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「韓国と日本では違いもある」韓国の関係者は日本のスポーツ産業をどう見たか?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
『SPORTEC×HEALTH&FITNESS JAPAN』の様子(著者撮影)

肌の露出やボディラインがハッキリわかる夏が到来したせいだろうか。最近はダイエットやボディシェイプに関する広告や雑誌の特集を目にする機会が多くなったような気がする今日この頃だ。

特に近年はフィットネス熱が高まり、日本のフィットネス業界の市場規模は約4800億円まで膨れ上がっているとも言われている。24時間営業のフィットネスジムやパーソナルトレーナーが運営しているプライベートジムなども増えているが、韓国でもフィットネス熱は高まっている。

今年2月に韓国の文化観光部(日本の文部科学省に相当)が発表した『2018年国民生活体育・参与実態調査』によると、韓国では国民の62.2%が、週に1度、1回30分以上の割合で何らかのスポーツをして汗を流しているという。

しかも、「もっとも行っているスポーツは?」という問いへの回答が興味深い。1位ウォーキング(35.2%)、2位登山(21%)、3位がボディビル(13.9%)だったのだ。

韓国では“マッスル・ブーム”以降、大小さまざまなボディビル・コンテストが全国各地で行われるようになり、特に女性たちの間で美ボディへの関心が高く、カリスマ・トレーナーなどはタレント化して“スポテイナー(スポーツとエンターテイナーを合わせた造語)と呼ばれるほどだ。

(参考記事:「上位1%の神ボディ」に「国宝級リンゴ尻」。韓国3大“美女スポテイナー”を一挙紹介!!【PHOTO】)

そんな日韓のフィットネス産業の盛り上がりを垣間見ることができる展示会があった。7月9日から11日までの3日間にかけて、東京ビッグサイトの青海展示棟で行われた『SPORTEC×HEALTH&FITNESS JAPAN』がそれだ。

日本最大のスポーツ・フィットネス・健康産業総合展であることは知っていたが、会場に入って驚されたのはその熱気だ。延べ面積11,620平方メートルの会場には、数百社を超えるフィットネス関連の会社が出展していたのだ。来場者たちが実際にトレーニングマシンやレッスンなどを体験できることもあって、どの出展社にも人が多く、連日大盛況だった。

トレーナー指導のもとで体験する来客者たち(著者撮影)
トレーナー指導のもとで体験する来客者たち(著者撮影)

しかも、今年の『SPORTEC×HEALTH&FITNESS JAPAN』には中国、台湾、タイといったアジアのスポーツ・フィットネス業者も多数参加していた。出展企業が国ごとに集まって「中国パビリオン」「台湾パビリオン」「タイ・パビリオン」などが設けられており、その中には「韓国パビリン」があったので、その中のひとつの出展社の関係者に話を聞いてみたが、彼らも日本のフィットネス熱の高さには感心していた。

「『SPORTEC』に出展するのは今回で2度目ですが、前回同様に日本の健康志向やフィットネスの熱気を感じることができますね。日本の人々は内向的で傍観するだけというイメージがありましたが、ほとんどの来場者がトレーニング機器を実際に試したり、詳しい説明を求められます。インターネット販売が主流の韓国とは違って、自分の目で確かめて購入するという人が多いようです。韓国でもスポーツ展示会に多く出展してききましたが、韓国と日本では明らかな違いもある」

この関係者によると、例えば展示会にやって来る来場者の比率が異なるという。韓国では一般人が多いが、日本ではトレーナーやコーチ、フィットネスジム経営者たちが多い印象だったらしい。

「こういったスポーツ展示会を韓国で行うと、ほとんどが一般参加者なのですが、日本では一般人30%、コーチやジム経営者が70%という感じですね」

それは前述したように、日本では近年、24時間営業のフィットネスジムや、パーソナルトレーナーがひとりで運営している小規模なジムが増えていることが関係しているかもしれないが、韓国の視点に立つと日本ではフィットネス器具専門業者だけではなく、医療技術を応用した器具や用品への関心も高いと感じたそうだ。

韓国パビリオン(著者撮影)
韓国パビリオン(著者撮影)

「日本では最先端技術を使った“自宅でできる健康器具”や医療という検証された技術を応用した高齢者関連用品も多くて、とても参考になりました」

韓国人の健康志向の高さは日本人にも負けず劣らず世界トップレベルと言われており、近年は家庭で誰もが気軽に健康増進に取り組んでいる。

日本は国の成長戦略のひとつとして“健康長寿社会の実現”を掲げており、健康寿命延伸の重要性やセルフケアの意義がますます高まっているが、もしかしたらそうした取り組みが韓国の出展企業にも何らかのヒントを与えたかもしれない。

いずれにしても、3日間で4万2000人が訪れたという『SPORTEC×HEALTH&FITNESS JAPAN』。秋にはインテックス大阪で、『SPORTEC WEST2019』が開催されるという。そこでもきっと熱気を感じられるはずだ。日本のフィットネス産業の今に興味があったり、関心がある方々にはぜひ一度、訪ねてみることをお勧めしたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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