冬至に湯治しよう!ゆず風呂で得られる「温泉と同じ効能」とは?
12月22日は1年で最も日の出から日没までの時間が短い「冬至」の日。今夜はゆず風呂に入ろうと思っている人は多いだろう。
そもそも、なぜ冬至にゆず風呂に入るようになったかというと、厄払いの禊(みそぎ)の意味合いがあったといわれている。
冬至は「太陽のエネルギーが復活する日」でもある。つまり、冬至以降は少しずつ日照時間が増えるため、太陽からの運を呼び込む前に、厄払いとして身体を清めていたというわけだ。ゆずの強い香りが邪気を払うことを期待されたのだろう。
ゆず風呂に入る習慣は、銭湯が盛んだった江戸時代に始まったと伝わる。ゆず→「融通がきく」、冬至→「湯治(とうじ)」。こんな語呂合せもあいまって、冬至には風呂にゆずを入れる習慣が根づいていったとされる。
ゆず風呂の効能
では、風呂にゆずを入れると、どんな効果が期待できるのだろうか。
一般にはゆず風呂に入ると、「風邪をひかずに冬を越せる」とされるが、それは強ちでたらめな言い伝えではない。
ゆずの皮に含まれるリモネンなどの成分が、皮膚に浸透することで毛細血管が刺激され、血行促進につながるとされるからだ。血行がよくなれば、身体も温まり、風邪にかかるのを予防してくれる。
温泉にも血行促進を促すとされる泉質がある。二酸化炭素泉(炭酸泉)だ。
皮膚から吸収された炭酸ガスが毛細血管を拡張し、血液の循環をよくする。心臓に負担をかけることなく、血液の循環がよくなるため、血圧を下げる効果もある。だから二酸化炭素泉は「心臓の湯」とも呼ばれる。
炭酸泉で血行促進
ただ、天然の二酸化炭素泉は貴重な泉質で、入浴できる機会は少ない。多くの人にとっては、市街地にあるスーパー銭湯やスパ施設の「人工炭酸泉」のほうが馴染みがあるかもしれない。
人工炭酸泉は炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだ湯で、浸かると細かな気泡が体中に付着し、まるでラムネやシャンパンの中に身を沈めているような感覚が味わえる。これも二酸化炭素泉のような血行促進効果を得られる。
今年の冬は全国的に冷え込みが厳しい。ゆず風呂や炭酸泉に入って身体を温め、無事に年を越したいものだ。