風の上陸がなく、2021年は3個上陸したものの、強い勢力ではなかった。そう思うと、ここ2年くらい、本州への影響は大きくなかったと言えるかもしれません。しかし、いつまでもこの状況が続くとは思いません。
この夏、台風は活発か
今年2月に発表された暖候期予報では夏の気温や梅雨の降水量の見通しは示されても、台風そのものの予想は行なわれていません。長期にわたる台風の予想は一筋縄ではいかない難しさがあります。
それでも、何か傾向は掴めないか、ちょっと専門的ですが、東南アジア全体の降水量予測図を見てみましょう。
赤道を挟んで、南緯20度から北緯40度の範囲を示した図で、右上に日本、右下にオーストラリアの一部があります。そして、暖色は平年と比べて降水量が少ないことを、寒色は降水量が多いことを表しています。
着目した場所に①、②、③と囲みをつけました。①インド洋東部(南半球側)からインドネシア付近は雨が多い、②ベンガル湾から南シナ海付近は雨が少ない、③フィリピンからマリアナ諸島付近は雨が多いという多重構造になっています。
このなかでも③北緯20度付近で雨が多い予測になっていることに目が留まりました。このあたりは台風がよく発生する海域です。単純に、雨が多い=台風のせい、とは言えませんが、この夏は台風が活発化する可能性があるような気がしています。
【参考資料】
気象庁:暖候期予報、2022年2月25日発表
気象庁ホームページ:過去の台風資料